かつては滅多に無かった37度超えが当たり前の日々が続いてます。そんな中、自宅近くでは、白昼、八幡神社の神輿が担がれてましたが、流石に辛そう。神事といえども、時期や時間をずらすことが必要かも、と思ってしまう、今日この頃です。
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入国審査での尋問を描くスペイン映画を観てきた。邦題は「入国審査」。
移民ビザを取得したスペイン国籍とベネズエラ国籍の事実婚カップルが、米国の空港に到着し、入国審査を受ける。当たり前の国際空港での光景だが、何故か二人は別室に連れて行かれる。そして、理不尽な、しかし、後になると、そこに込めれられた真の意図に気づいてぞっとする質問責めに逢う。果たして二人は入国できるのか? その一点に絞った77分間。
あまりにも非人間的で高圧的な入国審査官の態度に怒りも覚えるが、同時に、主人公カップルの個人的事情が明らかになるにつれ、この二人もまた、信頼できない語り手かも、と思えてくる展開が、秀逸。というか、終始、胃が痛い…
それにしても、不法移民を食い止めるという大儀のためとはいえ、他国から来た一般人をここまで追いつめる入国審査官が、つくづく怖い。これが、トランプ政権下、さらに強化されているのだと考えると、心底、ぞっとする…
17日間で撮り終えたという低予算作品だが、その分、一発アイディアに賭ける勢いに溢れている。オチの切れ味鋭さも見事。ただ、主人公二人の今後が、お節介ながら、心配になるな…
MCUの新作(この作品から、フェーズ6に突入)を観てきた。今回は、原点回帰。Marvelの最初期のスーパーヒーロー・チームを実写化。
1960年代、日本では「宇宙忍者ゴームズ」として放送されていた作品だ。今から思えば、かなり子供だましのテレビ漫画だったが、果たして、どのようにアップデートされているのか?
製作陣も、あの原作をそのまま現代に舞台を移すのは無理があると考えたのか、設定は1965年。それも、マルチバースの別の地球での出来事という事になっている。レトロ・フューチャーな雰囲気で映画化したのは、好判断だろう。しかも、マルチバースということで、将来の”The Avengers”への参戦も視野に入れているところも巧みだ。
一方、キャスティングは微妙かも。The ThingはCGだから問題外として、Human TorchのJoseph Quinnはイメージ通り。しかし、Mister FantasticのPedro Pascalは、かなり辛気くさく、Invisible WomanのVanessa Kirbyは、個性的な顔立ちだけに、”Mission: Impossible”のThe White Widowの印象が強く、どうしても裏で悪巧みをしているのでは… という気になってしまう。
家族愛を前面に出した物語も、テンポが悪く、あまり私の好みではない。というか、この4人に世界中が従う設定は、相当、無理がある。
と言うわけで、全体的には悪くはないのだが、不満も多い映画だった。ただ、The Thingの決め台詞 "It's clobberin' time"が、お約束ネタとして使われているのが楽しい。出来れば、字幕には「ムッシュムラムラ」と表記してもらいたかった(まぁ、それをやっちゃうと、Human Torchとの掛け合いの意味が無くなるし、そもそも、若い人には訳が分からないとは思うが…)
明るく社交的と言われたPierre-Auguste Renoirと、人付き合いを好まなかったPaul Cézanne。印象派/ポスト印象派の二大巨匠に同時にフォーカスするという展覧会を観に、三菱一号館美術館に行ってきた。パリのMusée de l'Orangerieが企画し、Musée d'Orsayの協力を得て世界巡回する展覧会の日本会場である。
同じ題材を描いた二人の作品が並んで展示されていると、それぞれの個性が良く分かる。 (以下、2つ並んだ絵は、左がCézanne、右がRenoir)
Cézanneといえば「リンゴ」。Renoirの描く果物と並べるというのは、新鮮な見せ方だと思う。
  Cézanneは、自分の妻を描いても、どこまでも分析的で理知的な雰囲気だ。モデルになった人物からしたら、Renoirの描く華やかさが嬉しいだろうなぁと思う。が、Cézanneの絵が持つ独特の緊張感が、やはり凄いと思ってしまう。
画風は対照的だが、同時代を生きた二人は、互いの才能を認め合い、親交が深かったというのも興味深い。
と思いつつ鑑賞していて、足下をすくわれた感じがしたのが、この絵。Renoirの作品だが、かなりCézanne寄りの画風だと思う。やはり、影響も与え合っていたのだろう。
最後に、2人の作品と、それぞれに影響を受けたと思われるPablo Picassoの作品2点を組み合わせた展示があり、この2人が後世に残した影響の大きさを示す見せ方も印象的。
日本でも人気の二大作家の組み合わせということで、かなりの混み具合だったが、観る価値大の、とても興味深い展覧会だ。
あと一週間ぐらいがピークのはずと思う一方、その一週間が長い……、 |