IN/OUT (2017.6.18) |
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梅雨入りしても、いまいち雨降りの日が少ないのに、傘を持って出かけなかった時に限って、雨に遭ってしまうという、マーフィーの法則的な今日この頃です。 最近のIN"I Am Not a Serial Killer" (17.6.17)連続殺人鬼を描いたホラー映画を観てきた。殺人鬼役は、"Back to the Future"のドク役でお馴染み、Christopher Lloyd。 主人公は、高校生の男の子。元々、殺人に対する興味が強く、家業の葬儀屋をを手伝うことで、ますます、その傾向に拍車が掛かり、セラピストからはソシオパス(社会病質者)と診断されている。そんな折、彼の住む町で連続猟奇殺人事件が発生。彼は、偶然、その犯人が向かいに住む老人だと知ってしまう。 一見、人畜無害の老人のようで、被害者の臓器をえぐり取る連続殺人鬼 Christopher Lloydと、その事件によって殺人への興味がさらにかき立てられるのを理性で押さえつけようとする主人公の対決という、かなり変化球の、そして、中々怖そうな設定のホラー映画だ。ただ、ソシオパスという設定の割に、主人公の男の子が(変わった個性ではあるが、十分、理解可能な)結構良い子なのは、ご愛敬か。 主人公が手伝っているのは、米国の葬儀屋なので、日本では馴染みの無いエンバーミングを行っている。死体に防腐剤を注入すると同時に血液を排出するなどの防腐処置だが、これが重要な鍵となっているところが、日本では受け容れづらいところかもしれない。 先の展開が読みづらく、スリリングな画面が続く映画は、ラストで驚愕の展開となる。老人を殺人に駆り立てていた物の正体が明らかになったところで、苦笑するか、腹を立てるかで、評価が分かれると思うが、誰しも、ある種の脱力感に囚われるのではないだろうか。私には、憎めない珍作だ。 「HNコレクション シリアルキラー展 II」@ ヴァニラ画廊 (17.6.10 & 18)映画「I Am Not a Serial Killer」関連の展覧会を見に、銀座にあるヴァニラ画廊に行ってきた。HN氏が個人で収集している、連続殺人者が描いた絵画や、書簡などが展示されている。 このHN氏。Nakajimaという名字の日本人らしいが、元々はサスペンス映画好き。そこから、登場人物のモデルとなった実在の殺人犯のことを調べる内に、収集癖に火が点いたということだが、個人が集めたとは思えない質と量を誇るコレクションだ。しかも、収集の過程で、Charles Mansonと文通したりしている(電話が掛かってきたこともある)らしい。まさに、好事家。 ヴァニラ画廊があるのは、地下二階。かなり狭い空間だが、そこに、Charles Manson、John Wayne Gacy、Edward Geinなど、高名なシリアルキラー縁の物がぎっしり。そして、お客さんもぎっしり。シリアルキラーが描いた絵は、いかにも精神的に病んだような作品もあれば、ごく普通に上手な絵、という物もあり、かならずしも共通項がある訳では無いと思う。そこに、共通するか何かを見いだすとしたら、それは、先入観によるものではないだろうか。 もっとも、John Wayne Gacyが描くピエロの絵(Steven Kingが"IT"のモデルにした事で有名)の底知れぬ不気味さは、先入観無しでも、異常な不気味さを感じてしまう。 現実に被害者が存在する事件の犯人による作品を興味本位で観るというのは、モラル的には誉められた事じゃ無いとは思うが、フィクションとしてのサスペンスやホラーを楽しむ上での予備知識を得るという事では、中々に充実した展覧会だ。 なお、来場しているのは、ごく普通のデート中のカップルのような人が多く、いかにもサブカル好きっぽいような人や、ゴスロリ系の人は見かけない。皆、軽い怖い物見たさ、ということだろう。 ビニール傘を、駅やお店、オフィスなどに大量に常備するようにしてもらえると助かると思うし、実際、そういう取り組みをやっている地域もあるということですが、問題となるのはビニール傘がすぐ壊れちゃうという事でしょう。コンビニで売られている最安品よりも、もう少しクオリティが高い物が標準品として町中どこにでも常備されているというのが理想だと愚考してます。 |