IN/OUT (2003.6.22) |
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MRTの新線、North East Lineがついに営業を開始しました。当初は昨年中に開業予定で、工事は完了していたのが、運行試験等にずいぶんと時間がかかったようです。これで、既存のMRT駅から遠くて不便だった、World Trade Centre、Chinatown、Clarke Quay、Little India等へのアクセスが、ぐっと便利になります。 競争原理の導入ということのようで、これまでのMRTが、SMRTによって運営されていたのに対し、North East Lineは、シンガポール最大手のバス会社SBS Transitによる運営になります。そのため、駅や車両のデザイン、雰囲気が、ちょっと違ったものになっています。 果たして、バスの運転手が、地下鉄の運転の訓練をやり直すのかと思いきや、この新路線は、運転手無しの自動運転。そのため、予定以上に安全確認に時間がかかり、開業が遅くなったということのようです。 最近のIN"Le Festin d'Immortalité" by Singapore Dance Theatre & H. Art Chaos (03.6.20)Singapore Arts Festivalの一環で開催されたダンス公演を観に、Esplanade Theatreへ行ってきた。 演じるのは、Singapore Dance Theatreに、日本のH. Art Chaosから白河直子氏が客演。演出と振り付けは、H. Art Chaos主宰の大島早紀子氏。 素晴らしかった。これだけ集中し、堪能した舞台は久しぶりだ。終演後はすっかり腰が抜けてしまった。モノトーンの衣装と舞台の中に、象徴的な赤いワインと薔薇が閃く。ときに優美に、ときに激しく繰り広げられるパフォーマンスは、エロスとタナトスの間を揺れ動き、生と死の狭間に見る甘い悪夢を視覚化したような雰囲気だ。肺病による死のイメージが、SARSの時代に不吉にもマッチしている。具象的な舞台では無いが、先週の「アッシャー家の崩壊」に比べると分かりやすく、むしろ通俗に流れているかもしれない。しかし、私にはこれぐらいの方が取っつきやすい。 並んだ柱のようなセットを上手く活かして、まるで万華鏡を覗いているかのような錯覚を覚えさせるダンサー達の動き。ワイヤーを使った重力を越えた表現。アイディアの詰まった演出と振り付けが素晴らしい。さらに、そういった演出を突き抜ける、白川直子氏の切れ味鋭い動きが、圧倒的な肉体の存在感を見せつける。彼女のパフォーマンスがあまりに突出していたため、どうしてもSingapore Dance Theatreの面々の動きが見劣りしてしまうが、中央で踊っていた女性は、なかなか印象深い動きだった。 正味80分ほどの上演の間、一秒たりとも目を離せず、唸りっぱなしだったのだが、会場の反応はそれほど熱狂的ではなかったような気がする。意識はしなかったが、あるいは、日本人が中心となって構成した舞台だけに、日本人に強くアピールする内容だったのか? 後から、パンフレットに書かれた大島氏の紹介を読むと、宝塚の演出を手がけたこともあるそうだ。ラストの赤い花びらが舞台中に舞い落ちる幻想的なイメージを思いだし、何となく合点が行く。 "The Matrix Reloaded"をリロードする (03.6.22)The Matrix Reloadedを、今度はIMAXで観てきた。(この映画を繰り返し観ることを「リロード」と表現するのは、ベタだとは分かっていても、書きたくなるな…) 通常の映画館に比べ遙かに巨大なIMAXのスクリーンで、ちゃんとした劇映画を観るのは、これが初めてだった。さすがに、映像に含まれる情報量が桁違いという感じだ。特撮シーンが多いだけに、下手すれば粗が目立ちそうだが、Matrixの場合、少々の粗はねじ伏せてしまうような力強い映像なので、問題ない。むしろ、これだけの巨大スクリーンで見てこそ、価値のある映像だと思う。 さすがに繰り返し観ると、セリフをかなりキャッチできるようになり、最初観たときはピンとこなかった設定などが、かなり飲み込めた。しかし、知れば知るほど、いかにもその手の好き者(含む、私)にアピールする内容で、これが、こんなにも一般受けしてしまって良いのか?といらぬ心配もしてしまう。 シンガポールには、IMAX対応の映画館が二カ所あるようだが、今回行ったのは、Great World Cityにあるシネマ・コンプレックス。このショッピング・モールは、MRT駅から遠く、これまで行く機会が無かったのだが、欧米人や日本人が多く住んでいるエリアにあるせいか、なかなか充実したモールで、映画館もとても綺麗だった。行動圏に組み込もう。 電車好き&新しもの好きとしては、さっそく試乗してきました。既存のNorth South LineとはDhoby Ghaut駅、East West LineとはOutram Park駅でそれぞれ接続しているのですが、どちらもホームがかなり離れているのが、少々不便。 お調子者は私だけではなかったようで、用事も無いのにとりあえず乗ってみたという風情の乗客で、週末の昼間でも満員でした。まだまだ地下鉄の歴史が浅いからなのか、熱帯ののんびりした気風のせいか、満員の電車や駅の通路での人の動きに、イライラさせられることが多いのも、少々困りものだと思う今日この頃です。 |