IN/OUT (2004.9.5)

和食屋の看板を掲げる店は多いものの、レベルは千差万別。変なネタが乗っかった回転寿司屋など、奇妙なローカル化が進んでしまっている店が沢山あります。また、日本人には受け容れにくい、そういう店に限って、チェーン展開して多くの地元シンガポール人客を集めています。

複数の「和食レストラン」で見かけたのが、「カレーラーメン」なるメニュー。カレー味のスープがかかったラーメンなら日本にもあるようですが、ここで使われているのは、カレーライスからそのまま流用したと思われる、小麦粉でたっぷりとろみをつけたカレーソース。それも、今時珍しいほどの、濃厚なとろみです。当然、ぼってりと重いソースが絡んだ麺をすすることは不可能。ラーメンなのに、もぐもぐと咀嚼せざるを得ない食感は、どうも納得がいかないっす。(と言いながら、試している訳だが…


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まだまだ楽しめる香港 (04.8.29 - 9.1)

香港にはほとんど毎月のように出張に行っているため、空港→ホテル→オフィス→食事が、すっかりルーチン化してしまっている。しかし、今回は目新しいところに行くことができた。

まずは、夕食に訪れた重慶大厦(Chungking Mansion)。Nathan Roadにある、100軒近い安宿が集まっている雑居ビルで、バックパッカーの人達には有名な所だ。アジア映画の好きな人なら、Wong Kar Wai(王家衛)の映画「恋する惑星(原題は、"Chungking Express")」でお馴染みだろう。 これまでも、何回か前を通ったことがあるが、その、あまりにも雑然とした雰囲気は、「九龍城砦」無き香港に残った「最後の魔窟」、という感じすらある。

ビル内で商売しているのはインド系の人が多いようで、ビルの前で激しい客引きを展開しているのもほとんどインド系の人達だ。そして、向かったのも、当然、インド料理屋である。おんぼろのエレベーターにもちゃんと監視カメラが設置されているなど、治安面は、結構しっかりしているようだ。

肝腎の料理の方は、北インド系の食べやすいもので、なかなか美味しかった。私は、南インド系の激辛料理より、こちらの方が好みである。ただ、値段は、ビルの雰囲気から想像するほどは安くないようだ。もちろん、物価高の香港ではましな方だが。

ビル内に入ってしまえば、清潔感はともかくとして、魔窟というほどのことはない。それでも、店からの帰り、エレベーターではなく階段を通ってみると、やはり相当にディープな感じである。

翌日は、仕事でシンセン(ShenZhen)に行ってきた。電車で、Hung HomからLo Wuまで40分ほど。普通車両で33香港ドル。終点のLo Wuで降り、改札を抜けるとすぐに国境だ。香港と中国、それぞれのパスポート・コントロールを抜ける訳だが、香港の係官と比べて、中国側の係官が圧倒的に無愛想(チェックし終わったパスポートを投げ出すようにして返すのは失礼だよなぁ)なのが、いかにも、である。

スターバックスやセブンイレブン(「七・十一便利店」と表記してある)もあるが、香港に比べるとやはり町並みは垢抜けてない感じがするし、道行く人のファッションや持ち物も違う。道ばたに座り込んで、だべっている人が多いのも、中国本土っぽい。この辺りは、シンセンのビジネスの中心地という訳ではないようだが、シンセン駅もあるし、高級ホテル、Shangri-La Hotel, Shenzhenもある。しかし、つい最近も、日系銀行の駐在員が、夕方の7時というまだ明るい時間帯に拉致監禁され、身ぐるみはがれされた上、暗証番号も白状させられ、キャッシュカードなどから引き出せる物は全て引き出されてしまう、という事件があったらしい。治安は良いとは言えないみたいだ。

もっとも、私が訪れていたのは、朝の10時から午後3時まで。駅前からオフィス・ビルの間を結ぶ無料シャトルバスを利用したので、とりたてて危険な空気は感じられない。駅前のショッピング・モールなど、ちょっと覗いてみたかったが、時間が無かった。せっかくの初めての町なのに、まるで物足りなくはあるが、ま、仕事で訪れたのだから仕方ない。シンガポールからジョホールバルに行くのと同じように、公共交通機関で気軽に行ける近場に随分と雰囲気が違う外国があるというのは、日本ではあり得ないだけに、興味深い。


Windows XP Service Pack 2 (04.8.28)

オフィスのPCでは、まだ互換性検証のため導入許可が下りていないが、自宅のPCと持ち運び用Tablet PC TC1100に、Service Pack 2をインストールした。

デスクトップ機の方は、セキュリティ関連の改良がメインなので、なんだか小うるさくなったなぁ、という気はするが、特に問題も無く、また、使用感にも大きな違いは無い。これだけセキュリティがどうしたこうしたと騒がれると、大昔のフロッピーディスクからMS-DOSを起動していた古き良き時代が懐かしくなってしまうが、もちろん、それは感傷的なノスタルジーに過ぎず、この便利な高性能PCの時代から逆戻りすることはできない。それにしても、色々と難儀な事ではある。

一方、Tablet PCの方は、入力パネルが大きく変わっている。ペン入力の使い勝手が良くなり、手書き文字の認識力も向上したようだ。インテリジェント化が進んだと言うか、頭良くなったじゃん、という感じで、Service Pack 2導入のメリットは大きい。とはいえ、手書き文字入力という、マン-マシン・インターフェースの一番重要な部分が変わったので、細かいところで戸惑ったり、イライラさせられることも多い。慣れるためには、しばらく時間が必要だろう。



シンガポール化されてしまった日本料理というのは、日本の庶民派中華料理店のラーメンや餃子などのメニューが本場中華料理と違うのと同じ事な訳で、シンガポールの人達が喜んで食べている分には構わない。しかし、観光旅行に来ているような欧米人が食べているのを見ると、「それは違うんだよぉ!!」と言いたくなってしまいます。