IN/OUT (2006.4.30)

ゴールデン・ウィークです。昨年の今頃は、帰任の内示を受けて家探しに日本に来ていた訳で、1年は早いっす。


in最近のIN

"V for Vendetta" (06.4.29)

MatrixのWachowski兄弟が脚本を担当した映画を観てきた。

独裁体制に置かれた近未来のロンドンを舞台に、テロリストをヒーローとして描いているために、昨年のロンドン爆弾テロで公開が遅れたという曰く付きの作品だ。現状のシステムに対する反乱ということではMatrixと似た構造だが、やや観念的に走ったMatrixに比べて、ずっと単純化された物語になっている。自由を弾圧する独裁者と、それに反抗するテロリスト。そして、最後には目を覚ます大衆。映画としては爽快感があるのだが、テロの脅威の高まりと、テロ防止の大義の下、過剰な方向に走るテロ対策が絡み合った現実社会の複雑さを考えると、あまりにも単純化し過ぎなのが気になるところではある。

主演のNatalie Portmanは、丸坊主になっての熱演。子役時代から潰れることなくキャリアを積んできていると思うが、いまいち華が感じられないのはなぜだろう。仮面のテロリスト"V"を演じるのは、Hugo "Agent Smith" Weaving。ただし、ずっと仮面を付けっぱなし。贅沢な起用法である。

品川プリンスのIMAXシアターで見たのだが、場内はがらがらだった。IMAXの超巨大スクリーンを通常映画館と同じ料金で見られるのだから、お得だとは思うのだが。ただし、画面が大きすぎて、日本語字幕を見ようとすると視線を大きく動かす必要があるのが欠点か。


「ムーンライダーズ vintage moon festival」 (06.4.30)

ムーンライダーズの結成30周年記念公演を観に、日比谷野外音楽堂に行ってきた。コアなムーンライダーズ・ファンでは無いのだが、先日観たライヴが好印象だったので、急遽、参戦することにしたのだ。

30周年記念のお祭り at 野音、ということでゲストてんこ盛り。前座は架空楽団。そのままライダーズのメンバーがフェードインしてきたと思ったら、いきなり最初のゲスト、みうらじゅん氏。その後も、青山陽一氏、サエキけんぞう氏、カーネーション、野宮真貴嬢、ポカスカジャン、曽我部恵一氏、原田知世嬢、あがた森魚氏、遠藤賢司氏、PANTA氏、高橋幸宏氏、Ray of Lightsと、続々ゲスト登場。ライダーズと共演するゲストもあれば、ゲストがソロでライダーズナンバーを歌うパターンもある。これだけ沢山のゲストと共演しても、バンドとしての存在感が揺るがないのが、さすがムーンライダーズという気がした。そして、ラスト、"DON'T TRUST ANYONE OVER 30"で、舞台に全員が揃って歌う姿は圧巻。

アンコール演奏は無し。もしかしたら、コアなライダーズ・ファンには物足りない公演だったかもしれないが、私のような、ムーンライダーズ自体よりも、彼らを取り巻くあれやこれやが好きなものには、非常に楽しいコンサートだった。噂には聞いていたが、生で見るのは初めてだったPANTA氏、あがた森魚氏も印象的だったし、久しぶりの高橋幸宏氏やサエキけんぞう氏も嬉しかった。ポカスカジャンの放送禁止ネタも楽しく、もちろん、原田知世嬢の変わらぬ可憐さを生で見られたのも至福。



ゴールデンウィーク前の最後の出勤日、退社時に「良いお年を」というオヤジギャグを飛ばす人々が、(我が職場に限らず)あちこちにいるのだな、ということを思い知った今日この頃です。