IN/OUT (2010.4.25) |
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慌ただしさ、加速するばかりの今日この頃、気がつけば、ゴールデンウィーク直前です。 最近のIN"Le concert" (10.4.24)フランス映画を観てきた。邦題は「オーケストラ!」 ソビエト共産党の独裁下、音楽界を追われた元天才指揮者が、30年後、昔の仲間を集め、パリ公演を行うという話。30年もブランクが開いていてちゃんと演奏できるのかなど、野暮な突っ込みは無用のお伽噺と思いきや、見終わってみれば、見事な感動作だった。 ひょんなことから有名交響楽団になりすまし、パリに向かおうとする前半は、映画のリズムに乗りきらないところもあった。共産党政権下の辛い過去など、重いテーマもはらんでいるのだが、底の深さという点では物足りなさもある。 しかし、そうした不満も、ラスト12分間の演奏シーンですべて解消。たっぷりと時間をかけてチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を聴かせながら、それまで張り巡らされていた伏線を回収し、謎解きをし、さらに後日談まで織り交ぜる演出が素晴らしい。そして、音楽の神様の存在を、登場人物と一緒に、観ている我々も実感する瞬間。涙腺決壊である。監督は、音楽の素養がかなりあるのだろう。クラシックに限らず、すべての音楽ファンに楽しんでもらいたい作品だ。 もう一つ、特筆すべきは、ヒロインを演じるMélanie Laurentの美しさ。"Inglourious Basterds"での演技も印象的だったが、意志の強さを兼ね備えた美貌は、当代一だろう。彼女の表情を観ているだけでも幸せになれる映画でもある。 かなり先の分まで合わせ、財布の中にはイベント類のチケットが10枚。これを心の拠り所に、もう一踏ん張り。 来週は、ゴールデンウィークの移動になるので、更新は難しいかもしれません。 |