IN/OUT (2007.7.1)

先月は、PCの新調と、それに伴う作業環境の模様替えに終始。まだ、いくつか欲しいパーツもありますが、ほぼ目処は付いたか。いずれにせよ、物入りな一ヶ月でした。


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「日本トンデモ本大賞 2007」07.06.30

前年に発売された書籍の中から最高のトンデモ本を選ぶという、と学会が主催する年に一回のイベントに行ってきた。場所はイイノホール。

元々は1992年に日本SF大会の中で行われたのが始まりで、今年で第16回という歴史あるイベントである。トンデモ本というのは「著者の意図とは異なる視点から楽しめる本」のこと。たとえば、著者が大まじめで主張している「陰謀論」や「UFOの真実」が笑えてしまえるとか。そうしたトンデモ本やトンデモ物件を愛でるのが「と学会」。「トンデモ」という言葉は、その語感の良さから世間的にも流布するようになったが、本来のと学会の趣旨は、決して、疑似科学やオカルトを批判するものでは無く、それを楽しむことにある(もっとも、と学会関連の書籍を読んでいると、学会員の中でも、トンデモ物件への接し方には微妙に温度差があるようにも感じるが)。私は、この学会の姿勢には共感するところ大であり、以前からこのイベントには参加したかったのだが中々都合がつかず、今年が初参加だった。

イベントは、まずUFO還暦記念式(1947年6月24日、米国ワシントン州でケネス・アーノルド氏が目撃したのが、最初の「空飛ぶ円盤」事件であり、それから60年なのである)という小ネタから始まり、学会員によるトンデモ物件の紹介が続く。これは、普段のと学会の例会の様子を伝えるという趣旨だが、中国オタク事情や大正時代の高等女学生の日記など、物件自体の面白さもさることながら、学会員のプレゼンテーションの巧さにも感心する。

その後、本題の、山本弘会長によるトンデモ本大賞候補作の紹介。中々レベルの高い候補が並んでいる。休憩の間に観客による投票が行われ、集計中は、「トンデモクラシックコンサート」と銘打たれた杉ちゃん&鉄平のステージ。ピアノの杉浦哲郎氏とヴァイオリンの岡田鉄平氏によるデュオである。演奏するのは、クラシックの名曲と、TV主題歌・童謡・さらには池袋始発山手線内回りの発車メロディなどを融合させた作品。発想自体は横山ホットブラザーズなどのコミック・バンドがやっているネタに近いが、クラシックをベースにしているところが面白く、鉄平氏の演奏技術も相当高い。さらに、二人揃って「鉄」系だったり、SofmapのCMソングを取り上げたり、二人の嗜好が会場の観客層と被るところが多かったようで、大いに盛り上がった。

最後に、今年のトンデモ本大賞が、私も一票を投じた、枡谷 猛氏の「人類の黙示録」に決定し、イベント終了。

正確な意味で認知している人が意外に少ない「トンデモ」を愛でる人の集会だけに、観客の中には強い身内オーラを発する人もいて、やや苦手なところもあったが、ニッチな笑いのツボが共通する「珍しい大人」が集結した気安さもある。終始、笑いっぱなしでお腹いっぱいのイベントだった。



ということで、節約モードに入らなければと思っているところに、絶妙なタイミングで届く通販生活のカタログ。落とし穴の多い世の中です。