IN/OUT1999/7/4


最近MRT車内で目立つのが、「もし、理想社会なら」シリーズとも言うべき、政府広報のポスター。曰く、
「もし、理想社会なら、彼らは必要無い」
と大きく書いてあって、下の方に小さく、
「しかし、現実はそうじゃないので、17,000人の警官が市民の安全を守るため云々」
とか、
「もし、理想社会なら、誰も隠れたりはしない」
「しかし、現実はそうじゃないので、7,000人の入国管理官が不法入国者を監視しています」
とか、とにかく、あらゆる政府系機関の存在の必要性を説くポスターが一両まるごと占めているのです。

いかにもシンガポールらしい広告ではありますが、ちょっと居心地悪く感じてしまいます。


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NHK国際放送  (99.7.4)
矢野顕子さんご出演の「トップランナー」をNHK国際放送(ケーブルテレビ)にて観る。番組の内容自体は、いかにもNHK謹製の若者向け番組、という感じなのだが、矢野さんの存在感と素晴らしい演奏で、諸々の欠点は全て帳消しである。日本でのオンエアから随分時間が経ってからの放送とはいえ、嬉しいことだ。

当地のように、日本の情報や文化がふんだんに手に入る土地でも、やはり、リアルタイムで流れてくる日本語の放送というのはありがたみがある。ましてや、以前訪れたケニアの田舎のような所では、NHKの短波ラジオが、現地に暮らす日本人にとって、とても心強い存在だったことを思い出す。がんばれ、NHK!

しかし、考えてみると、海外で暮らしている日本人は、受信料を払っていない訳である。日本にお住まいの皆様が支払って下さる受信料で、全世界の海外在住日本人達は、日本の情報を、そして心の支えを得ているのである。ありがたい事である。



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Austin Powers: The Spy Who Shagged Me  (99.7.4)
あの"Star Wars Episode I"を興行成績トップの座から引きずりおろした、Ausitn Powersの続編である。日本では、「〜 デラックス」なる邦題で公開されるらしいが、このタイトルは当然、"007: The Spy Who Loved me"のパロディな訳で、その邦題「私を愛したスパイ」に対応した、お下品な日本語を当てるべきなのである。洋画配給会社の人間が作り出す日本語というのは、いつもながら私には理解不能だ。というか、英語圏の映画に関しては、英語のままのタイトルで公開すべきだと思う。

そういうことはさておき、本編であるが、いきなり、007を思わせる主題歌とともに、Star Wars風のオープニング映像。最初の2分ぐらいは、大いに期待したのだが、後がいけない。確かに場内は笑いに包まれているのだが、ドリフのコントで笑う小学生状態、つまり、下ネタとかの分かりやすい笑いばかり。どうも、"There's Something About Mary"の大ヒット以来、米国メジャー映画におけるギャグの下品さのボーダーラインはかなり下がったようだ。

主要登場人物のほとんどは第一作からの続投なのだが、描かれ方があまりにも表面的で、せっかくのキャラクターが活きてこない。ストーリーもおざなりな展開だし、続編と言うよりは、Austin Powersの出来の悪いパロディ、という感じである。第一作からほとんど間をおかず、短期間で制作されたためだろうか。

それでも、"Starbucks"とか"Alan Parson's Project"とか、つぼを刺激してくれる細かいギャグも多いし、一作目でBurt Bacharachがカメオ出演したのに対し、今回はBurt Bacharach & Elvis Costelloで登場するなど、センスの良さを感じさせる部分もそれなりにある。もっと、きっちり作り込んでもらいたかったと、非常に残念に思う。



MRTの中には、海軍の入隊を呼びかける広告も多く見かけます(徴兵制は敷かれてはいるが、職業軍人の募集をしているのである)。テレビでも、陸・海・空軍の求人CMを頻繁に流しています。

シンガポールの国防政策をとやかく言うつもりはありませんが、人口300万人程度の小国で三軍を維持するのは大変だろうと思います。特に空軍。戦闘機で5分も飛べば領空を越えてしまう環境で、どうやって訓練しているのか、ちょっと気になる今日この頃です。


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