舞台でヒットしたミュージカルの映画化作品を観てきた。
元の舞台は、2004年にシンガポールで観ている。そして、この映画。大物俳優を起用した映画化だからと言って気負ったところがない。オリジナル通りの能天気さを押し通しているわけで、こちらの感想も、2004年のIN/OUTにリンクを張ればおしまい、という気もする。
要は、ABBAのヒット曲をつなげて、若者をダシにしながら、実際はABBA世代の中高年をメインに、あらあら楽しい、というだけの作品なので、深い感動など無い。そんな作品を、格調高くスクリーンに移植しても無駄。だったら、舞台のままの、コテコテの演出をさらにパワーアップしよう、というのが製作者の思惑だろう。で、それが正解だと思う。
私としては、ミュージカルに対する免疫の無さ、そして、大昔、最初に買ったアルバムがABBAのベスト盤だったという、今となっては気恥ずかしい思い出が重なり、いささか居心地が悪かったのだが、それでも、Meryl Streepのはじけきった姿は見応えがある。歌も上手いし、あの能天気な雰囲気の中で手抜き無しのまっとうな演技を披露しているし、さすがに超大物実力派女優である。
ということで、積極的には評価できないが、憎めない作品というのが私の感想だが、ABBAの曲を知らない、あるいは知っていても有名どころの数曲だけ、という人にとっては、超駄作になってしまうかもしれない。