IN/OUT1999/2/14


シンガポール訛の英語はシングリッシュ(Singlish)と呼ばれています。人口の7割以上が中国系なのですが、福建語か北京語を話す人が多いらしく、前の職場にいた香港移民の部下がしゃべっていた広東語訛の英語とはちょっと違います。発音の訛だけでなく、文法の簡略化ということも定着してしまっているということです。因みに、シンガポールの公用語はマレー語、英語、中国語(北京語)、タミール語の4つで、MRTの表示など、公の標識にはこの4か国語が並記されています。

日本人なら少々訛が強い日本語でも理解できるように、英語が得意な人なら、シングリッシュも簡単に聞き取れるのでしょう。実際、街を歩く白人は問題無く会話しているようです。しかし、私にはかなり分かりにくい。しかも、中国系の人って、自国語を喋るときも英語を喋るときも同じように、容赦なく早口なんですよね。第二言語をあれだけ自在に操れるのは大したものだと思うのですが、聞き取りにくさ倍増っすよぉ。


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天津館、じゃなかった  (99.2.11)
餃子屋。ここはガイドブックに載ることも多い有名店らしいのだが、なるほど旨い。有名店と言っても、それほど大きくないし、小ぎれいという訳でも無い、庶民的な店構えである。店内は地元民や日本人で満員。メニューの種類は少ないのだが、焼餃子を醤油と酢、ラー油で食べるという日本で一般的な食べ方より、黒酢+生姜で食べるここの蒸ぎょうざの方が美味しいと思う。

因みに、台湾系の人は、食事の初めの段階で麺類やご飯ものを食べ、それからおかず系に移るのだと聞いたことがある。同席になったシンガポーリアンも、ジャージャー麺のようなソバを食べた後にぎょうざ類を注文していた。締めに麺類を食べる我々とは反対である。しかし、さすが日本人もよく訪れる店だけに、ここの店員は我々が麺を食べ終わった時点でさっさと机を片付けてくれた。もう少し食べても良かったんだけどなぁ

と、書いた後で、あの店は天津館じゃなかったことが判明。場所は近いんだけど、天津館は本当に観光客向けの小ぎれいな店だった。それなりに美味しいんだけど、未だに名前の分からない、地元の日本人は単に"餃子屋"と呼ぶ、この店の方がはるかに旨い。(99.2.28追記)


TransitLinkは偉い  (99.2.13)
日本人会の会館まで行ってきた。初のバス利用である。MRTが便利といっても、日本の地下鉄ほど網の目のように発達している訳では無いので、バスを利用する機会も多いのだ。しかし、知らない土地でバスに乗るのは戸惑うことが多い。日本ですら、前から乗るのか、後ろから乗るのか、料金はいつ払うのか、お釣りが必要なときはどうするのか、整理券は必要なのか.....。初めての土地でバスを使うのは色々と悩むものである。

当地のバスは、路線が複雑な上、停留所のアナウンスも無いので、景色が分かっていない人間には、やはりハードルが高い。今回も、行きはタクシーを使い、帰りのみバスにしたのだが、これが現実的な方法だと思う。しかし、少なくとも料金支払いについては、TransitLinkのFare Cardを使えるので簡単である。これは、MRTの改札でも使えるプリペイド・カードで、JRのイオカードと同様、自動改札にそのまま通せば料金が引かれるというものだが、バスの乗車時にも使えるのだ。入り口の側にある機械に通して、運賃ボタンを押すだけ。しかも、市内を走る複数の会社のバス全てで、共通の操作で使えるのだから非常に便利。

さらに、このカードが偉いのは、イオカードのような使い捨てではなく、いつでも料金を足せること。窓口に持っていって、お金とカードを渡せば、その分をカードに入金してくれるので、一枚のカードが半永久的に使えるわけだ。窓口だけでなく、自動入金機もMRTの駅にあるが、こちらは銀行のキャッシュカードからお金を移す仕組みになっている。当地のキャッシュカードは、どこの銀行の物でも、最初からデビット・カードの機能が付いているのだ。この辺の仕組みは、計画的に開発が進めらた新しい国らしく、とてもスマートである。


Funan The IT Mall  (99.2.13)
シンガポールで一番、PCショップが集中しているところだと聞いて、さっそく様子を見てきた。

真ん中に大きな吹き抜けのあるビルの、6階にほぼフロア全体を占める大きなショップがあり、さらに、3階〜5階にはずらっと小さなショップが軒を連ねている。ビルの中と言っても、秋葉原のラジオ会館のような怪しさは無い。いかにもシンガポールらしい小ぎれいな店が多く、大半は、AcerやHP等のブランド品を扱っていて、値段も秋葉原と大差は無いが、パーツ系の店、ショップ・メイドのマシンを扱っている店も色々とあるようだ。ここで入手した資料によれば、ASDLベースのネットワークサービスも全国で展開されているようだし、アパートが決まれば、色々と楽しみが増えそうである。



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だから早くアパートを決めたいのに 
相変わらずホテル住まい。勤務先は近いし、毎日掃除をしてくれると言っても、これはこれで結構疲れるものだ。それに、長期滞在していると、どうも扱いが悪くなってくるというか、サービスに油断が出てくるように思う。

ここしばらく、タオルの供給が無い日が何度かある。元々、タオルは二組ずつ置かれているので一日供給がストップするだけなら構わないのだが、二日続けてだと困る。なぜか、回収の方は確実に行ってくれるので、無くなっちゃうのだ。さらに不思議なことに、全タオルの供給を忘れるのではなく、昨日はバスタオル、今日はフェイスタオル、と日によって色々な忘れ方をしてくれる。もしかしたら、どこまでぞんざいな扱いに耐えらるか試されているのだろうか?



moving付録 : 今週のお引越し

アパート探し、その2  (99.2.9)
前回見に行った新築コンドを再度訪れ、7軒の部屋を集中的に見た。各部屋毎に個人オーナーが別なので、エージェントが取ってくれたアポイントメントに従って、一軒のオーナーと待ち合わせて部屋を見せてもらい、また次のオーナーと待ち合わせて部屋を見せてもらい......と、7回繰り返す。こちら側は、私の他にエージェント2人と会社の庶務の女性の4人。オーナー側にもエージェントが付いていることがあるので、総勢8人ほどでぞろぞろと部屋を見るのだが、私を除く7人が、シングリッシュで早口にまくしたてる状況は、結構辛い。

因みに、こちらのエージェントは方位磁石を持っていて、窓がどちら向きなのかをチェックしてくれるのだが、気にするのは東と西。日本のように南向きというのは関係なし。なんせ、ここは赤道直下。太陽はほぼ真上を通るので、午前は真東、午後は真西から日が当たる、ということらしい。

物件としては、他の日本人スタッフのコンドに比べて、ちょっと市街地から離れていて、通勤時間が40分ほどかかりそうなのがマイナスポイントだが、駅から近く、駅前のショッピングセンターが便利そうなこと、新築できれいな点がプラスポイントである。プールを見下ろすかなり感じの良い部屋があったので、ここならOKだと思ったのだが、庶務氏はオーナーの提示価格が不当に高いと言う。

翌日、庶務氏が、25%程下げた家賃をエージェントに伝えオーナーの反応を待ったが、交渉決裂。しかし、オーナーのオリジナル提示家賃ですら、前任の経理マネージャーが設定してくれた予算枠には楽勝で収まっていたのだが.......。庶務氏は、私には安いところしかあてがわない、と決めてしまっているのだろうか。オフィスで一番のベテランである彼女に任せておけば大丈夫、というか、逆らわない方が良いよ、と皆には言われるのだが、この先、どうなるのか不安になってきた。

結局、エージェントの都合がつかず、チャイニーズ・ニュー・イヤー前にこれ以上の下見はできなかった。アパート探しは休み明けに持ち越し。



となると、欧米の人がシンガポールに来たがるのも良く分かります。適度に異国情緒が味わえて、でも、自分たちのライフ・スタイルも通せて。ただ、日本人にはどうなんだろう。沢山の観光客に出会うけど、7時間かけて来る割には、真夏の東京を小ぎれいにしただけのようで「驚き」の少ない所のように思うのだけど。ま、そういう意味では、住むのは気楽そうです。働きやすいかどうかは、休み明け(来週の火・水が、Chinese New Year、民族色を薄めた言い方だと、Lunar New Year)以降、徐々に分かってくるのでしょう。


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