IN/OUT (2000.12.3)
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今年のOrchard Roadの電飾は、昨年に比べるとかなり控えめなようです。21世紀の幕開けは、ミレニアムほど盛り上がらないということでしょうか?

イルミネーションの電球は、点灯しっぱなしではなく、点滅しているのですが、これは、電力を節約するためだそうです。なんだか中途半端なせこさだよなぁ


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"Red Planet"  (00.12.2)

2050年、地球の環境破壊と人口爆発への対処として、テラ・フォーミングが進められいる火星。無人宇宙船により進められていた作業にトラブルが発生し、その解決のため人類史上初の有人飛行に臨んだクルーたちを描く映画である。

同時期に製作された、やはり火星を舞台にした映画"Mission to Mars"が、あまりにもトホホなオチだったのに比べると、ずっと良くできている。特に、やや古くさい演出ながら手際の良い導入部など、いかにもSF映画らしく、ワクワクさせてくれる。しかし、残念ながら演出の力量は十分とは言えない。落ち着いたドキュメンタリー・タッチで進めているのは良いのだが、メリハリが不足しているし、不必要なサービス・シーンで雰囲気を混乱させたりしているように思う。SF的なセンスの良さは多々感じられるのだが、詰めが甘く、説明不足なところも多い。

そうした、色々な不満を帳消しにしてくれるのが、船長役、Carrie-Anne Mossの好演だ。"Matrix"で観たときには、かっこよいけれど、この映画一発で終わってしまう女優さんでは、と、大きなお世話的危惧を抱いていたのだが、どうやらそれは、本当に大きなお世話だったようだ。理性的で芯の強い、しかし、Sigourney Weaverが演じるヒロインのような押しつけがましさがない、とても魅力的な役柄/演技である。今後も、この路線で、SF映画のクイーンを目指していただきたいものだ。って、これも大きなお世話か?


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Kei Kobayashi in Concert  (00.12.2)

"Singapore Musicfest 2000"の一環として開催された、日本人ジャズヴォーカリスト、小林 桂のコンサートを観てきた。会場は、NUS Cultural Centre。NUS = シンガポール国立大学内のコンサートホールだ。大学の施設と言っても、なかなか立派で、音響も良いところだった。

小林桂について事前知識は無く、知人の薦めで取ったチケットだったのだが、バックバンド(ウッドベース、ドラムス、トランペット、ピアノの4人編成)の演奏も含め、なかなかに高水準だったと思う。因みに、ピアニストは小林氏のお父さん。演奏されたのは、いわゆるスタンダード・ナンバーばかりだが、とても素直な解釈で、心地よかった。逆に言えば、個性があまり感じられないのだが、彼はまだ21歳。今後キャリアを積むにつれ、どのような個性を身につけていくのかが楽しみ、ということも言えるだろう。

ということで、音楽的な技量に関しては、ジャズに詳しくない私としては文句の付けようが無い。しかし、海外で単独コンサートを開くのに値する実力の持ち主かと言われると、少なくとも、エンターテインメントの面では、21歳という年齢を差し引いても、ちょっと無理があったと思う。ステージの進行も稚拙だし、途中、タップ・ダンスを披露するサービスも見せたものの、そのステップの切れは、ほんとに「サービス」の域を出ないものだった。

特に問題なのが、歌はすべて英語で歌っているのに、MCになると、とたんに英語が駄目になってしまうこと。これじゃ、説得力が無い。で、MCの際、通訳として登場したのが、実のお兄さん。4カ国語を操る語学の才を活かして、現在、台湾でジャーナリストをしているとのこと。そして、この発言

「僕は、これまで、韓国と台湾でコンサートを開きました。海外公演では、お父さんがピアノを弾き、お母さんがマネージメント。そして、お兄ちゃんが通訳で駆けつけてくれます。こうして家族四人一緒に仕事ができて、とても幸せです」

うーん。ご両親ともジャズ・ミュージシャンという音楽一家で素直に育ったのは分かるけど、ちょっと甘くないか? せめて、父、とか、兄、とか呼びなさい。


来週からしばらく、せわしないスケジュールになるため、12月いっぱい、かなり不規則な更新になると思います。ってゆーか、果たして何回更新できることやら。

時差よりも、気温差が心配な今日この頃です。