IN/OUT (2004.5.30)

年を重ねても落ち着くどころか、むしろ飲み方が下品になっていっているような気がする今日この頃。ちと反省しつつ、二日酔いの頭を抱えて香港へ。


in最近のIN

星光大道 (04.5.24)

出張先で現地日本人駐在員と夕食に行くのは、それはそれで楽しいのだが、どうしても「日本人向き」の店に限られてしまうのが贅沢な悩みではある。

今回の出張では、オフィスの日本人が出払っており、気を遣ったローカルスタッフが夕食に誘ってくれた。これなら一人でうろうろするよりも、地元の人ならではの店で珍しいものを食べられるかと期待したのだが、案内してくれたのは日本に本店がある中華料理屋だった。好意は有りがたく、美味しくもあったが、微妙に残念。

食事の後は香港の最新スポット、星光大道(The Avenue of Stars)を散策。尖沙咀の、香港島の夜景が見える海沿いに出来た、香港映画をテーマにした遊歩道だ。香港を代表するスターの名前と手形が刻まれた敷石が、舗道のあちこちにはめ込まれている。ただ、まだ手形が押されていないものも、ちらほらあるのが(Bruce Leeのような故人は仕方ないが)、やや残念だ。平日の夜でもかなりの人出だったが、皆、夜景をバックに記念写真を撮るばかりで、肝心のスターの手形を踏みつけている人も多数。私も、極一部の有名俳優や歌手しか知らないので、それほど感慨深いという訳ではないが、なかなか雰囲気の良い所ではある。

この一帯は観光開発に力を入れている地域のようで、前回の出張で遭遇した花火は、"A Symphony of Lights"というイベントで毎日行われているようだ。夜景と芸能界。香港らしい観光資源である。

翻って、こちらシンガポールは、夜景の規模でも敵わないし、芸能界の層の薄さは香港の何十分の一、あるいは何百分の一か。スターの観光資源化など絶対に無理な企画だ。なんだか悔しい。


"Dawn of the Dead" (04.5.29)

George A. Romeroの伝説的ホラー映画のリメイク版を観てきた。

蘇った死者達が人間を襲い、人肉を喰らう。生き残った者達が立てこもるのは、高度資本主義社会の象徴と言えるショッピング・モール。という設定から様々な寓意をくみ取ることができるのが、オリジナルが今でも高い評価を受けている理由の一つだと思う。一方、リメイク版は、基本設定は踏襲しつつも、ゾンビの動きがやたらと敏捷になっているなど、ぐっと現代的な脚色だ。

ゾンビと人間の境界=人間性や人格の拠り所や、閉塞状況に置かれた人間達のドラマなど、厚みを持たせることのできる題材を多く抱えている物語だが、そういった要素を追求することのない、ドライな描写が続く。薄ぺっらになったというよりは、オリジナルとの差別化を図った結果のような気がする。監督はCM畑の経験が長いらしく、緩急を付けたアングルの切り替えが小気味よい。長く記憶に残るような名作とは言えないと思うが、スピード感とエッジの立った演出で、割に好感の持てる映画だった。



5月28日から7月25日まで、国を挙げたバーゲン・セール、The Great Singapore Saleが開催されています。さらに、ほぼ同時期にSingapore Arts Festivalと、Singapore Food Festivalも開催されます。これ目当ての観光客がどれぐらい期待できるのか不明ですが、香港に負けず、盛り上がってもらいたいところです。