IN/OUT (2007.8.26) |
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土曜日、yanokamiの公演を観に行って、これで8月は、毎週、なにかしら矢野関連イベントに出席ということになりました。これじゃ、仕事が忙しいなんてぼやいていても、説得力が無いか… 最近のIN"Grindhouse" (07.08.19)Robert RodriguezとQuentin Tarantinoが組んだ娯楽映画を観てきた。 今では廃れてしまったが、かつて米国では、Grindhouseと呼ばれた映画館で、低予算でセンセーショナルな映画を二本立て、三本立てで上映していたそうだ。そうしたGrindhouseに愛着を持つ二人の監督、RodriguezとTarantinoが、そのワクワク感を取り戻そう企画したのがこの作品だ。米国では、二人が監督した本編の二本立てに加え、別の映画の予告編(このためだけに作られた偽の映画)、それも、Rob ZombieやEli Roth("Hostel"でおなじみ)が監督し、Nicolas CageやSybil Danningが出演するという豪勢な(でも、偽物の)予告編が入り、さらに、一本目と二本目の間には、近所のサンドイッチ屋の広告まで流れるという凝った作りで、Grindhouseを再現している。しかし、日本では、それぞれの映画が、少し長めの編集で、一本立てで公開されるらしい。興行側としては、観客の回転を速くした方が儲かるし、3時間も4時間も拘束される二本立てより、デートの途中に気軽に立ち寄れる一本立ての方を好む観客も多いと思われるので、仕方ないのかもしれない。しかし、一部の映画館では期間限定で、米国と同じ、本来の企画意図通りの二本立て上映が行われているのだ。当然、観に行ったのは、この「完全版」である。 本編、一本目はRodriguez監督の"Planet Terror"。ストーリーは典型的なゾンビ物だが、ヒーローとヒロインの活躍ぶりが、いかにもRodriguezらしい。なんたって、切断された片脚に義足代わりのマシンガンを仕込んだゴーゴー・ダンサーが、ゾンビどもを撃ちまくるのだ。観ている側も、燃えるしか無いのである。 二本目は、Tarantino監督の"Death Proof"。実にTrantinoらしい作品だ。女の子の足の大写しや延々と続くオフビートな会話なども彼らしいシーンだが、半端じゃないストーリーのひねくれ具合が、Tarantinoの面目躍如だ。ラスト・シーン、あまりにも絶妙なタイミングで映し出される"The End"の文字に、思わず観客席から拍手が巻き起こったほどの、痛快な作品である。因みに、主演のZoë Bell嬢。いかにも監督好みの女優さんだと思って観ていたが、元々はスタントの人で、"Kill Bill"で、Uma Thurmanの吹き替えを務めていたそうだ。なるほど! どちらも、細かいツッコミをしながら観るような映画じゃない。コーラとポップコーン片手に、恐がって、笑って、拍手して楽しむ映画だ。作り手も、大いに楽しんでいるようで、丁寧に描写すると面倒くさくなりそうなシーンになると、「リールが紛失」の字幕一発で、すっ飛ばしてしまうなんて荒っぽいこともやってしまう(米国中でフィルムの使い回しをするGrindhouseでの上映では、実際、フィルムがリールごと無くなることが珍しくなかったそうだ)。全部を楽しむためには、絶対に、米国仕様二本立てで観るべき作品だと思う。私にとっては、今のところ、今年一番の傑作だ。 夏の矢野強化月間が終了。この間、溜まったあれやこれやをなんとかせねばと思いつつ、まだ暑いしなぁと、やる気の出ない今日この頃です。 |