IN/OUT (2017.7.2) |
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「Facebookコミュニティは20億人に達しました」から始まる、Facebookからのメッセージを受け取りました。過去、私がFacebookに上げた画像を彼らが勝手に(自動的に)編集したメッセージを作って「これを友達とシェアしたら?」と言っているらしい。他にも、Facebookからのこの手のメッセージが増えているようで、ハッキリ言って、気持ち悪い… 最近のIN"Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales" (17.7.1)Johnny Deppの当たり役、Captain Jack Sparrowを主人公にしたシリーズの第5作を観て来た。 2003年の第一作は、これまで見たことが無いようなタイプの娯楽大作として大いに楽しんだのだが、シリーズを重ねるうちに、「大作」であることを意識しすぎているのか、なんだかいろんな事を過剰に盛り過ぎている印象が強まってきて、私には、のめり込めなくなっていた。この5作目にも、正直、期待していなかった。 しかし、今回は、良い感じに肩の力が抜けたところがあり、これぞシリーズ映画!という楽しさに満ちた快作だった。「死人に口なし」という原題じゃ、あまりにも意味不明と思ったのかもしれないが、「最後の海賊」なんて、変に気張った邦題を付けた配給会社には賛同できない。大体、Jack Sparrow自体が、Johnny Deppの怪演のため、ほとんど意味不明な存在と言えそうなのだから、変なタイトルでも良いじゃないかと思う。(私は体験したことがないが、"Dead Men Tell No Tales"というフレーズは、映画の元になった、ディズニーランドのアトラクションで使われているらしい) シリーズ映画の一番のお楽しみと言えば、主役だけで無く、脇役も含め、馴染みの登場人物が、こちらの期待通りの活躍をしてくれるところだと思うのだが、それが、この作品では、とても良く出来ていると思う。さらに、シリーズに変化を付けるゲスト・キャラとして、存在感ある悪役がはまるJavier Bardemを持ってくるところも盤石。それに加えてカメオ出演のPaul McCartneyも楽しい。このシリーズには、既にKeith Richardsが出演を果たしているのに対抗心を燃やしたのか? Jack Sparrowが、他のシリーズ映画の主人公と大きく違っているのが、彼自身が前面に出てストーリーを転がす大活躍をする訳じゃ無いというところだ。大活躍するのは、若いヒーローとヒロインで、Jackは狂言回しという役割。特に、今回の作品では、その狂言回しっぷりが徹底していると思う。長期シリーズ映画で、主人公が若者達のバックアップに回るというのは、後期「男はつらいよ」的立ち位置と言えるかもしれない。となると、Jackが発する"Pirate's Life"という台詞は、「海賊はつらいよ」と言ったところか。 ただ、この映画の最大の欠点は(ネタバレになるが)、いくら、Brenton ThwaitesとKaya Scodelarioの若手二人が奮闘しても、その親世代であるOrlando BloomとKeira Knightleyコンビの前では存在感が桁違いだということ。特に、Keira Knightleyの圧倒的美貌が画面に映ってしまうと、ヒロインの存在がすっかり霞んでしまうと感じたのは、私だけじゃ無いと思う。 "Going in Style" (17.7.2)Michael Caine、Morgan Freeman、Alan Arkinが主演した映画を観てきた。邦題は、「ジーサンズ はじめての強盗」。 邦題が示すとおり、主演の三人は、全員 80歳オーバー(Michael Caine = 1933年生まれ、Alan Arkin = 1934年生まれ、Morgan Freeman = 1937年生まれ)。企業の論理で年金支給を一方的に打ち切られた彼らが、銀行強盗を企てるというストーリーである。そしてまた、邦題から想像が付くように、シリアスな犯罪映画ではなく、ハート・ウォーミングなコメディ映画だ。内容の想像が付くという意味では、悪い邦題とは言い切れないが、オスカー俳優ばかりのスタイリッシュな主演陣に失礼なタイトルだと思う。 強盗決行の様子をハードに描くことも、FBIの捜査の手が伸びる状況をサスペンスフルに描くことも、米国の金融システムへの告発という社会的側面を強調することもなく、語り口は、あくまでも軽快。この軽さは、映画じゃ無くてもテレビドラマでも良いんじゃないかと思うほどだが、そこは、主演三人の存在感が強力。さらに、ヒロイン的な役回りで登場するのが、Ann-Margret! 久しぶりに見た彼女も、1941年生まれだ。ベテラン達の演技合戦を見ているだけで幸福な気分になれる。 年寄り組では、もう一人、Christopher Lloyd(1938年生まれ)も、すっかりボケたおじいさんを怪演。老人達に振り回されるFBI捜査官がMatt Dillonというのも、ツボを押さえた配役だ。 彼らの演技を楽しんで見ていられることの裏には、要所を押さえつつ、実は捻りを効かせた脚本と、コメディだからといって過剰なギャグを入れたりしない控え目ながら巧みな演出がある。あまり目立つ映画では無いと思うが、良作だ。 Facebookに限らず、大きなお世話的なSNS側からのメッセージには、げんなりするのですが、かといって、全くSNSを拒絶するというのも、今では難しく。これが、必要悪という物ですかね。 |