IN/OUT1999/7/18


汚い話です。

中国に旅行したことがある人と話すと、トイレ事情に大きな衝撃を受けたということをよく聞きます。特に、「大」の方の状況が、あまりにも開放的らしい。私自身は、台北・香港辺りをうろうろするばかりで、いまだ中国本土に行ったことがないため実感したことはないのですが、自分だと出る物も出ないだろうなぁ、と思ってしまいます。

さて、中国系住民が大多数を占めるシンガポールの事情はどうかと言うと、これが全然違うのです。いわゆる「連れション」をしません。他人と並んで用を足すということに抵抗感を覚えるらしく、小用だけでも個室の方を使う人が非常に多いのです(香港でも似た状況なのを確認)。で、腰は下ろさず、しかし便座は上げず、とずぼらな用の足しかたをする輩が多いので、清潔国家シンガポールの中で、男性用個室洋式トイレの汚さは異彩を放っているかも。


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こらぁ、やぁまだぁ!  (99.7.12)
やのコレと重複ネタ

スタジオ・ジブリの最新作「ホーホケキョ となりの山田くん」のサウンドトラックを日本から送ってもらう。これがなんとアルバム三つとシングル一つ。

オリジナル・フル・サウンドトラックと銘打たれた2枚組アルバム(家内安全は、世界の願い。)は、その名の通り、フィルムのサウンドトラックに記録されているほぼ全ての音楽を網羅しているようだ。そこから、クラシック曲を抜き出したアルバム(楽に生きたら。)と、矢野さんのオリジナル曲を抜き出し、サウンドトラックとは違うヴァージョンも付け加えたアルバム(よし、ジブリと一緒に作るぞ!)とで、サントラ三つという寸法。

最近のハリウッド映画の「サントラ盤」では、本編ではほんの少ししか流れていなかった曲や、エンディング・クレジットの最後の方で取って付けたように流れる曲、はては、どこで流れたのかどうにも思い出せないような曲が含まれていて、本来の意味のサウンドトラックと言うよりは、映画とタイアップしたオムニバス盤という雰囲気の物が多い。そういうのと比べると、「家内安全は、世界の願い。」などは、とても良心的なサウンドトラックだという気もするが、場面転換のブリッジ用と思われる数秒の曲まで収録するのは、いささかやりすぎという感じでもある。

好意的に解釈すれば、
「家内安全は、世界の願い。」ジブリ・マニア向け
「よし、ジブリと一緒に作るぞ!」矢野ファン向け
「楽に生きたら。」この機会にクラシックに興味を持ってね
という構図なのだろうが、やはり、ジブリ・ファンにも矢野ファンにも納得のいく一つのアルバムに編集してもらいたかった。一本の映画で三つのサントラってのは、商売っ気が強すぎるよ。

と、商売方針には文句があるものの、矢野さんの音楽は予想以上に素晴らしい。リラックスした雰囲気でありながら、クオリティの高い、見事な演奏だ。まだ映像は未見だが、高畑監督がどのような映画を目指したのかが、しっかりと伝わってくる(ただし、私は、いしいひさいち氏の事を、一途にギャグ漫画を追求しつづける天才だと思っている。その意味では、私にとっての「山田くん」と高畑監督の解釈は、どうも方向性が違うような気がするのだが....)。映像に合わせてライブで伴奏を付ける、そういう、無声映画上映会風の企画をやってもらいたいと、これは真剣に思う。。


土曜日の香港  (99.7.17)
今週末は香港、来週頭は台北に出張。この場合、土曜日を移動日にして日曜日を一日台北で過ごすか、日曜日を移動日にして土曜日を一日香港で過ごすかの選択肢があるわけだが。迷わず後者に決定。

三度目の香港だが、まとまった自由時間を過ごせるのは初めてだ。強めの雨が断続的に降るあいにくの天候だったが、昼頃から街をうろうろする(前夜、Ritz Carlton Hotel地下の「栄川」なる和食屋で焼酎を痛飲していて、午前中はダウンしていたのである。伊勢エビ入り湯豆腐は絶品だった。)。

Star Ferryで香港島に渡り、しばらく歩き回り、MTRで再び九龍に戻りNathan Roadあたりをぶろぶら歩く。香港の街を歩いていると、シンガポールが中国系の人々が多数派の国とはいえ、かなりマレーなど他民族の影響を受けていることを改めて感じる。人々の顔立ちも街の匂いも聞こえてくる言葉もシンガポールとは全く違う。シンガポールの厳しい規制の下、統制された街並みのほころびから顔を出す猥雑さよりは、香港の圧倒的な猥雑さの中から自然発生している秩序の方が、ずっと健全なような気がするが、まぁ、半日歩いたぐらいで、あまり語ることはできない。

夕食は、ホテル近くのショッピングセンターで見つけたステーキ屋「San Francisco Steak House」。この出張中、中華は昼にピータン入りお粥を食べたぐらいなのだが、アメリカの馬鹿でかいステーキが急に懐かしくなったのである。この店、味の方はいかにもアメリカ的な、どうということのないものだが、店員のサービスが非常に洗練されている。一杯目のグラス・ワインを飲み終わって一息ついて、さて、と思ったその瞬間に「もう一杯いかがですか?」とくるし、ステーキを一口食べて「む、やや物足りない味だな」と思ったと同時に「マスタードはいかがですか?」とくる。店内にくまなく目を配っていなければ、絶対に不可能だと思われる絶妙のタイミングで、非常に気持ちよい。久しぶりに巨大な肉塊と格闘し、食事後半には「なんでこんな辛い思いをして食ってるんだ?」という苦しみを味わって満足である。ただ、ステーキの上に、お子さまランチについているような星条旗が立っているのは、いかがなものか?


日曜日の台北  (99.7.18)
よく落ちることで有名なChina Airにびびりながら台北へ。出張ではもう5回目だが、自由行動の時間があるのは、これが初めてだ。

もっとも、自由行動と言っても、ホテルにチェックインしたのは既に夕方。いつも、ホテルから会社まで10分ほどの道のりを歩いているのだが、ここはビジネス街の外れに当たると考えていた。が、期待していなかったので。下調べも何もしておらず、繁華街にどうやって行けば良いのか分からない。とりあえず、いつも歩くのとは反対方向に歩き出してみた。

いきなり、Hard Rock Cafeを発見。あら、こんな近くに、と驚いていたら、すぐそばに、IKEAもあるではないか。シンガポールで一番のお気に入りのお店、北欧出自の家具屋である。台北IKEAもシンガポールと同じぐらいの広さ、品揃え。ここのビルには、CD、Video、書籍、PCソフトを一手に扱う大型店もあり、いつもの癖で矢野さんのCD在庫チェック。まずまずでしょう。

こりゃ、もっとゆっくりする時間を作っておけば良かったな、と思いつつ、Hard Rock Cafeで夕食。またも久々のアメリカの味、ナッチョとライト・ビールで、苦しいほどの満腹感。

香港やシンガポールに比べると、街から感じるパワーは少ないが、決して侮れないところのようだ。次の機会は、もう少しゆっくりできる時間を作りたいものだ。



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IBM Net  (99.7.13)
相変わらず、日本で契約したIBM Netのシンガポール・アクセス・ポイント経由でインターネットに接続しているのだが、以前からあまり調子は良くない。。話中ではないのに、一発で接続できないことがよくあるし、何よりもSo-netと相性が悪いのか、So-netサーバーにつながりにくく、FTPにえらく時間がかかる。

ローカルのプロバイダと契約した方が良いかな、と思いつつも、台北や香港からアクセスする機会も多いため、便利な面もある。ついつい放って置いたら、今度は長時間全くつながらなくなってしまった。一時的な障害なのか、あるいは、もっと根本的なトラブルなのかまだ判断がついていないが、そろそろ、新しいプロバイダを見つけた方が良さそうである。



香港、台北にはこれからも何度も出張することになると思います。それぞれ特徴があり、知れば知るほど、まだまだ新しい発見がありそうな気がします。

とは言っても、せっかく出張するなら、たまには中国人のいないところに言ってみたいという気もする今日この頃です。


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