IN/OUT (2016.7.31) |
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土曜日、町を歩いていると、浴衣姿の女性がとても多い。隅田川花火大会の開催日だったんですね。町の雰囲気が華やいで、良いですな。 最近のIN「シン・ゴジラ」 (16.7.30)ゴジラ映画の新作を観てきた。 正直、観るまでは不安だった。2014年、ハリウッドでGareth Edwards監督が、"Godzilla"を正統派怪獣映画に仕上げてしまった今となっては、貧乏くさい日本映画(それも、強烈な作家性を持つ庵野秀明監督)に、何が出来るのか、と思っていたのだ。 が、実際に観て驚いた。日本映画にありがちな、「臭いドラマ」や「お子様設定」を廃したハードな枠組み。字幕や音楽の使い方、そして、飛び交う膨大な台詞などに表れる庵野監督の作家性。意表を突くゴジラの造形とその生態の解釈。様々な要素が見事に噛み合い、見応えのある120分だ。 ストーリーの骨子は、第一作とほぼ同様。ゴジラは、東京湾から上陸し、単に移動するだけで、破壊の限りを尽くす。伊福部昭に敬意を表した劇伴とともに、昔からのゴジラ・ファンには、あちこちに仕掛けられたオマージュ・シーンを探すのも一興。 もちろん、単なる懐古趣味に陥ることはなく、「3.11」後の日本というものを、しっかり見据えた、誠意ある災害映画になっているという点も優れたところだ。ちょっと、「この国のため」という暑苦しさが鬱陶しくなるきらいもあるが… ゴジラの動きは、野村萬斎がモーション・キャプチャで演じたと言うことだが、なるほどと思わせる、余韻を感じさせるもの。これも、ハリウッドでは再現できないところだろう。これで、石原さとみの役どころを、米国人女優が演じていれば、さらに大傑作になっていたと思えるのが、残念なところだ。せっかくのリアルなドラマを、彼女の存在が台無しにしていると思う。本当のヒロインは、市川実日子の方だろう。ラスト近くで見せる彼女の表情は、この映画の中でも指折りの良い場面だ。 今年から、東京湾大華火祭は、オリンピック準備のため休止。こっちの方が、地域的には馴染みがある分、ちょっと残念。とは言っても、人混みの中、見物に出かけた事は無いのですが。 |