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今年は早くから暑いと騒いでいたら、急に涼しい日が続き、油断のならない今日この頃です。
最近のIN
カンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞したイラン・フランス・ルクセンブルク合作の映画を観てきた。邦題は「シンプル・アクシデント 偶然」
舞台は現代のテヘラン。主人公は、かつて、政治犯として不当に投獄され、看守から残忍な拷問を受けたことがある。目隠しをされていたので、覚えているのは看守の名前と義足の足音だけ。そんな彼が、ある日、偶然、同じ足音の持ち主を見つける。復讐のため、その義足の男を拉致し、砂漠に生き埋めにしようとするのだが、命乞いする男は、自分は看守ではない、人違いだと主張する。確信を持てなくなった主人公は、他に不当に投獄された経験がある人に、彼が看守本人であるか、確認しようとするのだが…。という、かなりハードな話。
イランの強権体制に人権を蹂躙された人々に刻まれたトラウマと、その理不尽さ。そして、復讐の連鎖の正当性への煩悶。日本に住んでいる私には重すぎてリアルには捉えきれないテーマだが、イランで弾圧にあいながらも、作品を通じてこれらを訴えるJafar Panahi監督の覚悟は、ビシビシ伝わってくる。
テーマは重いが、語り口はかなり独特。捕らえた男が本当に看守なのか、癖の強い元被害者たちが集まり、右往左往する姿は、スラップスティック・コメディの様相すら見せる。
そして、見る人によって、解釈の分かれそうなラストは、私には、終わりのない地獄を突きつけられたような怖さを感じさせる。
正直、諸手をあげて傑作と言うほどには、私には刺さらないところも多い作品だったが、まさに今、観るべき映画だろう。
ヴァイオリン協奏曲「四季」でお馴染み、Antonio Vivaldiと、その愛弟子を描いた映画を観てきた。原題の”Peimavera”は「春」のこと(劇中では、「四季」は、構想中であることを思わせる描写はあるが、まだ完成していない)。邦題は「ヴィヴァルディと私」。
舞台は18世紀のヴェネツィア。孤児を養育するための慈善機関「ピエタ院」。ここで育つ子供のうち、才能のある女子は、付属の音楽院「合奏・合唱の娘たち」の団員となる。彼女らのコンサート収入が、院の運営を支えているのだ。しかし、ライバルの音楽院に人気(と寄附金)を奪われつつある。そんな中、ヴァイオリン教師として採用されたのが、Vivaldi。
一方、主人公の女性は、「合奏・合唱の娘たち」の一員のヴァイオリン奏者。自分を捨てた母親の事をいつまでも気に病んでいる内気な女性だ。軍人との婚約がまとまっていて、彼が戦地から帰ってくれば、直ちに結婚することが決まっている。そうなれば、ピエタ院を出て、音楽を諦めることになる(そして、ピエタ院は、その軍人から多額の寄附金を得る約束)。その運命を当然のこととして受け容れていた彼女だが、Vivaldiにヴァイオリンの才能を見いだされ、音楽への情熱をかき立てられていき、強い女性に変貌していく。
これで、舞台が現代なら、師匠と弟子が夢を叶えるサクセス・ストーリーになりそうなところ、そんな単純には行かない。Vivaldiは、その才能で「合奏・合唱の娘たち」の人気を高めることに成功するが、薄給でこき使われ続けるし、主人公の女性が音楽の道を選ぼうとするのは、自らに苛酷な犠牲を強いることになる。これが、当時の"リアル"だというのは理解できるが、キツい展開だ。オチの付け方も、ほろ苦い。
ただ、主人公とVivaldiが、師匠と弟子というより(もちろん、恋愛対象でもなく)、音楽的才能でリスペクトし合うバディのような関係になるところは、アツい。個人的には、ここをもう少し膨らませて、エンタメ要素を強めてくれても良かったような気がする。
毎年、楽しみにしている、東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)の建物公開。美術品の展示は無く、建物そのものを見せるという企画だ。今年のテーマは「アニマルズ」。
一階の展示室、いきなり、床にペンギンの足跡が!これを辿っていくと…
私の大好きな「三羽揃いのペリカン」(本当はペンギン)像。建物公開でアニマルと言えば、やはり、これだろう。今回は、キーヴィジュアルにも全面的に採用されていて、嬉しい。
大客室の壁には、お金持ちのお部屋の定番「トナカイ」の剥製。
建物公開では、家具・調度品が、使用時のイメージで配置されている。大食堂のテーブルも、セッティングされた状態で展示されていたが、陶器製のウズラの置物を、卵付きで配置する遊び心が楽しい。
朝香宮邸では、白孔雀や鶴、犬、ウサギなどが飼われていたという。当時のフィルムの上映も少しあったのだが、「アニマルズ」と銘打つには、やや、動物成分は少なめか。
その分、新館の方には、フランスの彫刻家、François Pomponの「シロクマ」などの彫刻や、
René Laliqueの「常夜灯『二羽の孔雀』」などのガラス器が展示されている。
どちらも、1920年頃の作品なので、1933年竣工の朝香宮邸と時代的にはピッタリではある(Laliqueの作品は東京都庭園美術館の収蔵品だが、Pomponの作品は群馬県立館林美術館の収蔵品)。
ということで、動物的には若干の物足りなさはあったが、建物自体を愛でるという異色の、しかし、とても心地良い展覧会を、今年も満喫。
もう、気候のことで一喜一憂するのは止めたいと思うものの、現実問題、服や寝具の入れ替え時期には悩まざるを得ない。昔は、6月1日と10月1日で衣替えを行っていたはずですが、あの頃は、それで不自由しなかったのか、記憶が曖昧…
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