IN/OUT (2021.9.5) |
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先週は、夏の矢野顕子強化月間のピーク。ブルーノート東京でのライヴに、3日間・4公演、参戦してました(本当は、3日間・6公演の予定だったのだが、一部、やむなく断念)。間引きされた座席でゆったりでき、アルコール提供無しで財布に優しく、終演が早いので帰りも楽(もっとも、早く始まるので、平日の参戦は厳しくなるが)。これはこれで、意外に快適かも、という気がしてきた今日この頃です。 最近のIN「マン・レイと女性たち」@Bunkamura ザ・ミュージアム (21.9.5)Man Rayの作品展を観に、Bunkamuraに行ってきた。 彼は、20世紀初頭から、写真・絵画・映画・彫刻等、幅広い分野で活躍した芸術家だ。この展覧会では、彼と深い関わりのあった女性たち(KIKI de Montparnasse, Lee Miller, Meret Oppenheim, Juliet Browner)を切り口に、主に写真作品を中心に彼の業績を俯瞰する。 関係のあった女性たち以外にも、Salvador DalíやCatherine Deneuveなど、様々な有名人が登場するポートレートの作品群を見ると、そのクオリティ以上に、彼の社交的な才気(恐らく、かなりの「人たらし」だったのでは)を感じる。Man Rayという自称は、本名のEmmanuel Radnitzky(正確な綴りは、諸説有って、定かでは無いらしい)を縮めたものだそうだが、写真家で「Ray」を名乗るというところにも感じる自意識と、作品のあちこちに顔を出す駄洒落に近いユーモア感覚。それが、ダダイズム、1920年代のパリ(「狂騒の20年代」!)、シュルレアリスム運動といった時代背景にピッタリはまったのだろう。 これまで、Man Rayに対しては、何度か現代美術展で観た、人を喰ったようなオブジェの印象が強かったのだが、この展覧会でより幅広い才能を知ることが出来たのが収穫だ。しかしまあ、女性遍歴(彼の場合、スキャンダラスな匂いはなく、それぞれ、しっかりした付き合いという印象だが)を軸にした個展が開催されるというのは、芸術家も大変である。 ”Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings” (21.9.5)Marvel Cinematic Universe(MCU)の新作を観てきた。邦題は「シャン・チー テン・リングスの伝説」 MCUは、現在 Phase 4。すっかり膨れ上がったシリーズに、新たな登場人物が加わる訳だが、"the Ten Rings"は、MCUの第一作 "Iron Man"で、Tony Starkを拉致したテロリスト集団(結果的には、Iron Manを生み出すきっかけを作ったとも言える)。さらに、”Iron Man 3”では、Ten Ringsの首領の名を騙った陰謀が描かれているのだが、その際、首領になりすましていたのが、売れない俳優役の、Ben Kingsley。この名優が本作でも同じ役柄で登場している。MCUは、散々、風呂敷を拡げまくっているようで、ちゃんと過去作との繋がりを保ち、揺るぎの無い世界を構築しているのが凄い。MCU全体を統括するKevin Feigeの力量、恐るべしである。 ストーリーは、それを持つ者に超人的な能力を与える10個の腕輪を所有し、犯罪組織を率いる父と、彼の後継者として育てられながらも、その境遇から逃げ出し、アメリカでホテルの駐車場係としてひっそり暮らしていた息子が対決するというもの。ほとんどの登場人物がアジア系で、中国語の会話に英語字幕が付くシーンも多い。多様性を重視する最近のハリウッドらしい。 主人公 Shang-Chiは、ヒーローと呼ぶには、いささかもっさりした感じだが(演じるSimu Liuは、自らMarvelに熱烈な売り込みをかけて、この役を得たらしい)、その横で狂言回し的に活躍するAwkwafinaが、彼女の個性を見事に活かしていて、まさにハマり役。 主人公を導く叔母に扮するのは、Michelle Yeoh姐さん。例によって、凜とした佇まいからキレの良いアクションを披露。そして、悪役である父親を演じるのは、Tony Leung(梁朝偉)。アジア映画界を代表する美男美女が、MCUの世界で活躍するのが痛快だ。 美術館の予約制なども、最初は面倒だと感じていましたが、馴れれば、混雑が確実に回避できるし、自分の予定もきちんと立てられる。数ヶ月後(あるいは、数年後)、事態が解決に向かったとしても、残すべきものは結構ありそうです。 |