免許取立ての頃には余裕がなかったのですが、最近では運転中にFMラジオをつけるようになりました。アパートでも、テレビが無いせいもあり、食事時などにはFMを聞いています。米国のFM局は数が多く、それぞれが専門化しているのですが、車では、最新ポップスのヒット曲中心の局を、アパートではクラシック・ロックの専門局を聞いていることが多い、というか、面倒くさいので、チューナーを合わせたきりにしてあります。
ヒット曲中心の局では、同じ曲が何度も繰り返しオンエアされるので、すっかりメロディーが耳についてしまうのですが、曲名やミュージシャン名を言わないことが多いのが困ってしまいます。まぁ、困らなくても良いのですが、ミュージシャン名が分からないとどうも落ち着かないのです。で、毎週、CD屋に通っては、試聴コーナーで確認作業をすることになります。
クラシック・ロック、つまりは、80年代以前のロックばかりをかけている局では、さすがにミュージシャン名の分かる曲が多く、安心感があります。ピンク・フロイドやEL&Pの10分以上ある長い曲がちゃんとオンエアされるのは嬉しいものがあります。
日本でもFM放送の多局化は進んできていますが、スポンサー収入を考えてか、まんべんなくヒット曲をかけるところばかり、と言うのは、ちょっと寂しい気がします。
- The Eel (98.11.14)
- 今村昌平監督の「うなぎ」が当地で公開されている。今村監督の映画は、その重さが苦手で、カンヌでグランプリのこの作品、日本公開時には観ていなかったのだが、映画そのものより、どういう人が観に来て、どういう反応を示すかに興味があり、出かけてみることにした。
前日のOregonian紙に1ページにわたる紹介記事が出ていたせいもあってか、160人ほど収容の館内は満席になっている。観客の年齢層がやや高いと感じたものの、日本人の観客は私の他に一人いたぐらいだった。上映は英語の字幕付きで行われるのだが、当然、かなり簡略化したした翻訳であり、果たして観客にちゃんと台詞のニュアンスが伝わっているのか不安になる。お寺でお経をあげるシーンなども、その意味合いが理解されているのか心配になる。しかし、そこここで笑いも起こり、客席のリアクションはかなり好意的であったように感じた。ただ、日本人には、おかしくも何とも無いシーンで、笑いが起こることが何度か有ったのは、どうも解せない。恐らく、日本の映画館でハリウッド映画を観る米国人も、このような感想を持つのだろう。
映画そのものは、心配した「重さ」をあまり感じさせない淡々とした展開で、しみじみと良いものであった。主役の二人をはじめ、脇役陣も好演技。一般社会の平均から言えば、決して「普通」とは言えない人物ばかりを登場させながら、普遍的と言える人の心の動きを、さりげない笑いを交えながら寓話的に描いていく手腕に、監督の老練さが伺える。ただ、あと数秒、短く切れば、と思える場面が多々あり、映画のテンポ、という点では、やや自分には馴染まないものを感じた。あるいは、この非ハリウッド的なテンポが、かえって、海外で評価されるポイントの一つなのかもしれない。
- でん子ちゃんに怒られそうな日々
- 台所の調理台は、ガスではなく、電熱式である。意外に熱量があり、スイッチを入れてから熱くなるまでにやや時間がかかるものの、炒め物なども問題無くできる。低熱での煮込み、となると、ガスよりも優れているかもしれない。しかし、問題は、スイッチを切り忘れがちなことである。「炎」が無いため、つい、見落としてしまうのだ。
もっとも、調理台には小さいながらパイロットランプがついているので、ずっとつけっぱなしにする、ということは、ほとんど無い。もっと問題なのは暖房である。
アパートで一般的な暖房は、壁に埋め込まれたヒーターだ。これは、音も出ないし、空気も汚れないので、快適ではある。しかし、運転しているかどうか、ぱっと見では絶対に分からない。壁にスイッチを兼ねた温度調整用のつまみがあるのだが、遠くからつまみの状況を視認することが困難なデザインである上に、パイロットランプもついていない。タイマーの類も無い。暖房の効き具合からみて、かなりの電力を消費しているはずなのだが、これでは、スイッチを切り忘れるな、と言っても、難しいのである。
電気代が圧倒的に安いお国柄だけに、「スイッチの切り忘れを防止するデザイン」というものを製造メーカーが意識していないのかもしれないが、貧乏性な日本からの赴任者にすれば、仕事から帰ってきて、暖房をつけっぱなしにした暖かい部屋だったりすると、すごい罪悪感を感じてしまうのである。
「うなぎ」の冒頭、新宿の街並みやオフィスの様子、満員電車などが映し出された時、すっかり違和感を感じてしまいました。同じ肌の色や髪の色をした人が密集している様子に、アジアを強烈に感じたのです。滞米7ヶ月で、すっかりかぶれた、嫌味な野郎になってしまったという気もしますが、背広を着た日本人の集団って、不気味だと痛感してしまいました。
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