IN/OUT1998/12/26


最後の秋の日、この時期にしては珍しく快晴の日曜日。凛とした冷気の中、車を走らせていると、この地にあと一ヶ月しかいられない事が、なんとももったいなく思えてきます。

開けて月曜日。雪。気温が低いせいか、さらさらの粉雪。積雪が増える前に、早々と仕事を切り上げて帰ることにしました。丘の上のアパートに帰る道では、目の前の車がずるずると横滑りしていて、大事をとって見よう見まねで装着したチェーンのありがたみを実感。無事、たどり着いたアパートの窓から見下ろすと、運転をあきらめたらしい車が、坂の途中の路肩に何台も乗り捨てられています。早めに帰ったことを自分の中で正当化しつつ、日本でお土産にもらった、池波正太郎と町田康を読了。最初の冬の日にふさわしい1日だったような気がします。


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絵を買う  (98.12.23)
会社の会議室にかかっていた水彩画を購入した。

ポートランド・ダウンタウンの風景を描いた水彩画である。一応、鑑定士に値段を付けてもらい、その半額ぐらいで購入者を探していたのだが結局見つからなかった。工場完全閉鎖まであとわずかとなった現時点では、大幅値下げもやむなし、ということになり、それならば、と自分が手を挙げてしまったという次第である。100%自分の好みかと言われると、そうでもないのだが、ポートランドの良い思い出になりそうだし、お買い得だったので、OKだろう。

会議室に飾られていた時には、小さい絵、だと思っていたのだが、いざアパートに持ち帰ってみると、でかい。引っ越し目前に、ずいぶんな荷物を増やしたものだと、ちょっと苦笑。



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Christmas Eve / 籠城  (98.12.24)
「アメリカのクリスマスの様子は?」と言うメールをかなりいただいたので、ネタにあげてみたけれど、あくまでも、日本人の勘違い的クリスマス雰囲気から言えば"Out"かな、という程度で、特に感慨などがあるという訳じゃないです。

12月24日、午前中は雪。午後からは風雨が強くなる。天気予報では、Frozen Rainと言っていたので、すでに昨日までに食料を買い込み、アパートからは一歩も出ないクリスマス・イブとなった。

Frozen Rainというのは、上空の気温がそれほど低くないため、雪ではなく雨が降ってくるのだが、地表付近の気温が思いっきり低く、落ちてきた水が一瞬のうちに凍るというものらしい。道路も車も、あっという間に氷に覆われてしまい、運転は不可能に近いと言う。幸い、この日は、そこまで酷い状況にはならなかったが、この風雨でかつ最高気温が氷点下という状況で、丘の上のアパートから外出するのには、かなり勇気がいる。本当は、丘のふもとにある教会を覗きに行こうかと思っていたのだが、それもあきらめる。作り置きのカレーと冷凍のフライド・ポテト、McIntosh(安くて、まぁまぁ美味しい林檎の品種。apple社のコンピュータの名前の元になったと聞いたことがあるが、スペルがちょっと違うのはなぜだろう?)では、クリスマス・ディナーという雰囲気でもない。

もっとも、クリスマス、と言って、皆が妙に浮かれているのは日本の方だと思う。以前にも書いたように、一般家庭までが綺麗なイルミネーションで飾り付けをする街並みは確かに美しいし、ホリデーシーズンのお買い物熱は大変なものだ。でも、それだけ。

親しい人にカードやギフトを贈る。当日は、(恋人同士ではなく)家族とともに教会へ行き、家で夕食を食べ、子供達にプレゼント。ロマンチックだの恋人達だのというキーワードはここでは登場しない。家族愛とか感謝、というのがキーワードになるのではないだろうか。

ということで、単身で暮らしている日本人出向者には、何も無いんだな、これが。24日の午後から25日にかけては、ほとんどの店が休み。やや気温が上がった25日には、ちょこっと外出したけど、街中が静まり返っている。ということで、最初で最後の米国でのクリスマスは、家でカレー食って、いつも通り、ウェブをぶらぶら徘徊して、矢野さんとKate Bush嬢のCD聴いて、....な、訳だ。Kate Bush Boxに入っている「KATE BUSH VOL.1」は12月向きのCDだなぁとか、「YOHJI YAMAMOTO COLLECTION MUSIC THE SHOW Vol.3」は良いアンソロジーだなぁとか......。とにかく、親戚やら家族が集まらない人にとっては、単に退屈なだけの二日間なのである。



moving付録 : 今週のお引越し

新聞購読停止
来月になると出張が重なるので、今月一杯で新聞の配達を止めてもらおう思い、電話した。ヴォイスメールにその旨伝言したつもりだったのだが、速攻で、配達が停止してしまった。普段はコミックスしか読んでいなかったので大きな問題は無いが、金曜日の"A&E"が読めないのは痛い。ぴあのような情報誌が存在しないこの地域では、毎週金曜日のAmusement & Entertainmentに関する別冊が、映画・演劇・音楽・レストランなどに関する貴重な情報源なのだ。


運送屋との交渉
運送屋の下見を12月24日に予定していたのだが、雪のため中止。来年に持ち越しになる。

この不況のせいか、ポートランドを離れる日本人が多いとのことで、荷物の搬出日は、こちらの希望通りにはいかず。その分、一日長くいられることになり、結果的には嬉しい。


航空券手配  (98.12.22)
こちらから、日本本社へ引っ越し日程やルートのお伺いを立てても、全く返事が届かないので、勝手にどんどん進めさせてもらう。後から文句言われても知らんからね。

PDX → NRT、羽田 → 伊丹の国内線、KIX →次の任地への航空券を手配しようとしたが、経路が連続していないため、米国で全て発券しようとすると割高になるとのこと。とりあえず、PDX → NRTのみ、予約を入れておく。日本発の航空券の手配については、通常、関連会社にお願いすることになるのだが、こちらと日本とのカレンダーのずれのため、来年にせざるを得ない。


ホテル手配  (98.12.24)
日本立ち寄り時のホテルをウェブから予約する。これも関連会社に頼んでも良かったのだが、単純なルートでは選択肢が少ない航空券と違って、あちこちのサイトを廻ってのホテル探しは楽しいから自分でやっちゃう。

条件としては、成田からリムジンバスで直に行けること。荷物が多そうなので、電車での移動は避けたいのだが、その条件にした時点で、高いホテルしか無くなってしまう。見当を付けたホテルは、本館と新館で、部屋の広さがかなり違って、値段も倍近く違ったのだが、前回、渋谷で泊まったホテルの貧乏くささに辟易したので、高い方にしてしまう。太っ腹なのかお馬鹿なのか。


アパート管理人に引っ越し日連絡  (98.12.26)
1月20日に退去する、と言いに行くが、一枚、紙を書くだけで簡単なものである。入居時に支払ったSecurity Depositの返金は日本に小切手送るからと、あっさり言っていたけど、大丈夫かなぁ。



12月21日から冬、というのが、全米での決まり事。春は、3月18日から。カレンダーにそう書かれていて、皆、それに従います。

日本では「暦の上ではもう××ですが、まだまだ○○い日が続いています」というのが、季節の変わり目の常套句になっていますが、米国ではもっと単純に日付だけで季節を割り切っているようです。これだけ広い国土で、無理に季節を統一する必要も無いように思うのですが、季節の移ろいに、あまり思い入れが無いということなのでしょう。


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