IN/OUT (2004.8.29) |
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シンガポールでオリンピックの独占放映権を獲得しているMedia Corpは、英語放送、中国語放送、マレー語放送、ニュース専門チャンネルなど、複数のチャンネルで放送をしているので、これらを総動員すれば、オリンピックのほとんどの競技をカバーできるはずです。しかし、サッカーくじの対象となっているヨーロッパのフットボール・リーグなどを除けば、スポーツ観戦に対する関心が低い当地では、無理な相談というものでしょう。 決して長時間とは言えないオリンピック番組で、こちらが見たいと思っている競技が取り上げられないことも不満が溜まります。今はフェンシングを生中継してる場合じゃ無いだろう! などと叫んだことも多数。 最近のIN"Sammi Cheng World Tour 2004" (04.8.27)香港の人気女優・歌手、Sammi Cheng(鄭 秀文 / 当地では、化粧品 SKIIの広告モデルとしても有名)の公演を観に、Singapore Indoor Stadiumに行ってきた。彼女の公演を観るのは、これが三回目だ。 例によって、スタジアムの中央に舞台をしつらえ、周囲360度が客席。天井間際の席まで、ぎっしりのお客さんだ。観客が振る蛍光スティック、無遠慮に焚かれまくるカメラのフラッシュ、ホィッスルと飛び交う嬌声。本当に大人気である。特に、女性ファンの比率が高い。アイドルという年では無いし、お色気路線でも無い。サバサバした雰囲気が、素敵なお姉さんという感じなのだろう。 音楽的に深い訳では無いが、聴きやすい曲調のものが多く、アップテンポな曲からスローバラードまで無難にこなす歌唱力もある。今回は、チェッカーズの「Song for USA」や、WANDSの「世界中の誰よりきっと」のカバー。Bonnie Tylerの"Total Eclipse of the Heart"(これは英語のままで歌唱)など、知っている曲もちらほら。 登場時の、鹿の角のようなかぶり物に尻尾の付いた衣装にも驚いたが、最初の衣装替えの後には、歌いながら刀をふりまわして、ダンサー達と殺陣を披露。"Kill Bill"の「青葉屋」のシーンに触発されたものだろう(へっぴり腰っぷりは、Uma Thurmanよりも酷いが、歌いながらだからね)。さらに、"The Matrix Revolutions"で Zionの人間達が使っていた戦闘メカのようなオブジェに乗り込んで歌ったりもする。流行物を臆面もなく取り入れたステージは、いかにも香港エンターテインメントだ。圧巻は、五回目の衣装替えの後、舞台下からせり上がってきた、生花を敷き詰めたキティちゃん型巨大ソファ。これに座って歌う姿を、「美しい」とか「キュート」とか表現するのは、ちょっとなぁ…。 戦闘メカオブジェにしても、キティちゃんソファにしても、使用されるのは一曲だけ。洗練されたトータル・コンセプトなんか考えずに、とにかく場面場面が楽しければ良いだろうという勢いが面白い。アンコールでは、その場で会場から選んだ観客を舞台に上げ、一緒にカラオケを歌うというサービスも。因みに、舞台に上がった人へのお土産は、巨大キティちゃんぬいぐるみだった。 "Open Water" (04.8.28)ちょっと変わった雰囲気のスリラー映画を観てきた。 船で沖合に出てスキューバ・ダイビングを楽しんでいた夫婦。しかし、浮上してみると、観光客全員が戻ったと勘違いした船は、既に港に引き返した後。見渡す限り水平線しかない海に取り残された二人。実話に基づいているということだが、確かにありそうな話だ。 自主制作に近い低予算で撮影された映画のようだ。監督も出演者も無名だし、粒子が粗くピントもシャープではない画質がいかにもインディーズっぽい。ドラマチックなストーリー展開も無い。しかし、これらのことが、まるで事故に遭った人のプライベート・ビデオを見ているような印象を抱かせる。製作者達の、低予算を逆手に取った確信犯的演出だろう。このざらついたリアルな手触りは、"The Blair Witch Project"を彷彿とさせる。 取り残された二人がサバイバルのために超人的な行為をする訳ではない。サメの恐怖が描かれるが、"JAWS"などに出てきたような化け物鮫ではなく、あくまでもリアルな等身大(という表現は変かな)のサメだ。派手な演出はないが、海面すれすれの不安定なカメラ・ワークが、見ている方も息苦しくさせる。音楽の使い方がちょっと気に入らなかったが、異様な緊張感を押しつけてくる、見応えのある作品だった。アイディア勝負の映画だけに、"The Blair Witch Project"のように、Chris Kentis監督が一発屋で終わるかどうかも、気になるところである。 ケーブルTVのチャンネルをザッピングしていて、マレーシアの放送局のオリンピック中継を見られることを発見。選択肢は増えたものの、こちらはマレー語の放送なのが辛いなぁ。 さらにザッピングを続けていると、台湾のMTVで、懐かしや"Queen"のライヴを放送中。漢字では「皇后合唱団」って書くのか! 普段はほとんど見ないTVを、この二週間ほどはずいぶんと見ているので、色々と発見がある今日この頃です。 |