IN/OUT (2004.9.26)

鳥インフルエンザによるマレーシア等からの卵・家禽の輸入禁止の影響は、我が家の台所やフードコートのラーメンだけでなく、高級料理店にも及んでいました。

出張者を連れて行った中華料理屋 Lei Gardenで、名物料理の北京ダックが無くて愕然。せっかく北京ダックを楽しみにされていた出張者だったのに… と言うか、北京ダックを楽しみにしている出張者のおかげで私もお相伴にあずかれると皮算用していたのに…


in最近のIN

"MAMMA MIA!" (04.9.25)

ミュージカルを観にEsplanade Theatreに行ってきた。副題に"The Smash Hit Musical Based on the Songs of ABBA"とあるように、ABBAのヒット曲ばかりを使った作品だ。

ストーリー自体は実に他愛も無く、物語的な奥行きは皆無だが、文句は無い。何せ、普通のミュージカルがストーリーに合わせた音楽を作るのに対し、この作品は既存のABBAの曲をそのまま用いるのがミソである。全部で22曲。三題噺どころか二十二題噺な訳で、とにもかくにも破綻のない物語を作り上げてしまったことを評価すべきだろう。実際、進行にぴったりはまった曲だけでなく、この場面でこう来たか! というアイディアが光る選曲も多い。"Chiquitita"の使い方など、見事に意表を突かれつつも、きっちり場面に合っていて、場内、爆笑である。日本でも劇団四季が公演していると思うが、出演者は日本人。歌も日本語に訳されているのだろうか? そうすると、あのお馴染みの歌詞がこう活かされたのか! と言う、このミュージカル一番のお楽しみがスポイルされてしまうのでは、と気になってしまった。(そういえば、日本語タイトルの「マンマ・ミーア」というのも違和感があるなぁ。ABBAの皆さんの発音は「ママミア」に近いような…

1970年代のヒット曲を使うに当たり、単純に舞台をその時代にするのではなく、リアルタイムABBA世代に相当する母と、その娘の物語にしているのが、巧い。娘側=今の若者達の歌唱や踊りが平凡なのに対し、母親世代がオイシイところをさらっているのは、製作者達が母親世代の方に、そしてあの頃のディスコ文化に、よりシンパシーを感じているからだろう。私としても嬉しい。更に言えば、女性陣が男性陣よりも個性的で目立っているのは、やはりABBAだからか?

それにしても、使われている曲全て、耳に残っている。ABBAというのは大したポップ・グループだったなぁと、改めて感心した。ストーリーが陳腐でも、ショーとしての完成度は相当に高いと思う。ラストがディスコ大会と化してしまうのも、観客のニーズをよく把握していると感じた。これで、ミュージカル特有の「いきなり歌って踊り出す不自然さ」に対して免疫があれば、本当に楽しめる舞台だろう。私の場合、免疫不足で、最後まで気恥ずかしさが抜けなかったのだが…



せこい話ではありますが、出張者のおかげで日頃は行かないような店で食事ができる楽しみというのは確実にある訳です。

この前の出張者は、日本では食べられなくなってしまったあの料理を! と切望して、吉野家へお連れすることに。シンガポールの吉野家では以前からオーストラリア産の牛肉を使っていたようで、BSE騒動とは無縁に、今も牛丼を出し続けています。

お目当ての牛丼はもとより、日本の吉野家では見かけない揚げ餃子やエビのフリッター等のサイド・ディッシュも食べてご満悦の出張者を横目に、今日の晩飯はこれかよ、と複雑な気分な私でありました。