ポートランド生活、終わってしまいました。
圧倒的な物質的豊かさと、人々の多様性を前提とした米国社会での暮らしは、予想していた以上に楽しく、快適なものでした。
たった9ヶ月間とは言え、これだけまとまった期間を海外で過ごしたことは無かったので、米国について色々発見があると同時に、日本についても、外からの視点で捉えることができたのは貴重な経験になりました。
ごちゃごちゃ書くのも無粋なので、ま、一言で言っちゃえば、
「日本にも米国にも、良いところもあれば、悪いところもある」
「どちらの国も、良い人も住んでいれば、そうじゃない奴も住んでいる」
という、スネークマンショー的なオチというところでしょうか。
- Shakespeare in Love (99.1.17)
- これは良かった。実に生き生きとした、そして丁寧に作られた映画だ。
ストーリーは、「ロミオとジュリエット」を執筆中のシェイクスピアが恋に落ち、現実の恋愛と芝居の脚本・リハーサルがシンクロしていくというもの。この脚本が巧い。「歴史上の人物」と「古典」という、一見窮屈な題材を使いながら、瑞々しく、活気のあるストーリーを虚実交えて描いている。喜劇的なタッチだけど、ラスト近くの山場、「ロミオとジュリエット」の初上演のシーンでは、思わず涙。出演者も皆、好演なのだが、特に、若き日のシェイクスピアがかっこいいんだ。当時のイングランドの風俗の取り入れ方にも感心。監督も主演も、新人と言って良いキャリアの人のようだが、演出にも演技にも勢いが感じられて、多少の欠点も気にならない。
それにしても11の映画館が入ったシアターまで車で10分ほど、というのは実に良い環境だった。夜の10時ぐらいが最終上映の開始時刻というのもありがたい。せっかく、バケツのような巨大容器に入ったポップコーンも平気で食べられるようになったのに.....。これで、米国での映画の見納めである。
- Velvet Goldmine (99.1.24)
- 渋谷で映画を観た。70年代初頭のグラム・ロック全盛期を描いて評判の映画である。
当時の再現、という意味ではとても良く作り込まれたフィルムだと思う。しかし、製作者のナイーブな思い込みが、どうにも鬱陶しい。もう少しドキュメンタリー調の演出を予想していたのだが。
さらに、映画館の音響がいまいちだったのも、この手の映画にしては痛い。最悪なのは、画面にぼかしが入る箇所で、音響にまで影響が出ていること。そこだけ、モノラルのしょぼい音になってしまうのだ。技術的に仕方ないことなのだろうが、ポルノ映画じゃないだけに、どうも納得行かない。
現実のDavid Bowieのグラム以降の活動に対して、皮肉というか非難しているかのようなところも鼻につく。実際のBowieのしたたかさは、こんな感傷的過ぎるフィルムを撮ったスタッフよりは、遙かに凄いと思うぞ、私は。
- 車の返却 (99.1.19)
- 今まで乗っていた車(会社がリースしていたNissan Maxima)を、陸送会社にドロップしてきた。何やかんや言いつつも、最後の方は、結構運転を楽しんでいたので、ちょっと寂しい。
- 梱包 (99.1.17~19)
- CDと本は自分で段ボールに詰める。荷物が向こうに到着するまでの2ヶ月間、困らない程度の衣類と、PC関係を手荷物にまとめる。残りの服とか食器は、引っ越し当日、プロの手を借りる。という方針で梱包を進めた。今回の引っ越しでは、途中で冬の日本に立ち寄り、そこから暑い新任地に行く、ということで、持っていく衣類のチョイスに悩む。一人暮らしで荷物の量は少ないのだが、どうも集中力が持続しない。ちょっと片づけるとすぐ息抜き、本を詰める前に拾い読み.......。まぁ、向こうに行って困ることがあれば、買えば良いんだし、と最後は開き直って適当に詰め込んじゃう。
- 日本へ (99.1.21)
- 挨拶周りや総務的な手続きの必要もあり、いったん日本に立ち寄る。PDXを離陸して15分ぐらいでかなりの乱気流に遭遇し、すっかりびびってしまったが、とにかくも無事、成田到着。スーツケースをそのまま宅配便で実家に送り、とりあえず都内に宿泊。
自分の意志で住む国さえ選べない、というサラリーマン生活というのは、情けない、とか、主体性無さ過ぎ、と言う気もするのですが、現実問題、会社勤めで生活の糧を得るという事を選んだ以上、与えられた機会は楽しまないと損、と考えて、次の任地に向かいたいと思う今日この頃っす。
前のIn/Out | 次のIn/Out |
In/Out一覧 | |
Index of JK-ism |