IN/OUT (2010.4.18) |
|
先週、季節が変わりつつあるということを書いたばかりなのに、雪の舞う日があったりして、油断がならない気候が続く今日この頃です。 最近のIN"Moon" (10.4.17)月を舞台にしたSF映画を観てきた。邦題は「月に囚われた男」。 大企業(韓国資本という設定)に雇われ、月面の資源採掘場で三年間、一人きりの任務に従事する男。間もなく帰任という時になり、異変が起こる。誰もいないはずの基地に…。という物語。 主人公が一人きりで淡々と作業をこなす基地の様子。彼をサポートする人工知能。限定された登場人物と、前半の静かな展開は、「2001年宇宙の旅」のような正統派SFの雰囲気を醸し出す。後半、異変が起こってからは、「惑星ソラリス」のような、ハードな哲学的SFになるかと思いきや、思弁的な部分と娯楽性がうまくバランスした、とても良く出来た作品だった。 面白いのは人工知能の設定。徹底して無機的だった「2001」のHAL9000と違い、ニコちゃんマークをディスプレイに表示するお茶目な奴で、良い活躍をするのだ。 今時のSF映画にしては、目を惹く特撮など派手な部分は無いが、ちゃんとSFしている。Duncan Jonesは、これが長編初監督作だが、さすが、David Bowieの息子だと思わせる趣味の良さだ。 "2010 阿密特/張惠妹世界巡廻演唱會 | 2010 AMIT / A-Mei LIVE in JAPAN" (10.4.18)台湾の歌手、張惠妹(A-Mei)のライヴを観に、赤坂BLITZに行ってきた。 今回のライヴは、A-Meiとしてだけではなく、台湾の原住民、卑南族(プユマ族)出身の彼女が、その部族での名前=阿密特(AMIT)を使って開始したプロジェクトのライヴでもある。ポップなA-Meiに対し、ロック寄りのAMIT。以前から、私は、彼女のロック・パフォーマーとしての魅力に惹かれ、前回の日本公演でも、その幅広い選曲を楽しんだものの、もっとロック一色でも構わないと感じていたので、非常に期待が持てるライヴだ。 キャパ 1,400人ほどのBLITZは満員。半分以上が中国系の人のようだ。登場したバンドは、リードギター、サイドギター、ベース、ドラムス、キーボードの5人とコーラスが4人。リードギターは、なんと、元Megadethのギタリストにして、最近は日本のお茶の間でもお馴染み、Marty Friedmanだ。 演奏が始まる。マーティを中心にしたヘビーな伴奏と、民族音楽的なメロディーが調和し、そこに力強いヴォーカルが重なる。A-Meiとはひと味違う、AMITのサウンドがカッコ良い。 ド派手なパフォーマンスを見せる元メガデスの超絶ギターに、真っ向から対峙し、一歩も引けを取らないA-Mei/AMITの歌声。実に見応えがある。その激しいパフォーマンスの合間の、飾り気のないMC(ほぼ100%、中国語だったが…)が可愛い。 途中、日本向けのサービスか、日本の曲を三曲。「涙そうそう」、「壊れかけのRadio」は、彼女の歌唱力を引き立たせていたが、その次にやった曲に度肝を抜かれた。マーティのギターをフィーチャーし、縦ノリでハードなロック・アレンジで歌われる「天城越え」。もう、めちゃくちゃカッコ良いのだ。 ということで、2時間50分たっぷりと、実にパワフルなコンサートを堪能した。彼女は、女性ロック・シンガーとして世界でもトップクラスだと確信。ただ、長時間のスタンディング・ライヴで、腰とか背中とか、かなりのダメージも受けてしまった。 それでも、さすがにこれ以上の寒の戻りは無いだろうと、コート類をまとめてクリーニング屋へ出してしまいましたが、大丈夫だよな… |