IN/OUT1999/6/27


いきなり偏見だけで書いてしまいますが、(いわゆる)先進国になるほど、国民の身体は弱くなる、と思います。平均寿命とか伝染病予防とか、そういうことは別にして、日頃、お腹を壊すとか、風邪を引くとか、そういう機会は、先進国の国民の方が多いような気がするのです。

そういう意味では、シンガポールは実に先進国です。というか、みんな、身体が弱い。すぐ風邪を引くし、医者に行くため会社を休む人が非常に多い。過剰に清潔を追求すると、抵抗力が衰えるということなのか、あるいは単に冷房を利かせ過ぎているのかは、定かではありませんが。


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The Blues Brothers  (99.6.26)
先週「The Blues Brothers」のDVDを買ったのだが、つい勢いで、評判悪いとは知りながら「Blues Brothers 2000」も続けて買ってしまった。で、予想以上にひどかった内容を、"OUT"で酷評しようかと思っていたのだが、どうも今週は怒りんぼ週間になってしまっているようなので、前作の方を持ち上げておくことにする。

「The Blues Brothers」の何が素晴らしいかというと、まずはJohn BelushiとDan Aykroydの存在感。歌もアクションも科白も、とにかく全てが格好良いのだ。さらに、James Brown、Cab Calloway、Ray Charlesなどなど、豪華ミュージシャンの方々が、実に楽しそうな演技を披露してくれているのも嬉しい。出演者もスタッフも、関わった人達全員が、溢れんばかりの音楽への愛情をこの映画に注ぎ込んでいるのが伝わってきて、ブルースに限らず、音楽が好きな人なら、誰もが胸を熱くする、必見の映画だと思う。

ということで、この映画、出演者と音楽への愛情、の二点をもって「傑作」なのであって、それ以外では、決して良い評価はできない作品でもある。John Landisの演出は、学生自主制作映画のノリで、あまりスマートじゃないのだ。

ちなみに、昨年、18年ぶりに制作された続編、「The Blues Brothers 2000」が、どうひどかったかと言うと、全く逆なのである。Landis監督はすっかり手堅い商業映画らしい演出ができるようになっているのだが、音楽に対する愛情に「熱さ」が感じられない。

それにつけても、John Belushiの死は、本当に大きな損失だったと思う。例えば「Ghostbusters」なども、元々はBill Murrayじゃなくて、彼を意識した企画だったのでは、と踏んでいる。大傑作コメディになるはずが、なんとも中途半端な笑いで終わってしまった、そのような作品が、何本もあるに違いないのだ。



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電話で迷子  (99.6.24)
駅やスーパーマーケットのいたる所に365日24時間稼働のATMが設置してある米国やシンガポールでの生活に慣れると、日本の銀行サービスは、何てレベルが低いのかと、つくづく思ってしまう。当然、電話による問い合わせにも24時間対応してくれるのが、ごく普通の銀行サービスだ。まぁ、今まで、わざわざ電話をかけるようなことは滅多になかったのだが。

クレジットカードの使用で溜まったポイントを、航空会社のマイレージプログラムに振り替えてもらおうと、カード発行元である銀行に電話をしたのだが、かけるまでは、「夜中でも気楽に電話できて、何て便利なんだ」と呑気なものだった。まさか、その後、深い森 で迷子になったような気分を味わうなんて思ってもいなかったのである。

無料の電話番号は自動応答サービスになっていて、
「残高をお知りになりたい方は1を、金利の情報は2を、.....」
と、それぞれ自分の求める情報にアクセスするためには、自動アナウンスで指示される番号を押していかなければならない。こういうのは一般的な電話サービスではあるが、この銀行の場合、選択肢が多いし階層も深い。なかなか、目当てのサービスを発見できず試行錯誤を繰り返し、ようやく担当者につながる寸前までたどりついたが、今度は
「より的確なサービスを提供するために、電話問い合わせ用の暗証番号を入力して下さい」
とのアナウンス。そんなもの、利用開始時に銀行から手紙が届いたような記憶があるが、すっかり存在を忘れていた。引き出しの中を引っかき回すと、何だか暗証番号にも色々あるらしく、三種類ほどの番号が出てくる(セキュリティのためという理由で、各番号は別々の手紙で送られてきている)。どれがどれだか、違いを確かめるのも面倒くさいので適当に入力してみると、最初の選択の場面に強制的に戻されてしまい、また、あのわずらわしい手順を踏む羽目に。そうこうするうちに
「お客様は、適切なオペレーションが出来ていないようなので、ここで担当者がお話しします」
みたいなアナウンスの後、ついに生身の人間が登場......。用件を伝え、クレジットカードの番号と身元確認用に生年月日、後はマイレージプログラムの会員番号を答えるだけで、手続き自体はあっという間に終了。

おぉーい、最初から人間につながるショートカットを用意してくれよん。


確信犯か?  (99.6.26)
引っ越して以来、ノートPCを電話台の上に置いて使っているのだが、マウスを操作するスペースもなく、結構疲れるものである。で、ついに先週、PC用に机と椅子を購入し、本日、配達と相成った。

部屋のコーナーに置く、三角形の小型の机なのだが、意外に重く、部品点数も多い。汗だくで組立る羽目になった。店の人は、
「大丈夫大丈夫、組立なんて頼むのは無駄遣いだよ。俺だって一人でやったんだから」
なんて言っていたが、全然、そんなことは無かったのである。

一部、耐久性に不安を持たせる仕上がりになりながらも、どうにか完成し、続いて、椅子の組立に取りかかる。椅子ぐらいは組み立てた状態で届くと思っていたのだが、仕方ない。しかし、箱がぼろぼろに破れている上に、中のねじ釘類は、どうみても数が足りない。よく確かめてみると、肝心の腰掛ける部分が、えらく汚れている....。

改めて箱を見てみると、そこにはマジックではっきりと"Seat Dirty"と手書きされている。やはり傷物だったのである。

業者に怒りの電話をかけると、明日、交換品を持って行こうか、と言ってくれた。明日は出張へ出かけなければならないので、来週、改めて届けてもらうことにしたのだが、すぐに代替品が用意できるってことは、倉庫にはちゃんと綺麗な商品も置いてあったということである。なんとも、なめられたものである。



で、すっかり当地に染まってきた私も、このところ、鼻をぐずぐず言わせたり、咳したり、という日が続いていました。そういう時に限って、9時から17時までみっちり詰まった、税金関係のセミナーに出席する羽目に。

講師が白人男性だったので、シングリッシュじゃない、真っ当な英語の講義かと思いき や、いきなり「グッダイ!」.....オーストラリア人だったようです。これだけまとめてオーストラリア訛りの英語を聞かされるのは初めてだったのですが、かなり辛い。グループ・ディスカッションで、他の出席者のシングリッシュを聞いてほっとしてしまいました。つくづく、耳も口もシンガポールに染まってきたなと、愕然としてしまう今日この頃です。


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