IN/OUT (2010.1.31) |
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色々とパンク気味の日々。時間配分で最初に犠牲になるのは、掃除関係になってしまう今日この頃です。 最近のIN「ミレニアム / ドラゴン・タトゥーの女」 (10.1.31)スウェーデンのミステリ映画を観てきた。 原作は、スウェーデンで国民的ベストセラーとなったミステリ三部作の第一作目。著者のスティーグ・ラーソンは、元々、ジャーナリストで、これが処女作だったのだが、その成功を見る前に病死してしまったという、内容以上にドラマチックな背景を持った作品だ。本国では既に三部作全て映画化作品が公開され、大ヒットを記録したそうだ。 原作をちょうど読み終わったところで、タイミング良く、一作目の映画が公開された。原作の方は、三部すべて上下巻の分厚いものだが、孤島を舞台にした本格ミステリ、猟奇殺人、法廷劇、ポリティカル・サスペンスといったエンターテインメント要素をてんこ盛りにした上に、スウェーデン社会の暗部をえぐる社会派の視点まで取り込んだ大作だ。読み始めると、三部一気に読み通させる力がみなぎった作品だが、新人作家の気負いというか、全体に Too Muchな感じもあった。 さて、その映画化作品。原作に溢れていた北欧の寒さが伝わってくる映像は、やはり本国で映画化されたからこそだろう。あれだけの分量の原作を2時間32分に押し込むため、一部は大胆に省略したり、改変を加えたりしているが、それなりに手際よくまとまった脚本だと思う(個人的には、いくらベストセラーでも、長編小説を映画化するのには、常々疑問を感じている。2時間程度の上映時間を考えれば、長編小説を端折って映画化するより、短編小説を膨らませる方が良いと思う)。それでも、個々の登場人物を掘り下げる時間が足らず、犯人の意外性があまり感じられなかったり、ラストの方の原作からの改変には、ちょっと残念な感じもあったりする。 強烈な個性のヒロインは、中々の適役。一方、男性主人公の方は、原作でのモテモテぶりとは違和感のある中年男性だったが、もしかしたらスウェーデン人的には、ああいう男性でOKなのだろうか? 全体に、他の登場人物も原作からの印象より高年齢にシフトしていた感じなのだが、お国柄か? お国柄と言えば、そもそも、かなり過激な内容を含む原作が「国民的ベストセラー」になったこと自体、スウェーデン社会、恐るべし、という気もする。ともあれ、原作を堪能した者としては、あとの二部もお蔵入りすることなく日本公開されることを願う。 と言いつつ、上映時間2時間32分の映画を観に行く時間は捻り出している訳ですが、まあ、人は埃では死なないということで… |