IN/OUT (2010.7.18)

近所のスーパーマーケットが、名称変更。別に経営母体が変わった訳ではなく、ブランド名の変更のみ。マーケティング戦略という奴でしょう。効果はよく分かりませんが。


in最近のIN

"Inception"10.7.17

2008年のベスト映画、"The Dark Knight"のChristopher Nolan監督の新作を観てきた。

他人の潜在意識に侵入し、アイディアを盗み出すという国際的産業スパイ。そのリーダーが、Leonardo DiCaprio、依頼人が渡辺謙という豪華布陣。潜在意識に侵入というのは、共有された夢の中で行われるのだが、その設定の論理的整合性を気にしていると、かなり疲れたりもする。さらに、その夢が多層構造になっている=夢の中で夢を見て、さらにその中に侵入する、という複雑さ。

しかし、特殊な世界観にも関わらず、それを圧倒するような力強さで映画は進んでいく。極めて難度の高いミッションを達成するため、世界中からスペシャリストを集めたチームを結成する過程。不測の事態に直面し、危機に瀕しながらも、それを乗り越えていくチーム。迫るタイムリミット。良く出来たスパイ映画として、一本筋が通っており、それと特別な設定が巧く絡み合って、強烈な印象を与える作品だ。

夢の中にダイヴするというのは、筒井康隆など多くのSF小説だけでなく、村上春樹の小説などにも出てくる設定だ。夢=仮想空間と現実、果たしてどちらがリアルな世界なのかという命題の提起は、古典的とすら言える。チームがまとまって仮想現実の中で活躍するところは"The Matrix"のようでもあるし、夢の中にいるのか現実なのかを見極めるための小道具の設定は、"Blade Runner"に出てきた折り紙を思い出させる。しかし、ありがちなアイディアから一歩も二歩も進んだ、独自のルールを緻密に構築し、エンターテインメントなストーリーを組み合わせたNolan監督。さすがの力量だ。

ただ、この設定を破綻させずに描ききるNolan監督の生真面目さと、Dicaprioの力の入りすぎた演技が、やや重い印象にしている感もある。"The Dark Knight"でのHeath Ledgerのような、物語の枠組みすら破壊しかねないような狂気の役者が出演していたら、とてつもない傑作になっていたような気がするのが、ちょっと残念なところだ。



このスーパー。開店以来、これで二回目の名前変更です。特に事前告知が目立っていた訳でもなく、なんだかレジ袋のデザインが変わったな、などと思う程度で、すぐには気がつかず。ふと看板を見直すと、実は店の名前が変わっていたというのは、ちょっとしたアハ体験ですな。