IN/OUT1999/3/7


外から見てみると、日本はアジアの一員だ、という事を強く感じます。と言っても、政治や経済の面ではなくて、感性が似通っている、ということに改めて気づかせられるのです。

例えば、オーディオ・セットにしても、米国で一般的なのは、真っ黒で、大きな、無骨とも言えるようなデザインの物。これが、シンガポールの店に行ってみると、日本で人気があるのと同じ、シャンパン・ゴールド系の物や小型の物が多い。

感性が似ているからこそ、中国や東南アジアで、日本製の漫画、アニメ、TVドラマ、音楽などの人気が高いのでしょう。最近では、米国などでも日本の漫画やアニメの人気が高まっている、と言われますが、まだまだ、ごく一部という感じです。一方、こちらでの日本発の文化の浸透ぶりには驚かされます。中国などの音楽に興味を示す日本人があまり多くないのに対して、中国や東南アジアの人々が、これらのものを日本語のまま受け入れているのは、ちょっと残念な輸出超過のような気もします。


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新加坡的秋葉原  (99.3.6)
シンガポールの秋葉原、と異名を取る、Sim Lim Squareへ行って来た。先日訪れた、「Funan The IT Mall」が、City Hall駅の近くという、シンガポールでも一等地と言えるところにあったのに比べ、こちらはインド人街。ぐっと庶民性が高そうな予感がする。

果たして、予感は的中。Funanと同様、中央に吹き抜けのあるビルの中に、小型店舗がずらっと並んでいるのだが、パーツ屋や自作系の店が多く、秋葉原的に怪しい。言い換えれば、とても楽しい。さらに、どう考えても正規ルートの商品とは思えない音楽CDやVideo CD、CD-ROMを並べた店が何軒もあるのは、秋葉原の裏道的に怪しい。何故か、Microsoft Office 2000のCD-ROM 7枚組が売られていたりして....。こういう怪しさは、ちょっといただけないのだが。

このビルには、PC系の店だけでなく、Audio Visual関連の店も多く入っている。そのうち、ここで色々と買い物することになりそうだ。ただ、試聴しようにも、かかっているのが中国系、もしくはインド系歌謡曲ばかりだと、どうも高級オーディオ購入という雰囲気が出ないような気もする。

訪れたのが、ちょうど日本製アニメ「ミンキー・モモ」(中国語吹替)の放送時間だったようで、店頭に並べられたTVモニタに一斉に日本アニメが映る風景は、つくづく、秋葉原であった。



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足だけだとこんなもんかね  (99.3.7)
観光客に人気があるというFoot Massageを試してみた。気を付けないと、怪しげな所もあるというので、Orchard RoadのLe Meridien Hotelに入っている小ぎれいな所でのトライである。

私を担当してくれたのは、車だん吉似のおじさん。足の裏からふくらはぎまで、40分間もみほぐしてくれるのだが、肩や腰のマッサージのような痛いけど気持ち良いという感じではなく、痛い。たまにくすぐったい。やっぱり痛い。というだけで、あまり気持ちよさは無い。

しかも、だん吉氏、よく喋るし汗っかきなのだ。同じ部屋で三人、マッサージを受けていたのだが、他のマッサージ師にしきりに中国語で話しかけては大笑いしている。私や隣でマッサージを受けていた白人男性は置いてきぼり。さらに悪いことに、他の二人が喋りながらも手は休めないのに、一番よく喋っているだん吉は、喋り出すと手が止まる。ついでに、汗を拭くたびに手が止まる。これで、他のマッサージ師と時間も料金も同じ。ちょっと損をした気分である。

終わってみると、確かに足は軽くなったのだが、いまいち爽快感が無い。だん吉が下手なのか、そもそもFoot Massageがこういうものなのか、いずれにしても、コスト・パフォーマンスは悪い、というのが、今日の結論である。



moving付録 : 今週のお引越し

Current Account作成  (99.3.6)
小切手発行用の口座を開設。土曜日にも銀行が営業しているのはありがたい。


アパート引き渡し  (99.3.7)
エージェントからアパートの引き渡しを受けた。オーナーが搬入してくれていたのは、
  • マスター・ベッド
  • ナイト・スタンド
  • ゲスト用ベッド
  • ソファー・ベッド
  • ソファ
  • ダイニング・テーブル
  • TV
  • VCR
  • 洗濯機
  • 冷蔵庫
  • 電子レンジ
  • 掃除機
など。オーナーの中国人趣味溢れる家具だったらキツイかも、と恐れていたのだが、無難なデザインのものばかりだったので、ちょっと安心した。家賃を思いっきり値切ったので、安物っぽい物=無難なデザインの物になった、というのが正解なのかもしれない。

ただ、冷蔵庫がかなり小型の中古品なのが悲しい。電子レンジも単機能の小さな物。こちらの人は、自宅であまり炊事をしないらしいので、キッチン周りの優先度が低くなるのだろうか。台所に備え付けの換気扇は、外部に換気するタイプではなくフィルタを通して空気を循環させるタイプなのだが、これはシンガポール政府が外部へ排出するタイプの換気扇を許可していないということなので、いたしかた無い。それにしても、こんなことまで規制するかね?

一通り部屋をチェックした後、相手方のエージェントをして"Hard Negotiator"と言わしめた庶務の女性が、買い出しに同行してくれた。ここでも、彼女の値切りが炸裂。外見も喋っている内容も、ほとんど大阪のおばちゃんという感じで、洗剤やバケツといった、わたし的には優先度の高くない物を、次々とチョイスしてくれる......。本当は、安くて便利な店を紹介だけしてくれたら、後は自分の趣味で選ぶから、と断りたいところだったのだが、あのおばちゃんパワーに対してNoと言える日本人になるには、かなりの修行が必要そうである。

今週は、仕事の方で来客があったり出張があったりと、平日に時間を空けることができないため、ホテルのチェックアウトは来週にすることにした。



中国語のポップス(という表現は乱暴で、こちらのCD屋では、Hukkien Pop(福建語)、Cantonese Pop(広東語)、Mandarin Pop(中国標準語)と分類されている)が、そのまま、すぐに日本でもヒットするか、と言うと、確かに難しそうです。日本人の感覚からすると、垢抜けていない、という印象のものが多いように感じるのです。もっとも、「垢抜け」の実体は「西洋(英語)かぶれ」ということなのかもしれませんが。

話はずれちゃうんだけど、日本の某バンドのビデオ・クリップが流れていたのだけど、バンド名が月之海合唱団.....。なるほどね。


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