IN/OUT (2010.9.19) |
|
久々、それほど夜更かししてないのに、目が覚めたら夕方という長時間睡眠を達成。嬉しいような、時間を無駄にしたような、やや複雑な心持ちですが。 最近のIN"Flickan som lekte med elden" / "The Girl Who Played with Fire" (10.9.18)「ミレニアム / ドラゴン・タトゥーの女」の続編を観てきた。邦題は「ミレニアム2 火と戯れる女」。 スウェーデンで国民的ベストセラーとなったミステリ三部作。その映画化作品もまた、三作すべて、北欧諸国で大ヒットし、ハリウッドでのリメイクも決定。ヒロイン、リスベット役を勝ち取ろうと、有名女優が続々と名乗りを上げているという。 この三部作。一作目が過去に起こった少女失踪事件を巡る本格ミステリ。以後の二作はポリティカル・スリラーをベースに、二作目がアクション、三作目が法廷物と、それぞれ異なるジャンルのミステリを骨格にしている。そこに、リスベット・サランデルという特異な個性を持つヒロインを配したことで、麻薬的な魅力を持つストーリーになっているのだ。ただし、登場人物達の行動様式(特に恋愛面での)は、日本標準からは相当外れているように感じる。その辺で、好き嫌いが大きく分かれると思うのだが、私は、原作小説はそれこそノンストップで三部作一気読み。映画化された一作目も楽しめたので、続編がちゃんと日本公開されて、嬉しいのである。 映画自体は、長大な原作を手際よくまとめた佳作だと思う。ただ、端折られた部分を脳内補完できる原作ファンと違い、小説を未読の人が初めて観た場合、どこまでストーリーを理解出来るのか、心配ではある。また、三部作の真ん中というのは、どうしても「繋ぎ」的な地味な位置づけになる運命で(スターウォーズの「帝国の逆襲」が好例)、本作のラストもかなり消化不良感が残るのが、仕方ないとは言え、残念。 なお、悪役の名前が、"Zalachenko"。邦訳書では、ローマ字読みに近く「ザラチェンコ」と訳されていたため、映画の字幕でもそうなっているのだが、聞こえてくる音は濁らない「サラチェンコ」、もしくは「サラシェンコ」。その差異が、どうも気になったのである。 "Luftslottet som sprängdes " / "The Girl Who Kicked the Hornet's Nest" (10.9.18)引き続き、「ミレニアム三部作」の三作目を観てきた。邦題は「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」。現在、渋谷シネマライズでは、昼間は「ミレニアム2」、レイトショーで「ミレニアム3」を上映中なのだ。9/25からは上映時間が変わるようだが、2と3、間を空けず観ることができるこのシステム、中々結構。 やはり、原作からの省略・改編部分が目立つが、原作のボリュームを考えれば、2時間半に収めるには妥当な脚色だろう。ただ、どうしても時間不足は否めず、三作目から新たに登場する人物の掘り下げが物足りない。全体として、TVドラマシリーズの総集編を見ているような感じを受けてしまう。 それでも、ほぼイメージ通りだったリスベットと、最初は違和感を覚えたが徐々に見慣れてきたミカエル。配役に恵まれ、三作合わせて、十分に楽しめる映画化だった。 なお本国では、映画公開の後で、ほぼ同じキャストによる90分 × 6回のTVシリーズが放映されたそうだ。映画三作合わせて429分に対し、TVシリーズは540分。当然、より深く語られていると思われる訳で、こちらの日本放映もしくはDVDリリースを強く望むところである。 今年は、本当に「暑さ寒さも彼岸まで」という古人の知恵を実感する年になったと思う今日この頃です。 |