IN/OUT (2009.10.4) |
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10月3日は中秋節でした。中華圏(中国では、今年は国慶節と合体して、日本のシルバーウィーク以上の連休になっているんですね)だと、月餅売り場の盛り上がりで町中が賑やかになるのに比べ、日本では地味なものです。まぁ、その方が「和」らしくて味わいがありますが。 最近のINELDAR @ ブルーノート東京 (09.10.3)キルギス共和国(旧ソ連)出身、1987年生まれの若手ジャズ・ピアニスト、Eldar Djangirovの公演を観てきた。 彼の演奏は、先日の東京JAZZで、NHK交響楽団のステージに一曲ゲスト出演したのを見ている。そのときは、申し訳ないが、ちょっと上手なピアニストというだけで、極めて印象が薄かった。まぁ、ジャズ・フェスのオープニングを飾るには全く相応しくなかったNHK交響楽団の面白みのない演奏(と、私は感じた)へのゲスト出演だったので、彼にとっては不利な状況。今回、ブルーノートの無料招待券があったので、改めて見てみることにした。 ベースとドラムを加えたトリオ編成。Eldarは、ピアノの上に電子キーボードを載せ、ソロ・パートではオルガン風のサウンドも聴かせる。その演奏は、スピード感に溢れた流麗なもので、東京Jazzでの退屈だった演奏が嘘のようだ。はっとさせるフレーズも、あちこちに出てくる。曲によっては、もっと荒々しいタッチでも良いのでは、と感じることもあり、バック・バンドの演奏も含め、ダイナミックさは、物足りない。観客を圧倒するようなパワーがまだ不足していると思うが、若さ故か。 日本での人気もまだまだのようで、19時の受付開始時刻に行ってみたら、先に来ている人はほとんどおらず、自由席の整理番号 3番(ブルーノート東京で、普通、一桁の整理番号をゲットするためには、相当早くから並ぶ必要がある)。全体で半分以下の客の入りだっただろうか。その分、くつろぐことができ、熱くなりすぎない演奏も、このゆったりした雰囲気には合っていたかも。終演後のレジ前の大行列もなく、落ち着いたジャズクラブという風情を楽しむことが出来、これはこれでラッキーだった。 なお、ブルーノート東京では、翌日から大御所ジャズ・ベーシスト率いる、Ron Carter Quartetの公演があるのだが、そのピアニストが急遽キャンセルになり、Eldarが代役として出演することになったそうだ。彼なら、とりあえず、器用にそつなくこなすことが出来そうな気がする。無料招待券は、Ron Carterの方で行使した方が面白かったかな。 一方で、10月に入るかは入らないかのうちに、ハロウィーンの飾りが町に溢れるのには違和感があります。秋らしいデザインだとは思うけど、早すぎないか? |