IN/OUT (2008.9.7)

今年は、本当によく雷が鳴ると思います。スコールのような雨といい、やはり、東京あたりの気候は亜熱帯化しているのでしょうか。


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「タツノコプロの世界展」08.9.6

アニメーション製作会社、竜の子プロダクションの設定画、セル画などを集めた展覧会「タツノコプロの世界展」を観に、八王子市夢美術館に行ってきた。

タツノコプロは、1962年設立。1965年の「宇宙エース」からTVアニメ制作を開始した老舗プロダクションだ。「科学忍者隊 ガッチャマン」のようなSFヒーロー物が主軸だと思うが、それ以外に「みなしごハッチ」などのメルヘン路線の作品や、「いなかっぺ大将」のようなギャグ路線の作品も生み出しており、近年では「ヤッターマン」が最も有名な作品だろう。ただ、私としては、メルヘンやギャグではなく、やはり、「ガッチャマン」、「新造人間 キャシャーン」、「宇宙の騎士 テッカマン」などのタツノコSFアニメが好みだ。登場人物のバタ臭い容姿、(制作年代からすると)緻密なメカ・デザイン、他のアニメ・スタジオとは一線を画するクオリティの高い映像などを熱く支持するのである。特に「ガッチャマン」のジュン、「キャシャーン」のルナ、「テッカマン」の天地ひろみなどヒロインの造形が、最近流行の萌え系アニメとは対極の、バタ臭いというか、水商売風とすら言えそうなケバい感じなのが良いのである。ジュンなんて、16歳なのにスナックを経営しているという設定なんだから…

八王子市夢美術館は、28階建てビルの二階にある施設で、美術館としての規模は小さい。そこに、制作年代順に約300点の設定画・セル画が並んでいる。これが、格好良い。緻密な書き込みとダイナミックな構図は、TV画面で観るのとは大違い。当時のアニメーション作画技術の限界で原画の力強さを再現しきれなかったのだろう。また、TV放映には至らなかった企画のパイロット版の上映も行われていて、興味深い。「マッハGoGoGO」の、あの派手派手な色遣いは、当時、まだ多かった白黒テレビでも見栄えがするように工夫しての事だったなどの発見もあり、展示物のバリエーションや展示方法の工夫という面では物足りない所もあったが、個人的にはかなりツボにはまる企画だった。



これだけ雷が鳴っても、滅多に停電にならないし電圧も安定している日本の電力事情には感謝です。