初音ミクなどのVOCALOIDを用いた楽曲で注目され、音楽だけで無く映像作品も手がけているそうです。ステージ上での生真面目そうな受け答えが印象的。
1988年生まれ。中学生の頃からデスクトップ・レコーディングを行っていたそうです。今回は、「光る棒」三本と「光る太鼓」四つのフル装備で参戦。
初演の曲が多く、緊張したとのことでしたが、若手ゲストと共に、熱いパフォーマンス。サンプラーぐらいは分かるのです。
(S) は、sasakure.UK氏と共演
(A) は、AZUMA HITOMI氏と共演
オール・スタンディングのWWW。元映画館だった箱なので、客席が段になっていて、後ろの方でも見やすいのがありがたい。無理に前方は狙わず、柵にもたれかかれることを優先し、後方、ミキ卓横に陣取る。
まずは矢野さん一人で、トラックを流しながらの演奏。砂原良徳氏(まりん)がトラックを作った「在広東少年」のカッコ良さに痺れる。さすが、YMOチルドレンの作る音だ。まだ二曲目なのに、これだけでお腹一杯と思わせる出来。
ここで、ゲスト一人目、sasakure.UK氏登場。矢野さんが一旦引っ込んで、ソロ曲。私は初めて聴くが、電子音と宮沢賢治の世界の融合という感じ。背景に流れる映像と一体となったパフォーマンスだ。続いて、矢野さんと共に「電話線」。このアレンジ&映像もなかなか。ただ、「ごはんとおかず」では、アニメーションでは無く実写映像を用いていたのだが、美味しそうさが、もうひとつだったかも。
sasakure.UK氏が退場し、再び、一人での演奏になるが、どの曲も良い。初演のものが多く、かつ、既存のトラックに合わせるという制約があるはずだが、クオリティの高い演奏ばかり。新アルバムに対する期待が膨らむ。
二人目のゲスト、AZUMA HITOMI嬢が、ぬいぐるみを抱えて登場。彼女も、私が初めて見るミュージシャンで、その佇まいから、いわゆる「不思議ちゃん系」かと思っていたが、ソロ・パフォーマンスに、刮目。ベースを抱え、シンセも弾き、自ら持ち込んだ「光り物」を点滅させながらの歌唱は、迫力十分。さらに、その光り物が、立花ハジメ氏の影響を受けて自作した物だという話に、矢野さんもびっくりしていたが、私もびっくり。一気に、彼女の事が「気になるミュージシャン」上位になってしまった。
アンコールは、ピアノ弾き語りの「電話線」。ここまで、電子音を多用したトラックで乗せておいての、最後に弾き語り。これは、卑怯だよなぁ。グッとくるに決まってるじゃないか。
久しぶりに「テクノ系」に帰ってきた矢野さんという印象もあるが、懐古趣味に陥ること無く、新しい世代のミュージシャンと楽しそうに音楽を作っている姿が、やはりカッコ良い。想像以上に楽しく、充実したライヴだった。唯一の問題は、アルバムを買う前に、これだけ凄いライヴを聴いてしまっては、肝心のアルバムを聴いたときの感動が薄れるのでは、ということだな。