IN/OUT (2015.10.25)

早くも、木枯らしの時期になりました。異常気象だの温暖化だの言っても、とりあえず冬は来る。


in最近のIN

"John Wick"15.10.24

Keanu Reeves主演のアクション映画を観てきた。

彼が扮するのは、元・凄腕の殺し屋。結婚を機に足を洗ったのだが、妻は病死。彼女が遺した犬に孤独を癒やしてもらう日々を静かに送っている。しかし、ロシアン・マフィアの親分の馬鹿息子との間にトラブル発生。犬を殺された彼は、復讐に燃え、再び殺しの世界に舞い戻る。

監督は、"The Matrix"でKeanuのダブルを務めたスタント・マン。それだけに、アクション・シーンのキレが凄い。ワイヤーやCGに頼らず、説得力のある肉体の動きをきちんと見せてくれる。基本、ガン・ファイトなのだが、これまで見たことの無いような流麗なガンさばき。50歳台に突入したKeanuが、それに応える身のこなしを見せてくれる。彼も、日本に来てラーメン食べて、くまモンと写真撮ったりしているばかりじゃなく、ちゃんと鍛えているのだなぁと感心。

ストーリーはシンプルだが、裏社会のルール(そこだけで流通する金貨とか、殺しの現場専門の清掃屋とか、その手の人達が集まるホテルとか)の設定など、ニヤリとする仕掛けが巧い。犬を殺すというハリウッドで最大級のタブー(どんなディザスター・フィルムでも、犬は助かるというのがハリウッドの掟)に挑んだ心意気も良し。


"Davie Bowie is"15.10.24

シアターイメージフォーラム2013年に英国のVictoria and Albert Museumで開催され、大評判だったDavid Bowieに関する展覧会("Exhibition"の訳語に「回顧展」を用いているメディアが多いようだが、まだ現在進行形のアーティストに使うのには違和感を覚える) "David Bowie is"のドキュメンタリーを観てきた。日本では、今年の一月に期間限定上映されたそうだが、その時は見逃していたのだ。今回、アンコール上映が行われたので、ようやく鑑賞。

これは、五ヶ月間にわたった展覧会の最終日に撮影されたフィルムだ。展示物の紹介と来場者のインタビュー、そして、最終日に開催されたトークショーの様子で構成されている。ただ、「映画」として見ると、内容も編集も、クオリティは低い。ほぼ、美術館の宣伝という感じ。さらに、日本語字幕が酷い。翻訳者は、Bowieへの愛情どころか、ロック・ミュージックに対する理解も無いのではと感じさせる下手くそな翻訳に、イライラする。ついでに、もう一つ不満を挙げると、ライヴ・シーンは、もっと音量を上げるべきだ。

展覧会の展示物自体も、Bowie様の手書きの歌詞や、若いときの写真など、ファンにとって嬉しくはあるが、そこまで凄いとは思えなかった。ただし、この展覧会は、入場者全員にオーディオ・ガイドが渡され、視覚と聴覚、両方から刺激を受けるという趣向になっているそうだ。それは是非体験したい。現在、英国での展示を終え、世界巡業に出ているそうだが、「英語での音声体験」というのがネックの一つになって、日本での開催は目処が立っていないらしい。ということで、その雰囲気を味わえるだけでも、このフィルム公開が有り難いのは確か。

日本人としては、このフィルムのクライマックスは、Bowie縁の人物として、トークショーのトップバッターで山本寛斎がスピーチするところだ。流暢とは言い難いが、力強い英語でBowieとのつながりを語る寛斎のカッコ良さ。さすが世界を舞台に活躍し続けているデザイナー。Bowieがその才能に惚れ込んでステージ衣装に採用したのも分かる(個人的には、彼がデザインする服は苦手だが…)。あと、日本人で言えば、鋤田正義が撮影したポートレイトも紹介されていた。やっぱり、何とか日本でも開催してもらいたい展覧会だ。



気がついたら、日もすっかり短くなっているし、冬支度をしなければ。