IN/OUT (2020.3.8) |
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あれよあれよという間に、すっかり自粛モードが定着してしまいました。もちろん、感染の封じ込めこそが、最大の重要事であるのは当然ですが、冷静な判断無しの、安直に流されての自粛というのも多いのではないかと思う今日この頃です。 最近のIN”Apocalypse Now Final Cut” (20.3.6)Francis Ford Coppola監督の傑作映画の再編集版を見てきた。邦題は「地獄の黙示録 ファイナル・カット」。1979年の作品だが、Coppola監督自ら、2001年に「特別完全版」を再編集し公開している。そして、2019年、新たな編集とデジタル修復も施した最終版として制作されたものが、IMAX劇場で期間限定上映されているのである。因みに上映時間は、「オリジナル版」が147分。「特別完全版」が203分。そして、「ファイナル・カット」が183分。オリジナル版でカットしたフランス人入植者とのエピソード等を復活させながらも、特別完全版の冗長さを見直したというところだろう。 オリジナル作はリアルタイムで観ているが、その時は、正直、難解で辛気くさい映画だという印象だった。しかし、それから40年。改めて観ると、この映画が持つパワーにすっかり打ちのめされてしまった。また、ベトナム戦争を背景にした映画ではあるが、アフリカのコンゴを舞台にしたJoseph Conradによる原作「闇の奥」(数年前に読了)を、意外なほど忠実になぞっていることも発見だった。 何よりも驚くべきは、CGを使わない、物量で押しまくる映像の大迫力だ。そして、悪魔的な音楽。これらが一体となって、映画の前半は、戦争の狂気が異様な迫力で迫ってくる。デジタル修復による画質・音質の向上も寄与しているし、必要なシーンをしっかりと復活させた編集にもよるのだろう。ここまで凄まじい映画だったのかと驚嘆。そして、この作品をIMAX劇場限定で上映したのは、配給会社の大英断だと思う。IMAXの大画面が誇る没入感で、観客も主人公の地獄巡りに同行できるのだ。 一方、物語が神話的な様相を帯びる後半は、やはり、退屈な感じが残っていると思う。が、ここは、Coppolaの悩みがそのまま画面に焼き付けられているのだと思うと、憎めない。 ということで、再見して大正解だった。やはり映画史に残る傑作だ。しかしながら、入場者は悲しくなるほど少なかったが… テレワーク対応でむしろ増大するストレスは、客足が遠のいて困っているであろう行きつけの飲食店で解消という、呑みに行く口実に流される今日この頃でもあります。 |