IN/OUT (2001.2.25)
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契約更改にあたり、アパートのオーナーが、部屋のチェックにやってきました。当日は、早朝から大掃除。掃除というよりは、家の中に溜まってしまった不要物廃棄大会、という感じでしたが、おかげさまで、久しぶりに机や食卓の表面がしっかり見える状態に。


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名所巡り  (01.2.18-20)

日本からやってきた「偉いさん」達のお供を数日間務めた。普段、一人では行かないようなところに行くことができ、有意義だった。< ポジティブ・シンキング

Changi Prison Chapel & Museum

Changi刑務所に隣接した博物館。ここは、第二次大戦中、日本軍が戦犯を収容するために使っていたところで、その時代を記録した小さな博物館と、当時のチャペルを復元したものが公開されている。日本軍=悪、という図式が明確で、日本人には、あまり居心地が良くないところではある。見る人によっては、偏向した展示内容だ、と怒りそうだ。しかし、日本軍が残虐なことをしたのは、否定しようが無い事実である。

日本人墓地

明治24年からシンガポールにある、日本人のための墓地。ロシアからの帰路、インド洋上で病死した二葉亭四迷や、からゆきさん、実業家として東南アジアで活躍した人、戦争で亡くなった人、等々、有名・無名、様々な人の墓が並ぶ。名も無きからゆきさんの、小さな石を置いただけの墓は、なんともやるせない。

午後にはシンガポールを離れるご一行様のため、この日は、観光会社から小型バスをチャーターし、午前中だけのコンパクトな名所巡りを適当に見繕ってくれ、と頼んであった。ドライバー氏は、当初、我々をあまりお上品ではないご一行と判断したのか、ハイテンションでまくし立てながら、庶民的なところ(婉曲表現)にばかり連れて行こうとしていた。それを察知した「先生」が、上記二カ所をリクエスト。さすがに、それ以降、ドライバー氏はおとなしくなった。

Alkaff Mansion

1920年代、アラブの富豪の別宅として建てられた邸宅を改装したレストラン。小高い丘の上に建ち、当地のレストランとしては、もっともお洒落度の高いところの一つだろう。地元の人には、デートスポットとしてだけでなく、結婚式場としても人気があるし、日本人ツアー客にも定番となっているところなのだが、私は、今回初めて訪れた。夜は、インドネシア料理のコースになるそうだが、昼食は、コンチネンタルのセミ・バフェ・スタイル。味は、そこそこだったのだが、惜しむらくは、BGMが、ジャズ、クラシック、ローカルの曲、と統一性が無かったこと。そして、食後の紅茶が、LiptonのYellow Labelティーバッグをポットに突っ込んだものだったこと。画竜点睛を欠く、という感じである。

The Fullerton Singapore

昨年12月31日にオープンした高級ホテル。1920年代末に建築された、古代ギリシアの建築様式を取り入れた重厚な建物は、かつて、中央郵便局などに使われてきたそうだ。ホテルへの改装にあたり、内部には徹底的に手を加え、客室はハイテク完備、らしい。一泊、最低450ドルから、上は3,800ドルまで。もっとも、今回は、バーを利用しただけである。Raffles Hotelとはまた違う、植民地時代の雰囲気を残した高級な空間で、なかなか結構。

"Hannibal"  (01.2.24)

その残酷描写が何かと話題の、Thomas Harris原作、Ridley Scott監督による"The Silence of the Lambs"の続編。シンガポールでは16才以上、という年齢制限付きでの公開。

原作は、映画三本ぐらい作れそうな筋書きを詰め込んだ長大なものだったが、この映画化では、刈り込むところは大胆に省略しつつも、割合、忠実にストーリーをなぞっている。結果、駆け足で物語が進んでいき、各パートが薄っぺらになってしまった感が否めない。特に、せっかくGary Oldmanが特殊メイクで奮闘したMason Vergerに関する部分が、軽んじられているというか、盛り上がらないのがつまらない。

Clarice役を引き継いだJulianne Mooreは、前作のJodie Fosterほどの存在感が無いのだが、かえって、「羊」から10年、FBIの組織の中ですり減ってしまった雰囲気が出ているようで、原作通りのラストなら、はまり役だったかもしれない。そのラスト。原作とは違っている、という情報はリリースされていたが、やはり、ハリウッドでの映画化だ。原作よりは道徳的な改変と言えるかも。しかし、この後、続編を作るときに困っちゃいそうである。「2001年」のように、小説も、映画に合わせてしまうのか、はたまた、小説と映画では違う道を進んでいくのか。

物語的興奮はさほどでもなかったが、全体に張りつめる緊張感が心地よかった。そして、なによりも、映像が良い感じ。最近のRidley Scott監督の作品には、いまいち物足りなさを感じていたのだが、今回は、久々、かっこつけまくった(スタイリッシュと言うべきか?)構図、色使い、ライティング、編集を堪能することができた。ただし、その夜は、結構、嫌な夢を見てしまったよん。


ここしばらく来客も無かったこともあり、なんやかんやと物が溜まっていて、自分でも驚くほど大量の廃棄となりました。きっと、これからしばらく、「あ、あれも捨ててしまった」と後悔する場面も多そうだと予感する今日この頃です。