IN/OUT (2020.3.1) |
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「これから1~2週間が瀬戸際」という正面切っては反論しづらい見解で、色々、自粛モードが拡がっています。スタンディングでぎゅうぎゅう詰めのライヴハウスなどは、まあ分かるとして、普段、それほど混み合うことのない美術館(原美術館のことだ!)まで休館というのは、過剰反応だと思いますけどねぇ…。 最近のIN”Midsommar” (20.2.29)昨年の夏、米国で大ヒットしたホラー映画を観てきた。邦題は「ミッドサマー」。原題は、スペル・ミスではなく、スウェーデン語で「夏至祭」の意味。 主人公は、妹が両親を道連れに無理心中したショックから立ち直りきれない女子大生。そのため、文化人類学を専攻する恋人との間もギクシャクしている。この二人と大学の友人、合わせて5人がスウェーデンを訪れる。その中の一人、スウェーデンからの留学生の故郷という奥地の村では、90年に一度の祝祭が開催されるという。学問的見地からも興味津々で出かけた学生達だが、一見、平和で牧歌的なその祝祭は、実は…。というお話。 すごく怖いとか、トラウマになるといった評価が多く、覚悟しての鑑賞だったが、実際の所は、それほど怖いという感じでは無かった。悪趣味な人体損壊シーンはあるが、ジャンル映画としてのホラーとは、かなり異なる印象の作品だ。Ari Aster監督自身、この作品は、ダークコメディで、カタルシスを感じる物語だと語っている。キリスト教化されていない文化に対して潜在的な恐怖感を持つ、一般的欧米人からすると、滅茶苦茶怖いのだろうと想像するが、姥捨山伝説など「村の因習」的な事に馴染みがある日本人には、あまり怖くないのかもしれない。 が、映画全体が孕む異常な緊迫感は、見応えがある。舞台は、白夜のスウェーデン。草原に花が咲き乱れ、白い民族衣装に身を包んだ素朴な人達が歌い踊るという風景と、その背後にある得体の知れない何か。主人公が感じる不安感が増大し、そして、それがクライマックスに達したときに彼女が下す決断。そこには確かにカタルシスがある。148分の長尺映画(172分のディレクターズ・カット版もあるらしい)。その間、ずっと嫌ぁな感じが漂うのだが、その嫌さがやみつきになる映画だ。 因みに、立川シネマシティで鑑賞したが、館内はほぼ満席だった。こういうタイプの映画を好む人達という属性と関係あるのかもしれない。 職場も、原則在宅勤務が指示されています。ほぼ全員がテレワークだと、メールの量が増えるし、物理的な会議室に縛られない分、Skype会議の数も増えて、余計忙しくなった気がする今日この頃です。 |