ニュージャージーにある関連会社に行って来ました。月曜から仕事のところを、土曜の夜に現地入りし、日曜はニューヨーク観光。利用したのは、ニューアーク空港。
「ニュージャージー」は州の名前で、「ニューヨーク」は州及び都市の名前。「ニューアーク」はニュージャージーにある都市の名前。これらが、みな同じ地域にあるので、なんだか紛らわしいと思うのは私だけでしょうか? 移民達が作った街だからと言って、故郷の地名に"New"を付けただけ、というのは安直のような気がします。もちろん、彼らにすれば、ものすごい思い入れを持って付けた名前ではあるのでしょうが。
- 美術館×2、そして (99.1.3)
- 日曜の朝は大雨だった。それも、当日夜のテレビニュースで報じられるほどの。そんな中、ニュージャージーにあるホテルから、シャトルバスを利用してハドソン川を渡り、マンハッタンへ。
シャトルバスからタクシーに乗り換えて、まず向かったのは、Guggenheim Museum。Frank Lloyd Wrightの設計による、白いカタツムリのような外観の美術館である。館内は、6層の螺旋状なっており、中央は巨大な吹き抜け。観客は、このらせんの中を下りながら(あるいは上りながら)作品を鑑賞するという趣向である。当日は、パリのCentre Georges Pompidouと共同の"Rendevous"と銘打たれた特別展を開催中。米仏の特徴ある外観を誇る美術館同士の提携という訳だ。
展示されている作品もさることながら、この美術館は、やはり、建物自体の魅力が素晴らしい。らせんということは、床が常に傾斜している訳で、けっこう足が疲れるし、展示できる作品の大きさが限定される、というマイナス面もある。しかし、それらを差し引いても、作品を鑑賞して回るという行為そのものが、とても楽しいのだ。真ん中が吹き抜けのらせん、ということは、壁の作品から目を転じれば、既に見終わった所や、これから見る作品が展示されている場所を見渡せるし、天井を見上げて美しいガラス模様を眺めるのも気持ちよい。ついでに、昼食を取ったMuseum Cafeもなかなか美味で、ほんと、良い美術館だった。
雨は、相変わらず強く降っていたのだが、Museum Storeで買った傘をさして、Central Parkを横断。The Dakota Apartment Houseの方へ出て、地下鉄に乗車。World Trade Centerに行ってみるが、ビルの上半分は雲の中。そのままBattery Parkへ。自由の女神は霧の中にぼんやりとシルエットが見えるだけ。
フェリーに乗るという計画は取りやめ、地下鉄を乗り継いで、MoMA(Museum of Modern Art)へ。こちらは、Jackson Pollockの特別展を開催中。展示されている作品の質・量ともに素晴らしい。が、冷たい雨の中を歩き回ったおかげで、すっかり体力を消耗しており、じっくり見て回ることができなかった。2時間半の駆け足の鑑賞。半日は腰を据えて見てみたかったように思う。好きな人なら、一日いても飽きないんじゃないだろうか。しかし、Guggenheimの存在感の方が気に入ったのも事実である。
マンハッタンを歩いていると、その巨大さに圧倒される。縦も横も、ポートランド・ダウンタウンの数十倍はありそうだ。聞こえてくる人々の話し声に、フランス語やドイツ語、恐らく東欧の言語らしき聞いたことのない言葉、などが混じっているのも、ポートランドでは出会えない風景である。
この街を背景にした、映画・小説・音楽は沢山あるのだが、雨のマンハッタンを歩いていて、まず想い出したのは、「(エメリッヒ監督版)ゴジラ」、というのが、我ながら情けない。東宝ゴジラとの造形の違いを散々非難された作品だが、これだけ巨大なマンハッタンの街並みを踏みつぶすモンスターなんて、創造しようが無かったのも分かるような気がする。というか、雨に煙るビルの谷間を巨大な爬虫類型モンスターが徘徊するっていうのは、凄く魅力的な構図だと実感したのである。雨の日曜で人通りが少なかったせいもあって、ビルの谷間に巣くうモンスターをリアルにさえ感じてしまったのである。
- お上りさんは登る。 (99.1.5)
- 丸二日間の予定の仕事を一日半で片づけて(大目に見てもらった、という説もある)、火曜日の午後もフリーに。快晴になったものの、気温が下がり、昼間でも20度を切っていたようだ。ということは、摂氏で言えばマイナス10度近く.....。そんな寒さの中、ニュージャージーからハドソン川をフェリーで渡り、マンハッタンへ。
フェリーを降りて、バスに乗り換え、向かうはWorld Trade Center。お上りさんとしては、やはり、高いビルの一つにも登っておかなくてはなるまい。さすがに、420mの高さを誇るビルからの眺望は見事だ。「おぉ、これがBrooklyn Bridgeだ」「あぁ、あれがEmpire State Buildingだ」、「今日はStatue of Libertyがよく見えるぜ」と、ひとしきり展望フロアを回った後は、さらに屋上へ上がり、お上りさんとして、ニューヨークの頂点を極める。
本当は、アメリカの現代美術に特化したWhitney Museum of American Artに行きたかったのだが、火曜日は休館。美術館と言えば、もう一つ、Metropolitan Museum of Artもあるが、こちらはあまりにも巨大過ぎて、ちょっと敬遠。どうせ今から行っても、消化不良になるのが明白だし。
結局、Virgin Megastoreを冷やかしたり、Times Squareだの5番街だのをぶらぶらして、目に付いた食堂で夕食を取って、ホテルに戻る。オフィスから直行してきたので、荷物が結構あったのと、寒さのため、夜の観光は無し。もっとも、日頃、テレビの無いアパートで暮らしていると、ホテルでテレビが見られるのが嬉しいかったりもする。懐かしのStar Trekを見て、なぜか1時間ドラマになっているHighlanderを見て、さらに懐かしのTwilight Zoneも見て、.....。
結局、巨大なニューヨークのごく一部しか体験することはできなかったが、街中に溢れる、ポジティブなエネルギーは、ポートランドはもちろん、東京でも味わうことのできない質と量だった。いつか、マンハッタンに長期滞在して、美術館巡りに、ライブ・スポット巡り、街をぶらつき、郊外にも足を延ばす、という機会があることを切に願う。
- 運送屋下見 (99.1.7)
- 運送屋に下見に来たもらった。次の任地での住居は家具付きの物件が主流ということなので、運ぶのは衣類とCDが中心。距離があるので、二ヶ月程度かかるという。税関での時間も日本よりかかるかもしれないとのこと。
ベッドやラブ・シートなどの大物家具のいくつかは、近所に住んでいる元部下が引き取ってくれることになっている。ついでに、そっちも運んでくれるよう手配したが、かなりの量になるので、サービスの範囲を超えてしまい、追加料金が必要とのこと。
- 手配諸々 (99.1.8)
- 更新を依頼していたパスポートと、日本への航空券を、それぞれ、総領事館、旅行代理店まで取りに行って来た。さらに、引っ越し当日のポートランドでのホテルをウェブから予約。
マサチューセッツ州出身の開拓者が故郷の「ボストン」を、メイン州出身の開拓者が、やはり故郷の「ポートランド」をそれぞれ主張し、コインを投げて決まったのが、オレゴン州ポートランドの名前の由来だそうです。"New"を付けるという工夫すらされなかったこの街での暮らしも、あと2週間を切ってしまいました。
前のIn/Out | 次のIn/Out |
In/Out一覧 | |
Top page of JK-ism |