IN/OUT (2006.4.16)

週末の町中は、新歓コンパの学生さんや、研修帰りと思しき新入社員の集団でごった返していました。春の都会の風物詩とも言えるでしょう。もっとも、宴会後、酔いつぶれた新入生を先輩が抱えて歩く姿は、そんな風流な言い回しをしている場合でも無いような。


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<SHINJUKU LOFT 30TH ANNIVERSARY "ROCK OF AGES 2006"> ム−ンライダ−ズ / シネマ / ポ−タブルロック」 (06.4.15)

ライヴハウス、新宿LOFTのオープン30周年記念かつムーンライダーズ結成30周年記念のライヴを観てきた。

ムーンライダーズは、30周年となる今も第一線で活躍し続けるロックバンドだ。そのキャリアと実力を考えると、お茶の間に浸透するようなヒット曲を持っていないのが不思議だが、メンバー全員がそれぞれ幅広く活動しており、日本の軽音楽界に最も大きな影響を与えているバンドの一つと言えるだろう。私は、彼らの音楽性も、音楽界への貢献も高く評価しているが、コアなファンという訳ではなく、ライヴを観るのも今回が初めてだった。

LOFT(西武系雑貨屋のLOFTが新宿にできて紛らわしくなったが、ライヴハウスの方が元祖新宿LOFTである)には、整理番号順で入場。受付で「お目当ては?」と尋ねられる。ムーンライダーズ以外に、縁のバンド二組が出演するので、アンケートを取っているのだろう。迷わず「シネマ!」と答える。実は、こちらが楽しみだったのだ。

オールスタンディングの場内は超満員。やはり、平均年齢は高めだ。整理番号が後ろの方だったこともあり、見やすい場所を確保することは諦め、一番後ろの方に立つ。この混雑の真ん中に立っていたら、相当体力を消耗しそうだ。

最初に登場したのはポータブル・ロック。後にピチカート・ファイブに加入し大ブレークする野宮真貴嬢が在席していた三人組のバンドだ。ムーンライダーズの鈴木慶一氏がプロデュースしていた縁で今回のライヴに声をかけられ、17年ぶりの再結成となったそうだ。さすが、野宮真貴嬢、余裕の歌いっぷりである。

続いて、シネマが登場。松尾清憲氏、鈴木さえ子嬢らが在席し、やはり、鈴木慶一氏がプロデュースしたバンド。なんと、25年ぶりの再結成だ。英国風のひねくれたポップス感覚に溢れた音楽で、どこかプログレ風の隠し味もあると言う感じ。今聴いても、古びておらず、良いものは良いのである。そして、ドラマー鈴木さえ子嬢の、昔と変わらぬ美声コーラスが堪らない。近く、CDが再発されるとのことだが、この機会に新作も、と期待してしまう。

最後に、ムーンライダーズ御大のご登場。さすが、長い歴史を生き抜いてきた現役バンド。前の二つの再結成組とは、オーラが違う。実に熱い演奏で、どうやら私は、ライヴ・パフォーマーとしての彼らを過小評価していたようだ。アンコールでは、シネマとポータブル・ロックの面々もステージに上がり、大合唱。これ、かなりすごい面子だと思う。ベテラン・ミュージシャンの格好良さは、特別だなあと感動。



新入生や新社会人の集団を見ていると、昔のことが懐かしく思い出されます。自分の時との大きな違いだと思うことの一つが、当時は携帯電話がなかったということ。今や、集団での待ち合わせに携帯電話がないなんて、非常に不便だと思ってしまいますが、あの頃は携帯無しでもちゃんとやれていたんですよねぇ。