IN/OUT (2016.5.15)

ネット通販でチケットを購入した場合、自分の都合で引き取れるコンビニ受け取りだとありがたいのですが、自宅に郵送しか選択肢が無い場合も多い。これが、結構、不便です。簡易書留的な扱いで、直接手渡しが原則。自宅にいないときに来られると、結局、再配達を依頼することになります。普通郵便扱いで、ポストに入れてくれて構わないと思うのですが…。米国だと、小切手なんかでも、平気で普通郵便を使ってますからねぇ。


in最近のIN

PLASTICS "WELCOME BACK PLASTICS"@ブルーノート東京16.5.10

プラスチックスの結成40周年を記念したライヴを観に、ブルーノート東京へ行ってきた。

プラスチックスは、イラストレーターの中西俊夫、グラフィック・デザイナーの立花ハジメ、ファッション・スタイリストの佐藤チカが中心となって結成されたテクノ・ポップバンド。元々は素人バンドだったが、元・四人囃子の佐久間正英と作詞家の島武実を加え、B-52'sや、Talking Headsとライヴで共演し、イギリスのRough Trade Records、さらにはIsland Recordsと契約しアルバムを発売するなど、世界レベルで活躍するまでになったが、1981年に解散。その後、何度か、再結成ライヴは行っている。

彼らが活躍した1970年代後半から80年代前半は、シンセサイザーやリズム・ボックスが進化し、肉体的鍛錬によって演奏技能を磨かなくても、プロ・ミュージシャンとして活動することが可能になった時代。楽器演奏が下手くそでも、センス一発勝負でヒット曲を出せるようになった時代だった。イラストレーター、グラフィック・デザイナー、ファッション・スタイリストが集まった素人集団でも世界的なバンド活動が可能になったのだ(同じテクノ系でも、YMOなどは、プレイヤーとしても卓越した技能を持った集団だった訳だが)。この時代のテクノ・ポップの代表格と言えるのがプラスチックスだった。

さて、今回のライヴ、2014年に逝去した佐久間正英と、音楽活動からは退いた佐藤チカを除く、中西俊夫(ギター、ヴォーカル)、立花ハジメ(ギター、サックス)、島武実(リズムボックス)が集結。さらに、momo(キーボード)、リンダdada(ヴォーカル)の二人の若手女性がサポート。後方では、久保田麻琴がライヴ・ミックスを担当し、さらに、DJに高木完を配するという、やたらと豪華な布陣である。

開演前、通常だと、落ち着いて食事する時間にも、大音量のDJプレイが流れていたが、プラスチックスが活動していたのと同時代の音楽中心に回していたので、私にも安心して聴けるサウンドだ。

そして、開演。まずは、中西俊夫と立花ハジメの二人だけで、代表曲"Top Secret Man"と"Copy"を演奏。続いて、残りのメンバーを呼び込んで、本格的にライヴ開始。

中西俊夫は、昔のイメージのまま(挨拶は「こなさん、みんばんは」!)。立花ハジメは、丸刈り頭で、終始無言で演奏。プラスチックス解散後、私の中では矢野顕子専属デザイナーとしての印象が強い立花ハジメだが、彼が一番ミュージシャンとしてカッコ良いなぁ。島武実の見た目はすっかり年相応(現在 69歳)。担当するのもリズム・ボックスなので、ステージ上の動きも地味である。一方、サポートのお嬢さん二人は、中々健闘。momo嬢は、見た目は派手に着飾っているが、堅実なキーボード・プレイ。リンダdada嬢(「N'夙川BOYS」のメンバー)は、佇まいこそ佐藤チカっぽく尖っているが、歌唱力があって、ルックスもモデル級(というか、モデルとしても活躍中)。納得の抜擢である。あと、大音量なんだけどバランス良く聴かせる久保田麻琴のミックスが優れもの。

アンコールは、バンド全員による"Top Secret Man"と"Copy"。やっぱり、名曲だ。と言う訳で、良くも悪くも、昔のイメージのままのサウンドが嬉し懐かしのライヴだった。


"Hail, Caesar!"16.5.14

Coen兄弟の新作を観てきた。

1950年代、ハリウッドのメジャー・スタジオを舞台に、主演俳優の誘拐、セクシー女優のスキャンダル、初めての文芸作に出演した西部劇スターの大根演技などなど、様々なトラブル対処に奔走する、スタジオの何でも屋を描く。

軸になるのは、歴史大作を撮影中に誘拐される大物俳優(George Clooney)を巡るストーリーだが、サスペンス的な盛り上がりがある訳では無い。ストーリーを追うよりも、画面に溢れる映画愛と、Coen兄弟の元に参集したビッグ・スター達の演技を楽しむ作品だ。

本筋とは関係なく挿入される、撮影中の映画のシーンが楽しい。中でも、Channing Tatumが水兵に扮して繰り広げるミュージカル映画の撮影シーンが圧巻。いかにも、当時のハリウッドっぽい、集団で歌って踊る豪華なステージが楽しい。

もう一つの見所は、George Clooneyの扱いだ。二枚目俳優の彼が、この映画の中では、徹底的に馬鹿にされる。ローマ人の衣装のまま誘拐される間抜けさ、さらに、誘拐犯である共産主義者とすっかり意気投合してしまう能天気ぶり。挙げ句に、何でも屋(Josh Brolin)に平手打ちをくらう駄目っぷり。これだけ情けない役をClooneyが引き受けるという所が、さすがCoen兄弟。

あとは、Alden Ehrenreichが注目株。アクションはキレているが、訛りが強く、演技は大根という西部劇スターを好演している。この映画での演技が評価され、今後制作される"Star Wars"のスピン・オフ作品で、若き日のHan Solo役に抜擢されたということだ。大根役者の演技が評価され、Han Soloねぇ…


「はちみつぱい 45th ANNIVERSARY Re:Again」@ビルボードライブ東京16.5.15

はちみつぱいの結成45周年を記念したライヴを観に、ビルボードライブ東京へ行ってきた。

1970~71年頃に鈴木慶一を中心とした流動的なメンバーで、当初はあがた森魚のバックバンドとして活動していたが、1972年頃には独立したバンドとなり、1973年にデビューアルバム「センチメンタル通り」を発表するも、1974年には解散。その後、鈴木慶一、武川雅寛、かしぶち哲郎、岡田徹という主要メンバーはムーンライダーズを結成することになる。と言う訳で、私の中では、はちみつぱいの曲と、初期のムーンライダーズの曲は、結構、混同していたりする。

活動を休止していたムーンライダーズも、この夏から活動再開するみたいだが、今回は、あくまでも、はちみつぱいのライヴ。はちみつぱいとして、今年のフジロックにも参戦するということだ。今回のビルボードライブに集まったメンバーは、鈴木慶一、渡辺勝、武川雅寛、岡田徹、駒沢裕城、和田博巳、本多信介というオリジナルメンバーに加え、2014年に逝去したドラマー かしぶち哲郎の代わりにサポートドラマーの夏秋文尚、さらに、かしぶち哲郎の息子さん 橿渕太久磨もドラマーとして参加。

オリジナル・メンバーは、皆、それなりのお年だが、演奏のレベルは全然落ちていないようだ、中でも、「塀の上で」は圧巻だった。最近では矢野顕子のピアノ弾き語りバージョンを聴くことが多かったが、オリジナルのバンド・サウンドも実にカッコ良い。慶一のヴォーカルも、この曲の時だけは、さらに気合いが入っていたようだ。昨年、急性大動脈解離の緊急手術を受けたくじらさんも見事に復活し、味わい深いバイオリンを聴かせてくれる。

さらに、二回目のアンコールで、ゲストにあがた森魚が登場。彼の作品「君はハートのクィーンだよ」、そして、はちみつぱいの「煙草路地」。どちらも、バンド全員がノリノリ。音楽的なクオリティの高さと、同窓会的な楽しさに満ちた、素敵なライヴだった。

なお、元気な老人に混じって健闘する橿渕太久磨君の爽やかさ、そして、お父様譲りのヴォーカルも、中々の見所だった。



その点、ブルーノート東京やビルボードライブ東京は、ネット予約すれば、後は、当日、会場でチェックインする際に名乗るだけで入場可。非常に楽です。ただ、両店とも、支払いの時に思うのですが、あのシステムだと(身元が割れていない電話予約の場合)食い逃げしようと思えば簡単に出来そうな…。性善説に基づいて店舗運営しているのでしょうかね?