IN/OUT1998/12/19


ということで、矢野顕子さんのコンサートとオフ会から帰ってきました。この辺の話題は「やのコレ」に詳しく書くとして、心残りだったのは、パンフレットに載った自分の名前が誤植されてたこと。一部の公演で、矢野さんがMCの中で「やのコレ」に言及されたということだったのに、私が行ったNHKホールではそれが聞けなかったこと。そして、オフ会の幹事を自分でやらなかったところに、40人もの参加者に集まってもらったため、「広く浅く」という感じになってしまい、ちょっと食い足りなかったこと、でしょうか。どれも、贅沢な話しではありますが。

今回の、米国からの海外旅行、で一番驚いたのは、出国の容易さです。航空会社のチェックインカウンターでパスポートを見せる以外は、特別な手続きは何も無し。出国審査なんて無いし、搭乗ゲートも国内便と同じです。ポートランド国際空港(PDX)の入国審査は厳しく、数日間の出張だからとVISAを取らずに来て追い返された出張者や、滞在先の住所があやふやだったために、ゲートの外で待っている遠距離恋愛の彼氏に会うことも許されず強制送還された女子学生等の、悲惨な話はよく聞くのですが。去る者は追わずってことなのでしょうか?


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対照的二本立て  (98.12.14)
日本滞在最終日は、映画館のハシゴである。

CUBE
まずは、六本木で「CUBE」を観る。ポートランドでも上映していたのだが、あまり話題になることもなく、あっというまに終了してしまい、観そびれていたのだ。

様々な罠が仕掛けられた、連続する立方体空間に閉じ込められた人々が、脱出を試みる、というこの映画、SF/ゲーム的/不条理、といったキーワードで語るよりは、低予算 but アイディア一発、という点で評価したい。一歩間違えると、いかにも頭でっかちな自主制作映画っぽい雰囲気になってしまいそうな着想だが、(万人向けとは言えないものの)きちんと商業映画として成立させた映像化の手腕に感心した。謎解き部分が数学的説明に終始する点や、ラストがいかにも「この世界観は現実社会の暗喩でござい」という雰囲気になってしまう点は、ちょっと物足りないし、人間不信と絶望感だけが残るというのも辛いものがあるが、ハリウッド娯楽映画から受けるのとは全く異質の興奮を覚える作品だった。

ムトゥ 踊るマハラジャ
続いて、銀座に行って、話題のインド映画を観る。

「こんな世界があったのか」と、日本の善男善女に衝撃を与えて大ヒット、という噂通り、平日でも館内は満員である。以前、インド航空機内で、インド映画 & インドMTVの集中砲火を浴び、耳から脳味噌が漏れるんじゃないかと思うほどの脱力的衝撃を受けた私には、十分、予想の範囲内の映画だったが、やはり、そのパワーは圧倒的だ。ただでさえ強引なストーリー展開に加え、時空を超えて突如として繰り広げられる歌と踊り、くどいまでのサービス精神。はまってしまえば、なんとも幸福な3時間が約束されること間違いなし。こちらのキーワードはインド的)豪華予算 and お約束てんこ盛りと言ったところか。

もっとも、これは、ごくたまに、一本だけ観るから楽しめるのだろう。インドの本当の凄さは、「ムトゥ」が特別な作品なのではなく、この手の映画が何千本と作られ続けている、ということだ。そのマンネリ具合は吉本新喜劇どころの騒ぎではない。こういうのを続けて観るのは、はっきり言って苦行となるのだ。あのインド航空機内のように。



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救援物質届く.....が  (98.12.17)
日本の労働組合から、海外で年越しを迎える人への救援(?)物資が届いた。醤油・鏡もち・切り餅・甘栗・赤飯・おかゆ・お茶漬け海苔・ようかん・漬物・海苔・味噌・つぶあん・うどん・雑誌4冊。

今、ここに残っている日本人は、あと一ヵ月以内に米国を離れる一人暮し者が二名。ちょっと持て余す量である。醤油や餅あたりは、現地従業員が引き取ってくれたが残りの物を消費するのには苦労しそうである。

さらに残念なのは、雑誌の内容。「AERA」はともかく、「少年マガジン」「週刊文春」「週刊ポスト」は、日本にいるときも読んだことが無かったからなぁ。どうせなら、女性従業員もしくは配偶者がいる地域に配られるという「すてきな奥さん」「オレンジペーパー」の方が面白そうだったと思うのだが.....。

日本より多少割高でも、こういう物は全て日本人向けのスーパーで入手可能な地域に住んでいるのだから、どうせ配るのなら、各地域のリクエストを取ってから、なんて思うのは不遜なのだ。きっと。とにかくも、日本側に忘れ去られることもなく、心遣いしていただいたのだから、時代錯誤的習慣等と斜に構えず、素直に感謝すべきなのだ。多分。こういうのをOUT扱いしてると罰が当たるのである...........あ、「女性自身」ってのも、たまに読むには面白かったかも........



moving付録 : 今週のお引越し

総領事館へ  (98.12.18)
次の任地でVISAを取得するために必要な、在留証明をもらいに行ってきた。ついでに、来年3月で期限が切れるパスポートの更新も依頼した。総領事といっても、オフィスビルの27階に入っている事務所のようなものだが、どうもお役所の雰囲気が居心地悪いのは、洋の東西を問わない。

在留証明は10ドルの手数料ですぐに発行してもらえたが、パスポートは年明けになってしまうとのこと。せっかく、こっちで更新するのだから、米国人風に"big smile"を浮かべた写真を用意しようと思っていたのだが、結局、寝不足の時にインスタント写真を撮ったため、なんだか情けない顔になってしまった。これが10年有効、と思うと、結構後悔する。



日本では、MDやらCDやら本やらと、ソフト系のお土産を随分もらったので、当分、色々と楽しめそうです。最初に開けたのは、フジテレビで放映している「剣客商売」のビデオですが、...........。こういうのは、小説と映像化作品は別物、として評価すべきだとは分かっているのですが、小兵衛が大きすぎるっ! 大治郎が小さすぎるっ! と思っている人は私だけじゃ無いはずだ、と憤慨する今日この頃です。


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