長時間のライヴや映画鑑賞の前に、大福や餅を食べると、途中でトイレに行きたくなることを防げる。というライフハックがあります。さらに、そこから発展し、飴という名前ながら、実は餅米で出来ている「ボンタンアメ」が、大福よりも手軽に携帯できて、便利という話も。
英国の国民的人気キャラクター、Paddington Bearの実写化映画を観てきた。邦題は「パディントン 消えた黄金郷の秘密」。
実写化作品は、これがシリーズ3作目だが、前2作は未見だ。しかし、お子様映画と切り捨てるには、やたらと評判が良い。また、最近では癖ありの役ばかり演じるようになった感のあるHugh Grantが、前作に続いて悪役で出ているという情報も有り、観てみることにした。
紛うことなき、お子様映画だった。Paddingtonと、彼がロンドンで世話になっているBrown一家が、Paddingtonの叔母さんに会うため、ペルーのジャングルの中にある「老クマホーム(the Home for Retired Bears)」へ向かう。そこで、騒動に巻き込まれ、何度も(冷静に考えたら、命に関わるような)ピンチに陥るのだが、深刻さは一切無い。怪しい人物として登場するAntonio Banderasですら、毒気が抜けて見えてしまうほど、とことん、朗らかな映画だ。
それでも、Paddington Bearのキャラが丁寧かつブレずに描かれていて(英国紳士然たる英語を喋る様は、絶対に字幕版で観るべきだと思う)、しっかり没入できるところに、製作陣の良心を感じる。万人にお勧め出来る作品だ。
そして、最後の最後でおいしいところを攫っていくHugh Grant。これは、前作を観ておくべきだったな。
ジャズ・ピアニスト Michel Camiloがオーケストラと共演するコンサートを観に、すみだトリフォニーホールに行ってきた。彼の、ハチャメチャなまでのパワーに溢れた、ご陽気カリビアンという感じのピアノ演奏は、上原ひろみのプログレ魂を刺激するサウンドとは全く違うタイプだが、これまた、大好物なのだ。
公演は二部構成。第1部はMichel Camiloのソロ。舞台中央にドーンとSteinwayのグランド・ピアノ。クラシック・ホールでの公演ということで、PAは無し。生音でMichel Camiloのピアノを浴びられる至福。
彼のオリジナル「From Within」から、スタンダードの「Take Five」、映画音楽など、選曲は比較的取っつきやすいナンバーが並んでいると思うが、演奏が凄い。とにかく、打鍵の力強さと、速さに、思わず笑っちゃうほどの熱演。彼も、この音響・雰囲気ともに素晴らしいホールでの演奏を存分に楽しんでいるようだ。そして、第1部ラストの「Caribe」の凄まじい演奏には、ただただ圧倒される。ピアノが打楽器だと納得するパフォーマンス。
休憩中に、ピアノの周囲にオーケストラのセッティング。
第2部で、中田延亮が指揮する新日本フィルが登場。コンサート・マスターは、上原ひろみとの共演でもお馴染み、西江辰郎。
まずは、オーケストラだけで、Leonard Bernsteinの「Candide - Overture」。フル・オーケストラの音の厚みを、たっぷりと堪能出来る作品だ。
そして、Michel Camiloが登場し、彼の作品「Piano Concerto No.1」をオーケストラと共演。出だしは、単にピアノとオーケストラの音が足されているという印象だったのだが、どんどん相乗効果が高まってきて、第一楽章の後半は、熱くて、厚い。静かな雰囲気の第二楽章を挟み、第三楽章は、オーケストラの打楽器部門も大活躍の大迫力。Camiloの高速打鍵とオケとの掛け合いに大興奮だ。演奏後、本当に嬉しそうに中田延亮とハグするMichel Camilo。彼にとっても、充実したプレイだったのだろう。
盛大な拍手を受け、アンコール。Michel Camiloだけで、「I Got Rhythm」、「Caravan」、「Sing, Sing, Sing」、「It Don't Mean a Thing」といった有名曲のフレーズを超絶技巧でメドレー仕立てにした、楽しい演奏。エンターテイナーとしても素晴らしい。そんな彼の手捌きを、ニコニコと見つめている楽団員の皆さんの表情も良き。
ということで、超一流同士の異種格闘技戦とも言えるパフォーマンスに大満足である。