Nora Ephron監督の新作を観てきた。
料理を通して人生を前向きに変えた二人の女性、1950年代、アメリカ人向けにフランス料理のレシピ本を出版したJuliaと、2000年代、Juliaに憧れ、彼女の全レシピの再現をブログに綴ることを始めたJulie。彼女たちの人生をカットバックしつつ映画は進む。
"Sleepless in Seattle(めぐり逢えたら)"や"You've Got Mail"など、ラヴ・コメディの名手、Nora Ephronらしい、チャーミングにまとまった映画だと思う。ただ、私には、主人公の一人、Julieが痛すぎた。「自分探し」で始めたブログが人気になったことで、自己中心的傾向に拍車がかかる彼女の姿は、「人気ブロガー」の暗黒面を見るようで、感情移入できない。Juliaに抱く、盲信的な崇拝の念も、頭悪そう、という感じだ。
もっとも、私の場合、自分自身がミュージシャンに関するサイトを運営しているので、彼女のイタさを、より強く感じたのかもしれない。そういう意味では、「ファンサイト」を作っている人間には背筋が寒くなるような場面も一カ所。あそこは怖かった…
そんな中、見所は、Juliaに扮したMeryl Streepの演技だ。食を愛し、マッカーシズムの波に翻弄され任地を転々とする夫を愛し続けた、常にポジティブな女性を圧倒的な存在感で演じている。元々は、「知的」・「上品」というキーワードが似合う女優だと思っていたが、MAMMA MIA!に続いて、豪放磊落な女性の役。それがまた、見事にはまっているだけに、このまま、豪快オバさん路線を突き進んでしまって良いのか、他人事ながら心配してしまう。
前歯の補修はあっという間に完了。ついでに歯石除去ということになったのですが、ここ数年、歯医者通いを怠っていたため、結構な大作業に。ドリルで削る訳じゃ無いのだから、痛くは無いんだけど、それでも何だか痛そうに感じてしまう、というところが歯医者の嫌なところなのです。