IN/OUT1998/10/24


通勤途中の道が工事中で、迂回路を通される日が続いています。これが、二ヶ月ほど前の免許取立ての頃なら、もっとパニックになっていただろうな、と思いながら、道端で工事している人に冷や冷やしつつハンドルを握る毎日です。

かなり大掛かりな工事で、今まで使っていた細い道を潰して、新しい道を作っているので、完成後は便利になるのでしょうが、心配なことが一つ。道路沿いにある「Kaddie's Kafe」にアクセスできなくなることです。

中国人の家族がやっている、サンドイッチなどの軽食を出すこの店は、職場からも自宅からも近く、土曜の昼食などに重宝しているのです。店自体は、小さく、バラック小屋のような見栄えのしない建物なのですが、接客をする母娘がとても感じがよいし、サンドイッチも美味しい。それが、工事のせいで、ふだん使っている道からは行けなくなってしまっているのです。ファストフード店以外で、一人で気軽に行ける貴重な店なだけに、工事の進捗状況が気にかかる今日この頃です。


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番屋  (98.10.20)
Beavertonにある日本料理屋。居酒屋メニューが豊富で味もかなり良い。値段も比較的安い。惜しむらくは、鮨がひどいのだが、ま、これは「日本料理屋」に来る当地の人々がスシが無いと納得しないから置いてあるだけだ、と割り引いて考えてあげるべきだろう。

同席した米国人二人は、どちらも居酒屋メニューを喜んで食べてくれた。特に親日家と言う訳でもない普通の白人なので、「はまちの"かま"」あたりはさすがに無理かと心配したのだが、まったく問題無し。何でも美味しそうに食べてくれる人との食事は楽しい。会話もそれに応じて盛り上がるし。

一番好きな料理はインド料理だという一人に、その訳を尋ねると、
「10億人ものインド人が毎日おいしく食べているものだから、不味いわけが無い」
なるほど、多数決の論理ね。なんとなく説得力はある。


Jake's Famous Crawfish再訪  (98.10.22)
ダウンタウンのシーフード料理店。ポートランドに着いてすぐの頃に一度行って、その時も「IN」に書いた店である。前回は日本人二人で行ったのだが、今回は米国人と一緒。やはり、当地の人と一緒のほうが、メニューを選ぶときなど、心強い。それにしても今週は米国人の客人と食事に行ってばかりの週であった。

前回も感じたのだが、ウェイターの自信に満ちた陽気な接客というのは気持ちが良い。味も中々で、コストパフォーマンスはかなり高い。

前回は、ダウンタウンのホテルに宿泊していたので問題無かったのだが、今回はダウンタウンまで車で行かなければならない。夜の運転は苦手だし、なによりもワインが飲めないな、と残念に思っていたのだが、同席する部下が車で送ってくれると言ってきてくれた。ちょっと、カッコ悪いような気もするが、ありがたく申し出を受けた。おかげで、Pinot Noirも堪能でき、満足である。


ハードもいかれるほどのヘビーローテーション?
テレビが無い生活を送っていると必然的に、CDを聴きながらネットサーフィンという時間が長くなるのだが、やはり専用にできていないせいか、IBM製ノートPC用外付けCD-ROMドライブが不調になってしまった。やむなくDiscmanを新規購入。まもなく引越しを控えているので、大きなオーディオセットを買うのは面倒だし、CDラジカセ(当地では"boom box"と言う)より、Discman + 小型スピーカーの方がレイアウトも自由になり「ながら」には適しているように思う。

で、このところのヘビーローテーションはKate Bush嬢である。BOXセットのCDを端から繰り返し聴いている。リアルタイムで熱心に聴いていたのは3枚目のアルバムまでで、4枚目の「THE DREAMING」以降、新作が出れば買うけど、それほど聴きこむということが無くなっていた。しかし、改めて聴き返してみると、当時はついていけなかった「THE DREAMING」の凄さに驚いてしまう。このアルバム製作時、Kate嬢が精神に変調をきたしたという噂がまことしやかにささやかれたものだが、そういうデマが流されるほど、このアルバムにおける完成度の追求には鬼気迫るものがある。うーむ、このカッコ良さに気づかなかったとは、当時の私は若かったのだなぁ。



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ANTZ  (98.10.18)
あのドリームワークスの新作映画。出演者が、Woody Allen、Sharon Stone、Gene Hackman、Sylvester Stallone、Christopher Walken、Danny Glover、Dan Aykroyd、Anne Bancroftと、豪華絢爛、まさに、綺羅、星のごとき一流スターの皆さん全員集合である。ただし、全て「声の出演」。つまり、アニメ映画である。

題名の通り、"Z"という名前の蟻が主役の物語である。昆虫の擬人化が中々巧みなのには感心した。往々にして4本に省略される手足も6本に描かれているし、アリマキとの共生関係などの取り入れ方も工夫されている。CGをふんだんに用いたと思われる映像も見事なものだ。やたらと饒舌で、小心者なんだけど知らないうちにヒーローになってしまう"Z"の性格設定はまさにWoody Allenにぴったり。気の強いプリンセスを演じるSharon Stone、悪役のGene Hackman、肉体派のSylvester Stallone。実に適役ばかり。アニメでなくて、全員に蟻のかぶりものを付けて演じてもらいたいほど。

とは言っても、ストーリーがいささか単純すぎるのは、米国アニメの限界か。そして何と言っても、私は昆虫、特に蟻が苦手なのである。気持ち悪いのである。巧みな擬人化というのはつまり、蟻のリアルなイメージが生きているということで、これでは、声優がどんなに豪華でも、たとえストーリーがもっと感動的であったとしても、もう、駄目駄目なのである。



車に乗っていると、やたらとあちこちで道路工事を行っているような印象があります。とにかく、車での移動が生活の生命線とも言える土地柄なので、絶え間無い改修とアップグレードが必要なのでしょう。

日本だと、道路工事というと、地面を掘り返したり、舗装を新しくしたり、という程度が普通だと思うのですが、土地がふんだんにある当地では、「道路を新設」というダイナミックな工事もよく行われます。朝通ってきた道が帰りには無くなっていることも、珍しくは無いそうです。この季節、会社帰りは、もう暗くなっています。通りなれた道が、いきなり目の前で途切れている.....。自分の身に降りかかると、怖そうですね、これは。


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