IN/OUT (2002.3.24) |
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いわゆる洋楽公演に来る人と、中華系歌手の公演にくる人では、客層が大分違うと感じます。洋楽系だと、気合いを入れてお洒落してくる観客が多いけど、中華系だと、普段着のままという雰囲気の人が多い。禁止されてはいるけど、結局、皆、立ち上がってしまう洋楽系コンサートに対して、終始、座りっぱなしの中華系コンサート。お約束の一回目のアンコールが終わっても、まだ拍手を続け、さらなるアンコールを引き出そうとする人がいる洋楽公演に対し、演奏が終わりかけると、客電がつく前から席を立ち、出口に向かい始める中華系公演。 どうも、中華系歌手の公演に来る人って、本当に音楽好きなのか、との疑念が生じる今日この頃です。 最近のIN"BOND Live in Singapore" (02.3.18)"the Spice Girls of classical music"とも称されるイギリスの弦楽四重奏グループ、bondのライヴを観に、Suntec Convention Hallへ行って来た。 モデル風ルックスの女性四人組。セクシーな衣装をまとい、クラシックをロック風にアレンジして聴かせるという、ある意味、分かりやすいコンセプトのグループだ。ベース、ギター、キーボード、ドラムス、パーカッションからなるバック・バンドを従えての演奏である。決めのポーズが、いかにも「私たちモデル風」と自意識過剰気味で、つい、「君達、そこまで超美形って訳じゃないよ」と意地悪く突っ込みたくなる。クラシック曲だけでなく、Led Zeppelinのナンバーや、映画音楽などもレパートリーに入っているが、どれも枠にはまった解釈と言う感じ。四人とも正規のクラシック教育を受けてきた、というのが売りになっているだけに、テクニック自体は良いのだが…。 と、否定的な意見ばかり浮かぶのは、開演前に入ったカフェで、ビールと一緒に頼んだ軽食が一向に出てこず、キレてしまったのが影響していたわけで、bondのお嬢さん方には申し訳ない。後半になると、その辺のことも忘れ、素直に楽しめるようになってきた。なんと言っても、最前列だったのだ。擦弦楽器を弾くお姉さんに、ほぼ無条件に弱い私としては、目の前でへそを出してバイオリンを弾き倒されれば、基本的には嬉しいのである。演奏曲の中では、バンド名に因んだのか、「007のテーマ」が秀逸。つくづく良い曲だ。 素材は良いと思うだけに、いかにもクラシック畑の人がロックに挑戦といった優等生的なノリではなく、他ジャンルのミュージシャンと共演したり、もっと変態的アレンジに挑んでくれれば、一皮むけるのに、と思う。 "SAMMI CHENG Shocking Colors Concert 2002" (02.3.22)香港を代表する女優にして歌手、Sammi Cheng(鄭秀文)の公演を観に、Singapore Indoor Stadiumへ行って来た。彼女の公演は、一年半ぶり、二度目である。 1972年生まれ。ティーンのアイドル、という訳では無いが、出演する映画もリリースするCDも、ことごとく大ヒットさせる人気者。スタジアムの中央にセットされたステージを360度客席が取り巻いていて、Indoor Stadiumのキャパ一杯、1万人以上の観客が集まっていると思われる。ファッション・リーダー的な存在なのだろうか、女性の比率の方が高いようだ。蛍光スティックを振る人多数。また、カメラを持ち込む人も多数。彼女が近づくと、その一帯で一斉に焚かれるストロボは、照明効果かと思うほどの多さである。(欧米のミュージシャンの公演でも、場内の写真撮影は当たり前に行われているが、ここまで多くない) Sammi嬢は客席の上を通るゴンドラに乗って登場。歌って、踊って、MCで笑わせて、途中何度も衣装替えをして、と、基本的なフォーマットは前回と同じだが、全体的に、より洗練された印象だ。360度、全てのお客さんを満足させるべく計算された動きは、本当に大した物だと思う。音楽的には、何のひねりもない、実に単純明快な曲調ではある。もっとも、深い音楽性を求めて観に行った訳じゃないので、その辺は構わない。むしろ、エンターテインメントとしての完成度の高さが印象的である。 Singapore Indoor Stadiumは、MRTの駅から遠く、バスの路線もあまり多くない場所にあります。行きはともかく、コンサート終演が23時頃になるので、帰りはいつも、不便さを痛感します。徐々に再開発が進んでいるようで、今回、新たにTaxi乗り場が設置されているのを見つけたのだけど、駐車場から出てくる車の渋滞と、電話呼び出しのタクシーの混雑とで、とても流しのタクシーがやってくる気配なし。早急な改善を望みたい今日この頃でもあります。 |