IN/OUT (2019.8.25)

猛暑も一段落したという感じの気候になりました。が、思い出してみると、私が子供の頃の真夏って、丁度これぐらいの暑さじゃなかったっけ、と考える今日この頃です。


in最近のIN

"Kesari "19.8.19

Akshay Kumar主演の、史実を元にしたインド映画を観てきた。タイトルのKesariは、サフランのこと。インドでは、サフラン色は、勇気と犠牲を象徴するそうだ。邦題は「KESARI ケサリ 21人の勇者たち」

舞台は、英国支配下のインド。アフガニスタン・パキスタンとの国境近くにあるサラガリ砦。この砦が、1897年9月12日午前9時、1万人以上のパシュトゥーン人(その辺りに住むイラン系民族)に急襲される。その時、砦を守っていたのは21名のシク教徒の兵士だけ。圧倒的不利な状況で、21名の兵士は夕方まで持ちこたえた。そして、ここで丸一日足止めしたことで、その後の戦局が変わったという、インドでは有名な武勇伝の映画化である。

Akshay Kumarはじめ、主要登場人物が皆、シク教徒。ターバンを巻き、髭を蓄えたおじさんばかりなので、見分けが付きづらいのが難点。シク教徒は、インドの多数派 ヒンドゥー教徒とは違い、肉食が禁じられておらず(飲酒も可だが、喫煙は駄目)体格が良い。そのため、イギリス統治時代、軍人として重用されていたという。また、その堂々たる外観から、ホテルのドアマンなどにも多い。インド人=ターバンという印象が広まったのは、シク教徒の(人口比以上の)存在感の高さ故だ。

信仰に対する誇り。植民地支配をする宗主国への意地。シク教徒の気高さ(と、イスラム教徒の非人道性)を強調するストーリーは、日本人にはピンと来ないところも多いが、アクションシーンの迫力は圧倒的。1万人対21人の戦いを、説得力を持って描ききる。さらに、このような作品でも、歌って踊るシーンがきっちり用意されていることに感心する。

自らが信じる義のために命を投げ出す姿に打たれるというのは、万国共通だろう。この映画でAkshay Kumar演じる指揮官のカッコ良さと、それに応える部下達の気高さには、宗教や民族問題を超えてグッと来る。しかし、結局は、戦い=殺し合いなわけで、登場人物達を皆、狂信者と捉えることも出来る。鑑賞後の感想はやや複雑だ。



ということは、8月の東京にオリンピックを招致した人達って、子供の頃の記憶にしがみついているのかしらん?