IN/OUT (2000.9.3)
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シンガポール人というのは、ビジネス上はそうでもないんだけど、一般的には、かなり時間にルーズです。コンサートでも、8時から、と案内されているなら、8時には皆、席についているのが日本の常識ですが(もっとも、演奏が始まるのは10分ぐらい過ぎてからというケースが多いけど)、こちらだと、8時の段階では、まだまだ観客がぞろぞろ入場しています。実際に場内の明かりが落ちるのは15分過ぎぐらい。観客席が本当に一杯になるまでには、さらに15分ぐらいかかる(当然、演奏はもう始まっちゃっている)という感じです。


in最近のIN

"SAMMI i Concert 2000"  (00.9.2)
香港の人気歌手・女優、Sammi Chengのコンサートを見に、Singapore Indoor Stadiumへ行ってきた。名前しか知らず、曲をちゃんと聴いたことは無かったのだが、中国語歌手(彼女は、広東語とMandarinの両方でCDを発表しているようだ)のコンサートに一度行ってみたかったのである。

スタジアムの中央が大きなステージで、360度、観客席が取り囲む舞台になっている。以前行ったCulture Clubのコンサートの3倍ぐらいは観客が入っている感じだ。開演前から、大スクリーンに、「コンサート会場に向かう女の子」という設定のSammi嬢主演の映像が流され、コンサート中も、彼女の衣装替えの度に「コンサート会場内での出来事」を寸劇風に描いたものが流されていた。面白いアイディアである。アンコール前に流れた映像では、Sammi嬢と何度も噂になっているらしい香港の人気スター Andy Huiが出演するなど、サービス精神も溢れている。

曲の方は、あまり中華っぽくなく、適度に洋楽風というか、ニューミュージック風歌謡曲という雰囲気の曲が多い。素直な曲調で、最近のコンセプト先行の日本の商業音楽より、よっぽっど耳に馴染む。そんな中、たまに混じるアップテンポの曲が、意外に良い。「チョット マッテ」 という日本語がサビの歌詞に使われている曲とか。歌唱力も声量もなかなかのものではあるが、声に個性が無いのが残念。

さらに惜しむらくは、やはり、ミュージシャンではなくタレントさんのコンサートだということ。一曲毎にMCが入り、音楽の流れが分断されてしまう。もっとも、MCでは場内爆笑に包まれていたので、Mandarinが分かれば、もっと楽しめるのだろう。

カメラの持ち込みが禁止されておらず、フラッシュがあちこちで焚かれているのも、日本では滅多に見られない光景だった。


"「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?"  (00.9.2)
元々はWWW上のサイト「村上朝日堂」で公開されている、読者と村上氏の電子メールのやり取りからいくつか抜粋した本である。安西水丸氏の挿し絵は描きおろし。

短い質疑応答が並んでいる本だし、過去、WWW上で読んだ文章ばかりのはずだから、少しずつ拾い読みすれば良さそうなものだが、結局、一気に読み通してしまった。座り心地の悪い椅子に座ってPCの画面をスクロールさせるのと、ソファに寝っころがって縦書きの紙媒体を読むのとでは、持続時間が全然違う。

ここ数日、個人的ヘビーローテーションになっているB52'Sを、氏も好きだというのを確認し、ちょいと微笑みつつ、オレオと紅茶を供に村上春樹氏の文章を読む。間違いなく私の小確幸であることよ。


"Buffalo '66"  (00.9.3)
1998年の映画だが、映画館では見逃していたのを、ようやくDVDにて鑑賞。YESの曲が重要な場面で使われているということを聞いていたので、見ない訳にはいかない。

全体としては、学生の自主映画みたいな画面・演出だし、監督・主演のVincent Galloのナルシズムが鼻について、嫌いなタイプの映画だった。

しかし、ヒロイン役のChristina Ricciが、King CrimsonのMoon Childに合わせてタップを踊るシーンが、実に印象的で、この場面を観るだけで、十二分に価値あるDVDであった。彼女をキャスティングし、この曲を選び、ああいう場面で使うとは、嫌な奴だが、Vincent Galloの才気は認めざるを得まい。



一方で、シンガポール人にはせっかちな人が多く、映画館でも、エンド・クレジットが流れ始めた途端に席を立つ人が非常に多い。まぁ、これはシンガポールに限った事じゃ無いとは思います。が、コンサートでも、まだバンドが演奏を続けているのに、Sammi嬢が舞台から引っ込んだ途端に、観客が一斉に帰り始めたのにはびっくり。一般的なコンサート開始時刻が8時のこの国では、終演時刻も遅いので、早く帰路につきたいというのも分からないではないけれど、さっきまであれだけ盛り上がっておいて、手のひらを返すようなその態度。ちょっと失礼だよなぁ。