IN/OUT1999/2/21


Lunar New Yearでした。街中のほとんどの店が閉まっちゃうし、ホテルのロビーには中国風獅子舞がやってきたりしたんだけど、日本の正月風景とは、やはり違います。何よりも、暑いってところからして違う。

どうせ街に出ても店が閉まっているのだから、1日中のんびりと本でも読んでいたいところだけど、ホテル暮らしだとそうもいきません。いや、そうしても良いのだろうけど、ハウス・キーピングの人が来ることを考えると、やっぱり午後は外出しておこう、となってしまうのです。

ということで、無為にMRT全線制覇したり、静まり返ったチャイナ・タウンをうろうろしたりして、結構疲れた正月休みでした。


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Night Safari  (99.2.15)
シンガポール動物園に併設された「ナイト・サファリ」は、日没から深夜までだけ公開されている施設で、夜行性動物の生態をトラム・カーに乗って見物(一部、徒歩も可)するという趣向である。熱帯の巨木が生い茂る中をトラムで進むのは、ちょっと、ジュラッシク・パークっぽい雰囲気だ。

どうも動物園に行くと、
「わしはケニアで本当のサファリを体験したんだもんね」
と、ゴーマン・モードになってしまう事が多いのだが、ここも、「サファリ」と銘打っている割には、きっちり仕切られた中に動物が飼われているので、最初はつまらなく思えてしまった。しかし、おとなしい草食獣はすぐ手の届くところまで近づいてくれるし、肉食獣など危険な動物では、トラムとの間の溝を植え込みで巧妙に隠すなど工夫がしてあって、見せ方の上手さには感心した。マレーバクのような珍しい動物が1mも無いような至近距離で見られるのは、かなり嬉しい。熱帯の動物を、熱帯で、檻を意識させずに見せているのだから、日本の動物園で感じるような悲惨感があまり無いのは、良いことだ。

さらに、ガイドの説明に
「この動物は、現在、野生のものはxxx頭しかおらず、xx年以内に絶滅すると言われています」
というのが何度も出てくるのを聞くと、動物園の意義や必要性というものを考えてしまう。でも、昼間、隣の動物園で行われているらしい、オランウータンの見せ物とかまで必要なのかは別問題。そういう意味でも、淡々と動物の自然に近い姿を見せるだけのナイト・サファリは、良い施設だと思う。



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「姑獲鳥の夏」  (99.2.15)
Lunar New Year休みの暇つぶし用に購入。当地には紀伊国屋や丸善が何軒もあり、日本語の書籍の購入には不自由しない。このところ、東海林さだおや椎名誠の軽いエッセイしか読んでいなかったのだが、せっかくの長い休み、気になりつつ未読だった京極夏彦を手に取った訳だ。

後から考えれば文庫版の266頁で終わってしまうはずの話を、621頁まで引き伸ばしてしまうのだから、語り口の巧さが凄いのは認める。が、それにしても、この謎解きは強引過ぎる。一人称の語り手の記述自体に仕込まれたトリックに、「アクロイド殺し」のような鮮やかさが感じられず、ただ卑怯に思えるだけだ。細かな記述に気を配ったり、語り手の性格設定を工夫しているのは分かるのだけど......。色々と良い評判を聞いていて、期待していただけに、かなり大きな失望感を味わってしまった。

同時に購入して、この小説の20分の1ぐらいの時間で読了した、いしいひさいちの「コミカル・ミステリー・ツアー 第二巻」の方が、はるかに「ミステリを読んだ」という充実感があった。このコミックを創元推理文庫として出版したとは、さすが、プロのミステリ読みが集まっているであろう東京創元社である。



moving付録 : 今週のお引越し

Employment Pass取得  (99.2.19)
Employment Passが取得できた。が、今週はこれだけ。街のほとんどの機能が、Lunar New Yearで停止していたので仕方ない。



ホテル暮らしが長くなると、面倒なのが洗濯です。米国に赴任したときも、アパートに引っ越すまで5週間、ホテルに滞在していましたが、そこは、地下にコインランドリーの設備があったので楽でした。ついでに、室内に、キッチンが付いていたのもありがたかった。

しかし、今滞在しているところには、そのような設備がありません。毎日、洗面所で洗えば良いのかもしれませんが、それも面倒、特に、飲んで帰ったりした日に、そんなことをする気にはなれません。結局、数日毎に、溜まった下着やら靴下をバスタブに放り込んで、足踏み洗いする羽目になります。客観的に見たら、相当、格好悪い姿のような気が。そう言えば、以前、服を着たまま風呂に入って、体を洗うのと洗濯とを同時に済ませる、というツワモノの話を聞いた事がありますが、一度、試してみようかしらん。


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