IN/OUT1999/8/22


「日本とシンガポール、どちらが住みやすいか?」
という質問をメールでもらい、ちょっと考えてしまいました。一昨年までは、絶対、世界中で日本ほど住み心地が良いところは無い、と思っていたのだけれど、いざ、米国やシンガポールで暮らしてみると、決して日本がベストじゃない、と実感しています。

日本より良い、と思われる点はいくつもあるのですが、海外生活を良いと感じる理由には、しがらみの無さとか、よそ者としての気楽さもあるようです。ちょっと、ずるいですかね。


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GO GIRL  (99.8.21)
矢野顕子さんの新アルバムGO GIRLをTower Recordsにて購入。作品自体については、もう少し聴き込んでからやのコレの方に書くつもりだが、これ、傑作っす。心ある音楽ファンは聴くべきっす。

Tower RecordsやHMVのフロア構成は、クラシック、ジャズ、民族音楽、Pop & Rock、アジアのPop & Rockという感じになっていて、アジアの中がさらに、広東語ポップ、福建語ポップ、マンダリン・ポップ、J-Popといった具合に分かれている。そう、個人的には「E電」とほぼ同じポジションを占める恥ずかしい日本語「J-Pop」って、海を越えてしまっているのだ。とにかく、「日本のポップミュージック」がそれなりの売り場面積を占めていて、在星日本人だけでなく、地元の若い人達も結構買っている。人気があるのは「Speed」だの「Max」だの「ELT」だの「Luna Sea」だの、まぁ、日本と同じようなものだ。平積みになっているこれら若者人気のミュージシャンとは違い、矢野さんのアルバムの在庫量は極めて少ないのだが、とにもかくにも、わざわざ注文することなく、日本での発売から20日ぐらいで入手することが出来たのだから、J-Pop人気に感謝しておこう。

話は飛ぶが、CD屋では、ジャンル分けはされているものの、同一ジャンル内ではミュージシャン名順にCDが並んでいるのが普通である(店によって、名字順か名前順か、等の違いはあるが)。探す側の効率を考えれば、これは当然のことであろう。ミュージシャンの所属レーベルなんて知る必要は無い。それなのに、本屋における文庫本の並び方はどうだ。まず、出版社毎に棚が分かれている。同一の著者の作品でも、角川文庫はこちら、新潮文庫はあちら、とあちこちに分散しているのだ。目当ての本を探すためには、その作品がどの出版社から発行されているか知らないと、ずいぶんと手間がかかってしまうじゃないか。出版社側、書店側の営業政策上の都合だろうが、何とかならんか?

閑話休題。GO GIRL、つくづく素晴らしい。まさに天才の作品である。聴くべし。



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ちょっと横山やすし状態  (99.8.22)
こちらでは、タクシーに乗る機会が非常に多い。荷物が多い時、夜遅くなったとき、疲れてる時、初乗り2.4ドル(170円)ぐらいで気軽に乗れるのがありがたい。さらに、当地の住所表記方式は、米国なんかと同様、ストリート名+番地方式なので、運転手には住所を言うだけで大丈夫。チップの習慣が無いのも、楽ちんである。

と、良いことずくめのようではあるのだが、一つ、気になるのが運転手の態度である。もちろん、個人差はあるのだが、全体的に横柄・無愛想。道を間違えて、随分遠回りされたときも、
「何を怒ってるんだよぉ。ちょっと時間が余分にかかっただけじゃないか。余分な料金は取らなかったんだし、良いじゃん。」
って、良くないっちゅーの。そういう時は素直に「すいません」だけ言ってりゃいいんだよ。

どうも、中国系の人が提供するサービスって、日本人の感覚とは合わないように感じることが多い。しかし、タクシー運転手に対する文句の文章に横山やっさんを持ち出す感覚も、日本の若い人には合わないような気がしないでもない。



先日、空港に向かうタクシーの中で、珍しく運転手が色々と話しかけてきました。本当は旅行に行くところだったのだけど、面倒くさいから
「仕事でね。親会社に出張。」
などと適当にあしらいつつ10分ほど。いよいよ空港に着いた頃、
「じゃぁ、気を付けて。ところで今、中国も暑いのかい?」

中国系シンガポール人に中国人と思われるというのは......。こういうことで、むっとしてしまうのは、やはり、よそ者としての気楽さを感じていたい、というずるさの反映でしょうかね


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