IN/OUT (2007.7.8)

七夕は、なかなかロマンチックな背景がある割には、盛り上がりに欠ける日のような気がします。夜空を見上げるべきイベントが梅雨時にあるというのは、昔の人にマーケティング能力(とういか、そういう発想)が無かったのでしょうねぇ。


in最近のIN

「ラオス語絵本を作ってラオスの子供たちに送ろう」07.07.07

本に接する機会が少ないラオスの子供たちに送るための絵本を作る、というボランティアに参加してきた。主催はNPO法人「ラオスのこども」。勤務先が、このプログラムのスポンサーになっていて、年に一回、開かれているものだ。私は、ラオス旅行の経験から、この国には親しみを抱いており、参加を申し込んだ。

出席者は会社関係者の他に、授業の一環としてボランティア活動に参加しているという大学生も合わせて30名ほど。まず、「ラオスのこども」のスタッフから、現地の事情と活動内容の説明。フランス植民地時代、教育制度の整備がされなかったということもあり、ラオスでは、そもそも書籍自体がほとんど流通していないそうだ。首都に英語の観光ガイドやPCの使用書のような本を扱う店がある程度。一般の人がラオス語の書籍にふれる機会はほとんどない。このNPO法人では、ラオス語の本を現地で出版する活動、全国の小中学校に本を配布する活動、子供文化センターの運営支援等を行っているという。

続いて、参加者の興味を引くためだろう、ラオスに関するクイズ大会。三択で30問。ここは元東南アジア駐在員&ラオス一人旅経験者の意地。24問正解で、同点が他に3名いたが、一応、トップ。ラオス産のコーヒーやスナックの休憩後、本題の絵本作りに取りかかる。

絵本作りと言っても、別にゼロから本を作るのではなく、日本語の絵本に、ラオス語の翻訳を貼り付けるだけの作業である。A4用紙にコピーされた翻訳を切り抜いて、該当ページに糊で貼っていく。唯一、気を遣うのは、ラオス語の文字(見た目はタイ語に似ている)が、知らない人間には全く判別できない形状なため、切り抜いてしまうと、上下が分からなくなること。そこだけ工夫しながら進めていけば、単純作業。一時間半ほどの作業時間で、岸田衿子・中谷千代子の「かばくん」を皮切りに、三冊を仕上げた。全体では、目標の60冊をクリア。この程度の軽作業で、多くの子供たちが書籍にふれることができ、教育水準の向上、そして生活水準の向上につながっていくのなら、大変に喜ばしいことだ。


"Going to Pieces: The Rise and Fall of the Slasher Film"07.07.07

古くはHitchcockの"Psycho"が源流となり、1978年、John Carpenterの"Halloween"によって火が付いたスラッシャー映画についてのドキュメンタリーを観てきた。スラッシャー映画とは、「13日の金曜日」に代表される、お馬鹿な若者たちが殺人鬼のナイフ(や、斧やチェーンソーなどなど)で切り裂かれまくる映画のこと。商業的にはヒット作も多いが、同時に、良識派の批評家やPTAからは非難され続けてきたジャンルでもある。邦題は「封印殺人映画」。大袈裟なタイトルだが、残虐シーンが続出する内容のため、成人指定。しかも、規制が厳しい北海道では、成人館ですら上映できないらしい。

公開初日ということで、上映前に特別トークショーが開催された。この手の映画に強い雑誌「映画秘宝」関係者の他、「呪怨」の清水崇監督、「怪談新耳袋」の豊島圭介監督が参加。話の内容自体は他愛のないものだったが、清水監督が取り組んでいる「寄生獣」のハリウッド映画化、脚本では「学園ラブコメディ」になっているようで、なんとも仕上がりが楽しみだ。

トークショーの後、本編上映開始。内容自体は、スラッシャーというジャンルの歴史を俯瞰するもので、際だった批評性のようなものは感じられない。というか、豊富な映像引用を見る限り、製作者の本当の目的は、残虐描写の名場面集を作りたかったのではないか、という気がする。

しかし、それで良いのだろう。映画の中でインタビューに答えているクリエイター達も、残酷なシーンを作って観客を喜ばせることに、純粋に誇りと喜びを感じているようで、そこに道徳性やら文明批評やらを持ち込む方が無粋と言うものだ。私が大好きな職人John Carpenter監督が目立っていたのが個人的には嬉しかった。



ということで、七夕の日に対照的なイベントのはしご。ラオスのようなマイナーな国を支援する活動に、それなりの人数が集まっていたのは驚きでした。ただ、ほとんどの人は、ラオスだから、ということじゃなくて、ボランティア活動自体が目的だったのか? 是非、実際にラオスを訪れていただきたいところです。

一方、人体が切り裂かれまくる映画のレイトショーには、意外にも女性の姿も多く、このジャンルが広い層に受け入れられていることも驚きでした。