IN/OUT (2016.2.21)

毎年、この季節になるとひどい口内炎に悩まされる、今日この頃です。


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"Carol"16.2.21

今年度のアカデミー賞で、主演&助演女優賞の最有力候補との呼び声も高い映画を観てきた。原作は、Patricia Highsmith。「見知らぬ乗客」や「太陽がいっぱい」で知られるミステリー作家だが、これは、彼女が別名義で出版した非ミステリー小説である。

1950年代のニューヨークを舞台に描かれるのは、Cate BlanchettとRooney Maraによる恋愛劇。自身がレズビアンだったHighsmithが、当時の状況では別名義で出版せざるを得なかった作品なのだ。と言っても、センセーショナルな感じは無い。丁寧に紡がれる物語は、性別を超えた普遍的な力を持っている。

正直、恋愛映画は得意分野では無い。ストーリーに関して、意地の悪い表層的な見方をすれば、世間知らずの若者 Rooney Maraを、魔性の女 Cate Blanchettが弄ぶ、と言えなくもないと思ってしまう私にとって、この映画の見所は、新旧二大女優の演技合戦だ。Cate Blanchettの貫禄溢れる演技は当然として、それを受けるRooney Maraが予想以上に良い。ラスト、二人の視線が絡み合うシーンの迫力は鳥肌モノ。

また、50年代のニューヨークの上流婦人とフォトグラファーを志す若い女性にピッタリの服装や小物も素晴らしい。アカデミーの衣装デザイン部門にもノミネートされているのも納得だ。

ということで、普段はあまり積極的に観るタイプの映画では無いのだが、前評判に釣られて観に行って大正解だった。



仕事上、一年で一番ストレスが溜まる時期、というのが原因だろうとは思うのですが、実は、スギ花粉の影響もあるのでは、と邪推しています。